お仕事でドゥカSS900ieのお相手 | 退職してバイク電装屋

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仕事でドゥカティ SS900ie のお相手をしました。

 

SS900ie

こちらのバイクです。

 

カウルは外されているんですが、私のドゥカ君(同じSS900ie)とは

大分感じが違う。

 

タンクやカウルがメッキされているからですね。

 

天気の良い日はギラギラで、サングラス無しでは目視できない。(笑)

 

サイレンサーはヨシムラで、結構似合っています。

 

ご依頼の内容は、「ウィンカーが点灯しないので見て欲しい」と

言うものです。

 

ウィンカーが不点

ウィンカーはクリアレンズなので目立ちませんが、NSRなどホンダ系のウィンカーみたいです。

 

が、中身は最近のLED球に換える手法ではなく、LEDを植えた基板を内蔵する、ほぼハンドメイドと言えるウィンカー。

 

以前、この手のメンテナンスをお願いしていたショップさんは、

廃業してしまって、見てくれるショップが無くなってしまったのだとか。

 

まずは、ウィンカーリレーを見つけましょう。

 

純正のウィンカーリレー、単体では見た事はあるし、持っているんですけど、

 

自分と同じバイクなのに、どこに付いているのかの知識が無い。

 

壊れた事無いんだもん。

 

配線図からすると、ヒューズボックスに近い位置にありそうなんだけど

なぁ・・・

 

メンテナンスマニュアルにも、所在の記載は無し。 (ノД`)

 

タンクを上げて、ヒューズボックスから紫の線を追ってみたりしたけど、このお客様、車載無線をやるらしく、何だか分からない配線が

ゴチャゴチャ。

 

シートカウル内なんかも調べましたが発見できず!

 

ウ~ム どこだ~?!

 

探す事、半日(笑)

タンク下のリレー

40Aのメインヒューズケースを外し、ECUのケーブルを外すと、

ありました~ !(^^)!

 

ウィンカーリレー用のコネクターが!!

リレーが付いていない!!!

 

そらぁ ウィンカーつかんわな。

 

で、

色々改造されているので、リヤウィンカー配線に戻って、

配線の状態を確認すると、

 

純正ウィンカーに何か別の配線が割り込んでいますが、

一応純正配線を使用している様です。

 

先ほど見つけたウィンカーリレーのコネクターに+12Vを印加し、

ウィンカースイッチを操作して、ウィンカーが点灯するかを確認。

 

点灯しました。

 

純正ハーネスを使ってウィンカーを点灯させています。

 

純正ウィンカーリレー

次に、ドゥカ純正のウィンカリレーを取り付けて、ちゃんと点滅機能

するか確認。

 

ダメです。

 

点滅せずに、点きっぱなしになります。

 

当方で所有の他メーカーリレーや、汎用市販リレーを付けてみて、

汎用ウィンカーリレー

汎用お高目リレーが機能しました。 

接続配線を作って、純正メインハーネスと接続。

 

今度はウィンカーインジケーター。

 

今までの物は、左右からウィンカーの(+)を持って来て、

LED 左右2個を接着し、あたかも1個のLED球の様に

メーターインジケーターに差し込んでいた物ですが、

 

凝った作りなんですが、ゴムソケットでは無いので、

抜け出てきて脱落してしまう。

 

で、純正インジケーターソケット(ゴム製)の回路は残っているので、

これを使えるようにします。

 

今までのバイクだと、左右ウィンカー2組に対し、インジケーター1個の

場合、ダイオードを追加してインジケーター回路を構成していましたが、

 

結構面倒なのと、耐久性が不安なので、

 

今回はある事を試す事にしました。

 

インジケーターに無極性

指に挟まれているのは、インジケーターのソケットに取り付けられた、

T5のLED球。

 

え? それじゃあ機能しないんじゃ? って思うでしょ。

このLED球、無極性のLED球。 どの方向に付けても点灯する。

 

点灯機能を試してみます。

 

ウィンカスイッチを右に倒すと、右が点滅して、インジケーターも

同時に点滅します。

 

問題は反対側。

右の正常点灯と同時に、左は薄っすらと点滅します。

 

明るい太陽光線下なら分からないし、夜間暗くても、反対側の

点灯している光が漏れている様にも見える。

 

お客様に話をしたところ、「半点灯はダメ」って事で、いつもの

ダイオード組込みをします。

 

インジ配線 加工前

インジケーターのサブハーネスを外して(と言っても簡単ではない)、インジ配線 加工後

インジケーターソケットの根元に、ダイオードを仕込みます。

 

これで無事ウィンカーの機能は修理完了。

 

回路が最終形態になり、リレーも変わったので、リヤウィンカーに

付いていたハイフラ防止用のダミー抵抗も取り外して、

ダミー抵抗取り外し

リヤの配線もスッキリしました。

 

ウィンカーを直すだけなのに、結構大変だったよ。(;^_^A

 

「ウィンカーリレーが付いていませんでした」と説明すると、

お客様は、どの時点から点滅しなくなったのか分からないと、

お話をしていました。

 

内容説明報告書を渡して、お引渡しです。

 

トランポのワンボックスに積載して、ご帰宅されました。

 

この後、カウル付けて配線類を整理するの、大変だろうな。

 

 

 

 

 

 

おしまい