259粒目 「刺身と醤油と、マグロのユッケルパッチョ」 | 砂のブログ

砂のブログ

「線は無数の点から成り、…」で始まるボルヘスの
“砂の本”の様に、始まりも無ければ終りも無い
日々の営みの中で感じたことや思いついたことなどを
つらつらと綴っていこうかなと、ね。

以前、
マグロについての
御題目でも
書いた…

刺身に醤油、
じゃなくても
善いじゃない?

…のこと。




醤油の歴史は意外と浅く

ルーツと云われている
ペースト状の味噌に近い
“醤(ひしお)”

…中華の豆板醤など○○醤の
醤(ジャン)のことね

は、弥生時代に
水耕技術を持って入植した
大陸系先祖達が
持ち込んだ様ですが

…だから、中国や韓国の一部輩が
醤油の発祥は自分らの国などと
戯言をぬかすわけですが

味噌の上澄みから取れる
“たまり”醤油は
江戸時代に入ってからで、

↑たまりは味噌の副産物なので当然
生産量が少なく、余り出回らず

↓大量生産可能な醤油

“濃口(こいくち)”醤油や
“淡口(うすくち)”醤油が
江戸中期に作られ
広く流通する様になりました。


一方、刺身は

“刺身”という言葉が
文献などに出てくる
室町時代以前から

魚介にしろ
動物の肉にしろ
生肉を何らかの調味料で
味付けして食べる風習は在り、

…まぁ、

冷凍冷蔵手段や
保存手段の限られた
時代ですから
捕れ立てが直ぐに食べられた
地域近辺くらいでしょうが…

醤油が登場し
新鮮な魚が捕れる
江戸の町を中心に
広く食べられるように
なります。


同時期、握り寿司も
この世に誕生します。

…ちなみに、
握り寿司は屋台が主流で
今で言うところの
ファーストフード
でしたので

回転寿司は、寿司の
原点回帰なんです。

…今も在るのか分からないけど
以前、JR新橋駅近くに
小さな
立ち食いの
握ってくれる
寿司屋があって
「これこそが本来の寿司」
と、感動しました。




扠、醤油が登場するまで
刺身は様々な調味料で…
塩・酢・酒・からし等々
お好みで食べられていたわけで

で、ふと思った事が

醤油は別に
刺身を喰う為に
産み出された
刺身専用調味料ではなく

たまたま、

生臭さを誤魔化せる

塩分やアルコールや乳酸で殺菌

他の調味料と違い単体でも美味しい

刺身を食べる際いちいち
色々な調味料を合わせ作る
手間が省ける

…醤油製造メーカーなどが口にする
“緩衝”作用については微妙な
ところですが

等の理由で、
刺身には不可欠な存在とする人が増え
今に至るわけですが

例え、刺身と醤油が
運命的、劇的な出逢いをした
とは云え

魚介の種類に関係無く
刺身には
問答無用で
醤油、ってのは
違うんじゃないかな?
と、思うんですよ。




全国の何処でも
新鮮な生の魚介が食べられる
現代では尚更

最も、美味しい
刺身の食べ方を
模索すべきなんじゃないのかな?
と、ね。


勿論、醤油ほど
日本の食文化…
本来の和食にしろ
洋食交じりの和洋食にしろ
雑食な人種の
味覚において

…醤油は、基本的に
というか、平均的に
何にでも合う構造なんですよね

便利で万能な
調味料は在りませんが

白身魚やタコやイカなどの
淡白な味のものは
“カルパッチョ”が

マグロやカツオなどは
ハワイの“ポキ”や

コチュジャンを使った韓国の食べ方や

美味しい食べ方は
それこそ沢山在るわけで


通り一辺に常識を
受け入れてしまうのではなく

常識なんてのは、所詮
“多数派”の唱える
“意見の1つ”でしかなく

その多数の中で、
右に倣えではない
自身の意見に従っている人は
1人1人が自分の意見を持った
少数派全体よりも
少ない事だってあるでしょう

自分が“少数派”
で、あるなら
少数派なりの常識を作れば
良いだけで

もっと柔軟に
もっと楽しめる
方法を模作することが
個人の人間性にとっても
文化の発展にとっても
大切なんじゃないかな?
と、ね。


そういう意味では…

ほとんど毎日
魚を食べる漁師さん
野菜を食べる農家さん
は、食べ飽きない為に
消費者など一般的には
知られていない食べ方を
知っていたりするわけで

必然に迫られた際に発揮される
その柔軟性や探究心も
素晴らしいけど

常識から
脱却するには
先ず、
良く知る
ということが
大事なんだなと…




扠々、というわけで


今日の飯は
昨日の残りのアボカド
を、使った…


マグロの
ユッケ風
カルパッチョ風
アボカドソース
なんですが、
友人に振る舞ったら
マグロの“ユッケルパッチョ”
と命名してくれたので
じゃあ、それで…


です。


アボカド1/2に対して
レモン汁(小2)
オリーブオイル(大3)
塩コショウ(適量)を加え
すり鉢などで
よく擂り合わせて
ペースト状の
アボカドソースを
作ります


チューブのわさび(2~3cm)
オリーブオイル(大2)
塩コショウ(適量)で
…( )内の分量は、お好みで
わさびドレッシングを作ります

ちなみに自分は、
塩コショウではなく
煎り酒を使いました

まぁ、無難に
市販のわさびドレッシングでも
問題なし。


マグロは150gくらいの
“さく”を
粗みじんにしてから
少しネットリするまで
包丁で叩いて、所謂
“なめろう”を作り
チューブのにんにく(1cm)と
…自分は桃屋の“きざみにんにく”
を使いました
コチュジャン(小半強)を合わせ


皿に、
アボカドソースを
平らに敷き
マグロを
真ん中を凹ませて盛り
卵黄を落とし
わさびドレッシングをかけて

出来上がり。



崩して混ぜながら食べます。

落とす時に殻に引っ掻けて
黄身が割れてしまったのが、残念…




このレシピは、
イタリアン好きな自分の
バイブル的レシピ本

“365日わが家でもイタリアン”

に載っているものを

…本通りだと、イタリアン寄りなので

少しアレンジしました。


ワインよりもビールが
ワインなら赤の方が、
よく合います。