今回はお仕事ネタです。
お客様からメグロのレギュレーター修理をして欲しいとのご依頼でした。
走行でバッテリーが過充電になるとの事。
持ち込まれたレギュレーターがこちら。
2個です。
無塗装品が今まで付いていたもので、黒塗装カバーが最近入手したものだそうです。
共に過充電になるそうで、黒塗装品は過充電対策で入手したものの、結局同じ現象になったらしい。σ(^_^;)
以前にもメグロ製のレギュレーターはお相手したことがありますが、ケースの大きいこのタイプは初めて。
開けてみると、
リレーが3つ入っています。
配線を調査すると、右側は見るからにスターターリレー、中央と左側は以前お相手したメグロレギュレーターに入っているリレーで、中央がカットアウトリレーと呼ばれ発電電圧が規定値まで上昇した後、バッテリーを充電系に接続するリレーで、左側がレギュレーターリレー、つまり電圧調整リレーです。
配線をテスターなどで確認すると、断線などの異常は無いようですが、カットアウトリレーは不使用になっていました。
画像の後付けされた銅バーが見えるので、オーナーさんで改造されたのかと思いましたが、オーナーさんに聞くとオーナー側で改造は無いとの事。
2個とも同じ変更が加えられていたので、メーカーで不要になったので出荷前に配線を変更されたのかもしれません。
2個のうち最初に付けていた無塗装品は、
内部のリレーが焼損した跡があります。
ちょっと変わったリレーで、電流コイルと電圧コイルが同一鉄心に巻かれているタイプで、外部誤接続をしたのか電流コイルが過熱し皮膜が黒化してますが、溶断はしていません。
レギュレーターリレーの回路構成は、ヤマハなどの機械式と動作原理は同じです。
13V強でb接点が離れ界磁回路に抵抗が入り、15V弱でa接点が付いて界磁電圧供給が断たれます。
メグロとヤマハは逆の設計で、メグロは15V弱でプラス電位になりますが、ヤマハはマイナス電位になります。
ジェネレーターの作りの違いによるものです。
動作(機能)は正常ですが、電圧値がずれているようなので、動作電圧を測定すると、
無塗装品
1段動作:15V 2段動作:20V以上
黒塗装品
1段動作:17V 2段動作:20V以上
でした。
この電圧では過充電になりますね~。(;^_^A
お客様と相談し、1個を修理する事になりましたので、内部焼損の無い黒塗装側を修理することにしました。
リレーの調整は、前の会社で今から40年近く前、電磁式のリレーを相手にしていた(と言っても、その頃は私ではなく大先輩が主に調整をしていた)誘導円盤型とは違い、今回はヒンジ型で、本来調整機能は付いていませんから、動作原理を考えて各部に力を加え、動作値を調整します。
前会社でも最近は機械式のリレーが無くなり、ディジタル型になっている事から、機械式リレーを調整できる人はいなくなってるでしょうね。
接点の動きや接点間隔を調整して、
黒塗装品
1段動作:13.4V 2段動作:14.7V
にしました。
修理は1個の約束でしたが、残りの無塗装品も微調整はしませんでしたが調整修理し、過充電にはならない値に。
接点も清掃して終了です。
あと何年使えるんでしょうか? (´∀`)
おしまい