仕事でお相手しているカワサキZZ-R1100C。
「始動性が悪く、毎回ジャンプスタートしないと始動できない」
ので直して欲しいと言うものでした。
バイク乗ってご来店だったので、バッテリーの電圧は13V以上
ありましたが、エンジン始動しても13.5Vぐらいしか上がりません。
ZZRの持病、タンク下のオルターネーターコネクターを調べ、
オルターネーター側も、メインハーネス側も、焼損はありません
でしたが、端子が緩く、
メインハーネス側のメス端子を少しカシメて、嵌め合いを強めて
接続したら、
バッテリーの電圧は、アクセルをあおると14V以上に上がりました。
でも、このままの状態では、多分コネクターが焼損します。
コネクターを別仕様にしようと思います。
ここから2日目。
黒い端子が、ジェネレーター端子焼損時によく使うXT-150型の
コネクター。 電流容量デカい。
で、茶色の方が電圧制御配線用の250型単極コネクター。
こちらは電流が流れないので、今までと同じサイズで良し。
XT-150型はハンダ付けなんで、少々取り付けが面倒です。
2つを接続したら、
純正の防塵カバーを元通り被せて、接続は終了。
また、苦労をしてタンクを乗せ、バッテリーを接続し、エンジン始動。
アクセルをあおるとバッテリー電圧は14V以上に上がるので、
この修理の結果は良好。
なんですが、エンジンが冷えた状態の始動性が悪い。
原因は充電電圧低下ではない様です。
始動時にちょいと気になることが!
フューエルポンプの動作音が聞こえません。
他車種のフューエルポンプの配線関係ですが、ざっと説明すると
・BK/BL(黒/青)はポンプ動作電源
・BR(茶)は+12V電源
・BK(黒)はイグナイター信号(点火信号)
・BK/R(黒/赤)はスターターボタンからの+
・BK/Y(黒/黄)はアース
です。
他車種の配線図なので、今回のZZRとはちょっと色が異なり、
BR → R(赤)、BK/R → Y/R(黄/赤)で、少し回路が異なります。
ざっと他車種の配線色で説明すると、
BK/BLに12V電圧が乗ると、ポンプが動作しますが、
そのためにはスターターボタンからBK/R経由で12Vが来ると、
ダイオードを通してポンプが回ります。
また、メインスイッチがONになると、BRには12Vが来ているんですが、まだポンプは回りません。
リレー内部のサイリスタがまだOFFです。
スターターを回して点火信号が出て、BKに電圧が乗ると、
サイリスタがONになって、BK/BLが12Vになるので、
ポンプが動作します。
サイリスタは一旦ONになると、BKの電圧が無くなっても、
ずっとONのままなので、以降はポンプ電源のBK/BLは12Vの
ままになります。
つまり、スターターボタンを操作するか、1度でもイグナイター信号が
でると、ポンプが回る回路です。
自己保持機能としてサイリスタを用いた回路ですね。
手に持っている黒のケースに赤のコネクターが付いている物が、
フューエルポンプリレーです。
GPZ900Rなどで、ヘッドライトリレーとしても使われています。
リレーを調べたら、ダイオードもサイリスタもダメになっていました。
絶対フューエルポンプが回らない状態。
以前お預かりした別のZZRも、同じ症状でした。
対処の方法は、パーツを発注するのではなく、
渡り線が1本入ったコネクターを作る方法。
渡り線がR(他車種のBR)とBK/BLに繋がる回路ができます。
フューエルポンプリレーの代わりに取り付けました。
今回のZZRのR(赤)回路は、メインスイッチとキルスイッチがONに
なると、12Vが来る回路になります。
エンジン始動が可能な状態を作ると、フューエルポンプが回る
回路ができます。
イグナイターからの信号じゃなくても、ポンプの機能は確保できるし、それほど異ならない回路構成で、リレー不具合なんて関係なく
なります。
エンジン始動機能を確認します。 → 問題無し。
スターター操作が、ごく短時間でも始動しました。
ZZRは、フューエルポンプがダメでも、キャブはタンク下に有るので、
エンジン始動が不可能ではないのですが、
キャブフロート内のガスが少なかったり、チョークを引いた時や
高回転時などでガスが必要な時には、エンジンが回りづらいかも
しれません。
ジャンプスタートとフューエルポンプには関係がありませんが、
フューエルポンプが停止していて、エンジンが掛かりづらく、
セルを長く回す状態では、バッテリーが持たないので、
ジャンプスタートが必要になったのでは? と考えられます。
各保安装置も動作に問題が無いので、外装をすべて戻し、
もう1度機能確認したら、お引き渡しです。
お客様ご来店時に、作業内容を一通り説明した後、バイクを店外に出す時に、
たまたま道路の路面標識塗装をしていたオッチャンが、
「オッ! ZZRだ。 こいつ世界最速だったんだよね」
「オレ、前乗ってたんだよ」 って喜んでた。 (笑)
お客様はセル1発、無事お帰りになりました。
良かった良かった。
おしまい








