退職してバイク電装屋 -10ページ目

退職してバイク電装屋

自分のDUCATI SS900ieやスズキRH250Cのメンテ,お仕事のバイク電装作業中心のブログ。
バイクのほか車,家族,趣味のネタを掲載してます。

仕事でお相手しているカワサキZZ-R1100C。

 

「始動性が悪く、毎回ジャンプスタートしないと始動できない」

ので直して欲しいと言うものでした。

 

バイク乗ってご来店だったので、バッテリーの電圧は13V以上

ありましたが、エンジン始動しても13.5Vぐらいしか上がりません。

 

ZZRの持病、タンク下のオルターネーターコネクターを調べ、

オルター側コネクタ

メインハーネス側コネ

オルターネーター側も、メインハーネス側も、焼損はありません

でしたが、端子が緩く、

 

メインハーネス側のメス端子を少しカシメて、嵌め合いを強めて

接続したら、

 

バッテリーの電圧は、アクセルをあおると14V以上に上がりました。

でも、このままの状態では、多分コネクターが焼損します。

 

コネクターを別仕様にしようと思います。

 

ここから2日目。

 

オルター出力端子取替

黒い端子が、ジェネレーター端子焼損時によく使うXT-150型の

コネクター。 電流容量デカい。

 

で、茶色の方が電圧制御配線用の250型単極コネクター。

こちらは電流が流れないので、今までと同じサイズで良し。

 

XT-150型はハンダ付けなんで、少々取り付けが面倒です。

 

オルター出力端子接続

2つを接続したら、

防塵カバー復旧

純正の防塵カバーを元通り被せて、接続は終了。

 

また、苦労をしてタンクを乗せ、バッテリーを接続し、エンジン始動。

アクセルをあおるとバッテリー電圧は14V以上に上がるので、

この修理の結果は良好。

 

なんですが、エンジンが冷えた状態の始動性が悪い。

原因は充電電圧低下ではない様です。

 

始動時にちょいと気になることが!

 

フューエルポンプの動作音が聞こえません。

 

他車種のフューエルポンプの配線関係ですが、ざっと説明すると

 

・BK/BL(黒/青)はポンプ動作電源

・BR(茶)は+12V電源

・BK(黒)はイグナイター信号(点火信号)

・BK/R(黒/赤)はスターターボタンからの+

・BK/Y(黒/黄)はアース

 

です。

 

他車種の配線図なので、今回のZZRとはちょっと色が異なり、

BR → R(赤)、BK/R → Y/R(黄/赤)で、少し回路が異なります。

 

ざっと他車種の配線色で説明すると、

BK/BLに12V電圧が乗ると、ポンプが動作しますが、

 

そのためにはスターターボタンからBK/R経由で12Vが来ると、

ダイオードを通してポンプが回ります。

 

また、メインスイッチがONになると、BRには12Vが来ているんですが、まだポンプは回りません。

 

リレー内部のサイリスタがまだOFFです。

 

スターターを回して点火信号が出て、BKに電圧が乗ると、

サイリスタがONになって、BK/BLが12Vになるので、

ポンプが動作します。

 

サイリスタは一旦ONになると、BKの電圧が無くなっても、

ずっとONのままなので、以降はポンプ電源のBK/BLは12Vの

ままになります。

 

つまり、スターターボタンを操作するか、1度でもイグナイター信号が

でると、ポンプが回る回路です。

 

自己保持機能としてサイリスタを用いた回路ですね。

 

フューエルPリレー

手に持っている黒のケースに赤のコネクターが付いている物が、

フューエルポンプリレーです。

 

GPZ900Rなどで、ヘッドライトリレーとしても使われています。

 

リレーを調べたら、ダイオードもサイリスタもダメになっていました。

絶対フューエルポンプが回らない状態。

 

以前お預かりした別のZZRも、同じ症状でした。

 

対処の方法は、パーツを発注するのではなく、

渡り線コネクター作成

渡り線が1本入ったコネクターを作る方法。

渡り線がR(他車種のBR)とBK/BLに繋がる回路ができます。

 

リレーの代わり

フューエルポンプリレーの代わりに取り付けました。

 

今回のZZRのR(赤)回路は、メインスイッチとキルスイッチがONに

なると、12Vが来る回路になります。

 

エンジン始動が可能な状態を作ると、フューエルポンプが回る

回路ができます。

 

イグナイターからの信号じゃなくても、ポンプの機能は確保できるし、それほど異ならない回路構成で、リレー不具合なんて関係なく

なります。

 

エンジン始動機能を確認します。 → 問題無し。

スターター操作が、ごく短時間でも始動しました。

 

ZZRは、フューエルポンプがダメでも、キャブはタンク下に有るので、

エンジン始動が不可能ではないのですが、

 

キャブフロート内のガスが少なかったり、チョークを引いた時や

高回転時などでガスが必要な時には、エンジンが回りづらいかも

しれません。

 

ジャンプスタートとフューエルポンプには関係がありませんが、

フューエルポンプが停止していて、エンジンが掛かりづらく、

 

セルを長く回す状態では、バッテリーが持たないので、

ジャンプスタートが必要になったのでは? と考えられます。

 

各保安装置も動作に問題が無いので、外装をすべて戻し、

もう1度機能確認したら、お引き渡しです。

 

お客様ご来店時に、作業内容を一通り説明した後、バイクを店外に出す時に、

 

たまたま道路の路面標識塗装をしていたオッチャンが、

「オッ! ZZRだ。 こいつ世界最速だったんだよね」

「オレ、前乗ってたんだよ」 って喜んでた。 (笑)

 

お客様はセル1発、無事お帰りになりました。

良かった良かった。

 

 

 

 

 

おしまい