今回お相手するのはレーサーです。
持ち込まれた車両がこちら。
ヤマハTZR(だったと思う)のフレームに、
ハスクバーナの単気筒エンジンを搭載したレーサー。
お困りの症状は、筑波で走っていたら、エンジンが停止し
以降エンジンが掛からないと言うもの。
エンジンの始動不能原因を突き止め、エンジンが掛かるようにして
欲しいと言うご要望でした。
持ち込み前のご依頼は昨年末で、他のバイク修理との調整で
年明けまでお待ちいただきました。
持ち込みまでの間、調査のための資料をお願いしたところ
マニュアルの電子データを頂きましたが、総ページ数はなんと
700ページ以上!
私が必要といている電装関係は510ページ以降で、書かれている
言語は4カ国語以上?
もちろん日本語はありません。( ノД`)
ハスクバーナはスウェーデンのメーカーなので、スウェーデン語は
もちろん入っていると思うのですが、英語以外は判別不能。
加えて私は中学で英語の成績は「1」だったので、もちろん
読めません!!(自慢)
でも、電気の本もそうですが、バイク関係の機械物などの書籍では
語学と言うよりも固有名詞とデータの集まりなので、なんとか・・・ネッ!
事前学習の結果をもとに調査を始めます。
ざっと車体を眺め、点火系に関するパーツを調べます。
電装の点火系パーツはハスクバーナのパーツです。
その他のパーツは、当方には分かりませんが、各パーツを接続する
ハーネス類はオーナーさんの自作だそうで、綺麗に良く作り込まれて
います。
イグナイタ(CDI)までの配線で、イグナイタから見て外部方向の
各配線をチェックしましたが、特に問題は無さそうなんだけど、
抵抗値などはマニュアルに記載されているものの、セルクランキング
時の発生電圧などは記載が無いので、良否の判定ができません。
続いてIGコイル。
ハスクの純正コイルにNGKハイテンションケーブルを接続して
いましたが、途中ジョイントがあったので、不安要因は排除する
観点から、切り離しました。
各コイルの抵抗値はマニュアルの範囲内。
もう1つの予備のコイルは、ハイテンションケーブルが断線していて、
使えませんでしたが、コイルの方は抵抗値が判定値以内です。
IGコイルに接続される端子は、綺麗ではありましたが少々変形して
いて、接触不良の要因だったので、形状を手直しして接続。
ここまで来て組み合わせてみたら、エンジン外部で点火プラグを
取り付けてクランキングしてみると、若干火が飛びます。
おっ! 行けるか?
ガスを点滴し、プラグを装着してエンジン始動!
→掛かりません。 まあそうだよな。
これで掛かるぐらいだったら、金出して修理に持ち込まないよね。
ここから苦闘が始まります。
つづく