お仕事でハーレー レギュレーターのお相手 | 退職してバイク電装屋

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仕事でハーレーのレギュレーターのお相手をしました。

ハーレー 何用(車種)なのかは不明です。

 

当然、最近の物ではありません。

 

ボッシュ製レギュ

ボッシュ製のキラキラ品。

 

なんでも、充電をしなくなったので、ほかのレギュと交換したけど、

スペアとして完調品が欲しいので、見てほしいと言う物です。

 

ハーレー用は対応したことが無いので、出来るかどうか分からないと

お返事したのですが、とりあえず見る事になり、送ってもらいました。

 

ボッシュ製ならば経験があるので、まずは開けてみましょう。

 

リレーケース内部

内部の見た目はきれいです。

 

充電しないとすると、臭いのはカットアウトリレーですが、

カットアウト接点

接点に多少のアーク痕はありますが、問題なさそう。

 

接点の接触抵抗を測定しても、問題なし。

 

動作値を測定すると、動作値はほぼ12Vで、調整の必要もありません。

 

充電しない原因は、カットアウトでは無い様です。

 

続いてレギュレーターリレー。

レギュリレー接点

こちらも接点はきれいで、接触には問題がないのかと思いきや、

常時接点しているはずのb接点に導通がありません。

 

珍しい。

 

接触抵抗が大きめのリレーは、たまに見かけますが、まるきり導通の

無いリレーは初めてです。

 

このb接点が接触していないと、ジェネレーターのフィールドコイルの

片端が浮いた状態になるので、若干の誘起電圧は出るけど、

充電するような電圧には上昇しないと思います。

 

原因はこれですね。

 

b接点面を研磨し、導通を回復。

 

フィールド端子~アース間にテスターの抵抗レンジを入れて、

動作値を測定します。

 

動作値は13.7Vで、リレーの動作値自体は問題なし。

ですが・・・

 

本来は、動作するまで(b接点が離れるまで)は0Ωで、

動作すると外部抵抗の値になるはずですが、このリレーでは

抵抗値が現れず∞Ωになります。

 

外部抵抗が切れている様です。

 

外部抵抗断線箇所

陶器のボビンにまかれている抵抗線の、途中と末端の2か所。

 

途中はテスターで当たっていると、ここから先の導通が無いけど、

切れている場所はボビンの陰で、良く分かりません。

 

抵抗線は銅線ではないので、テスターに現れずらいのですが、

ここは一応接続したいと思います。

 

1ターン(1巻)短絡したところで、抵抗値の変化は小さいですから。

 

2か所目の末端は、リベットのカシメ部分で切れている様です。

 

通常の銅線に付けるハンダだと、鉄リベットにハンダを乗せるのが

難しいので、今回はステンレスワイヤーにハンダ付けする

ハンダを使用しました。

 

断線ハンダ付け

修理完了。

 

動作値を再度測り直し、第1段は13.7V、第2段は14.8Vほどだったので

こちらも調整の必要はありませんでした。

 

経年で動作値がくるっているリレーが多いのですが、動作値は

両リレーとも大丈夫だったので、ボッシュ製の出来が良いのかな?

 

接点をもう1度クリーニングして、カバーを戻したら、報告書と一緒に

梱包して出荷です。

 

上手く動いてくれれば良いのですが、スペアだと使わないのかな?

 

 

 

 

 

 

おしまい