お仕事でラビットS301のお相手 | 退職してバイク電装屋

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仕事で富士重工のラビットS301のお相手をしました。

 

ラビットS301

今までレギュやホーンはお預かりした事がありますが、車体を

お預かりしたのは初めてです。

 

65歳の私ですが、確か幼稚園時代に家の電気屋に来ていた

業者さんが、ラビットに乗って来て、

 

私をステップ部分に載せて、近所を走ってくれていた記憶があります。

 

つまりコイツは、私と同年代と言う事ですね。 なつかしい。

 

車体外装の塗装面に、点錆が広範囲に出ていますが、

シートやウィンカーなどは復刻版に変えられていて、状態は悪くない

様です。

 

フロントウィンカー

さて、ご依頼の内容はと言うと、「フロント右ウィンカーがハンドルを

切ると点灯しなくなるのを直して欲しい」と言うものです。

 

前回ブログのZRXと同じ症状が、短期間でまた来た。(笑)

 

お預かりするに当たり、「その他にお困りな事は無いですか?」の

問いに対し、

 

「困ってはいないけど走行時にチャージランプがチラチラする」との

事で、レギュレーターを合わせてメンテする事になりました。

 

では見て行きましょう。

 

カウル内部

フロントカウル(?)のカバーを開けると、バッテリーとウィンカーリレー、

レギュレーターリレーが姿を現します。

 

危険防止でバッテリーの(-)端子を外し、フロント右ウィンカーの

配線を見つけます。

 

ウィンカー配線

ギボシ部分の配線は、被覆が剥けて(収縮後退)芯線が出ています。

 

が、回路はシッカリ繋がっているみたい。

 

直流発生装置で12Vを印加し、ウィンカーを動作させ、配線に力を

加えて症状を見ます。

 

メーターワイヤーやチョークワイヤーが配線を押すと、ウィンカーが

不点になる様ですが、

 

ワイヤーが押している部分ではなく、ウィンカーケース直近の配線に

力を加えると、症状が必ず出ます。

 

ウィンカーランプユニット内に原因があるみたい。

 

ソケットリベット

ランプユニットを外してみました。

 

配線を留めているマクラ球のソケット部分のリベットが緩く、配線端子にガタが有ります。

 

リベットを叩いてガタを無くそうと試しましたが、この方法は功を奏す

事無く。

 

リベットハンダ付け

で、ソケット真鍮板にハンダをもって、接触不良を解消。

 

芯線がむき出しの配線部分は、切り飛ばしてギボシ端子上げ

しました。

 

古いハンダ付けギボシ端子は、通常のギボシ(3.9mm)よりも細いので

ホンダ系でよく使われている3.5mmのタイプを使います。

 

また、被覆剥けの原因となっているワイヤー類との接触は、

純正ハーネスのままでは解消できなかったので、

 

延長配線

配線を延長して、ワイヤー類を回避しました。

 

続いて今度はレギュレーター。

 

走行中にチャージランプが点灯するって事は、カットアウトの接点が

接触不良を起こしているのかもしれません。

 

レギュレーター

リレーの配線状態を記録して、

取り外したレギュ

泥汚れ

リレー裏面

取り外しました。

 

カバーを開ける前に泥汚れを掃除。

 

内部1

内部2

カバーを開けてみると、カバーの外見に反して内部は綺麗。

 

見た事ない緑の塗料で、調整ネジのロックが掛かっています。

 

端子番号の刻印が、錆で見えなくなっているので、まず配線接続から端子の番号を確定。

 

動作値を測定すると、カットアウトとレギュレーター共にやや高めです。

 

充電開始が遅めになるのと、充電が開始されると過充電傾向に

なっていたと思われます。

 

調整前の動作値、この値は昔の整備書に書かれていた値付近ですが、

 

多分ですけど、昔の低性能バッテリーに合わせた値だと思います。

 

今回のラビットにはMFバッテリーが載せてあり、バッテリー性能も

上がっている事から、カットアウト,レギュレーターとも動作値を

下げました。

 

動作値は調整しましたが、チャージランプが点灯する原因は内在していない様です。

 

このリレーユニットは、内部にある3個のリレーとも、端子の電圧と

ケースアース間の電圧で動作しています。

 

バイクへの装着ではアース線の接続は無く、車体フレームへの

ネジ留めだけで、アースはフレームへの接触に頼っています。

 

フレーム取り付け部分は錆と塗料があり、取り付けネジ穴にも塗料が

塗ってあります。

 

ネジ穴はタップでさらい、接触不良の原因を減らしましたが、

まだ不安。

 

リレー取付

リレーをフレームに取り付けて、ついでに

アース配線追加

リレー取付ネジ1本からバッテリーの(-)端子まで、配線を接続

しました。

 

これでチャージランプ点灯が解消されると良いのですが。

 

外装をすべて元に戻し、機能チェックをしてウィンカーほかの

保安部品はOK。

 

チャージランプはエンジン始動でアイドリング時は点灯。

エンジン回転を上げて走行状態になると消灯します。

 

旧車でもエンジン始動と同時にチャージランプが消灯するバイクも

あり、もしかするとダイナモが弱っているのかもしれません。

 

残念ながらダイナモに関しては当方はメンテをしていないので、

リレーに異常はなく、必要だったらダイナモのメンテを実施してと

推奨し、お引渡しです。

 

昨年、中古で購入されたらしいのですが、徳島のショップ(驚)で

購入されたらしく、購入時点では良好状態までメンテしたうえで

入手したそうです。

 

徳島ショップは、ラビットを多く手掛けているショップらしく、

頼りになるのですが、さすがに遠く、気軽に行く訳にも行かず・・・

 

だそうで、しばし様子見でしょうね。

 

問題無く乗れる事を祈って。

 

 

 

 

 

 

おしまい