地震対策 | 退職してバイク電装屋

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テーマは「お仕事」にしてありますが、仕事関係だけど自宅の地震対策です。

熊本群発地震が大きく取り上げられていますが、発生の少し前から地震対策のための感震リレー選定を始めていて、自所に付けられるリレーを選定するのにちょっと時間を要して、熊本地震発生の後になってしまいました。

取り付けの目的は、地震が発生した時や、こちらのほうが発生頻度の高い半壊を含む家屋倒壊と、停電後復電時の電気火災を防止するため、分電盤の漏電ブレーカーを自動で遮断する事です。

よく避難時には自宅のブレーカーを開き、避難から帰宅したら電気回路を確認し、ブレーカーを戻してくださいと言われますが、そんな事忘れますよね。

また、家具等に挟まれて動けないときも、無理ですよね。

そんな時のために、機械式のお手軽な(低価格の)主ブレーカー遮断装置もありますが、家の分電盤は前面に扉がついているため、安価なものが取り付けできません。

分電盤外観
外観はこんな感じです。

扉内

東芝製の分電盤で、扉を開けるとこんな感じです。

もう少し詳しく説明すると、東芝の住宅用分電盤 プチパネリアと呼ばれ、バス金属バーから分岐用のMCCBで各配線に分かれるのですが、MCCBの取り付けは金属バーに差し込み、ロックレバーを掛ければ取付が完了する、簡単に回路が増設できる分電盤です。
(バス=母線 コンピューターのデーターバスのバスと同じ 某社ではブスと呼んでる)

パナソニックでも同等品が売っていて、コンパクト21なる商品名で売られています。

(今までにも地震対策として異なるタイプの感震リレーを取り付けました。 ホームページ掲載の感震リレー取り付け事例は、こちら

今回取り付ける感震リレーは、

感震リレー
東芝製分電盤用で、デプコン社(HPはこちら製です。
(通常は分電盤に組み込んだ形でしか販売しないので、一般には販売してくれません。)

取り付ける場所は、
取り付け場所
本製品はバス下側取付で、MCCB2個分必要なので、下の段右側で開放中のMCCBを移設し、スペースを確保して取り付けます。

取り付け前

内カバーを開けると、各回路のMCCBと中央黒い部分にプラスティックカバーで覆われたバスが姿を現します。

感震リレーの動作原理は、震度や傾斜を感知すると、漏電ブレーカー(左から2つ目 以下ELB)を動作させます。

盤は単相3線式で、N:中性相,L1:第1相,L2:第2相で、L1~NとL2~Nに接続すると100V、L1~L2に接続すると200Vが得られます。

リレーはバスに差し込むと、自動的にL1~Nに接続されます。

この状態でリレーの電源が供給され、リレーの画像にもあった黄色線をELBの電源側L2相に接続すると、遮断電流が流れてブレーカーが遮断します。

専門的な話をすると、ELB内部には零相CTが付いていて、常時は各相打ち消して零相CTには電流は発生していません。
地震時にリレーから流れる電流は黄色線を通ってELBの電源側に流れます。
リレーから流れる電流分だけELBを通過しないので、零相CTに不平衡分が発生するので、ELBから見ると漏電電流が流れているように見えて動作する訳です。

では、黄色線の接続箇所を確認します。

黒いカバーの中でバスの導体は順番が入れ替わっているため、テスターを使いL2相がどれか調べます。

接続箇所

赤線がL2相で間違えありません。
(会社時代に扱っていた電源関係と色使いが異なるので、確認しないとちょっと心配
(^_^;)


リレーの黄色線が短いので、本当はELB左側の主MCCBに接続したかったのですが、主MCCBは端子が裸線のネジ締め付けで、スリーブ接続しないと違法になるのであきらめ、メーカー指定どおりのELB電源側に接続します。

端子上げ
黄色線にアンプ端子を取り付け、ELB電源側L2相に接続。

自宅作業で殺して(電気を停止して)作業しても問題ないことが判っているので、当然主幹MCCBを開いて作業しました。

取り付け後
接続した姿がこれ。

下段右端にリレー、黄色線がリレーから延びてELBに接続されています。

電源をすべて活かし、この状態で動作試験をします。

テストボタンを「ポチッ」通すと、ブザー音とともにELBが遮断しました。
OK!! (o^-')b

これで地震の振動や建物の傾斜を検知すると動作してくれます。

カバーを戻します。
(少々汚れていたので、ふきふきしてから・・・)

完了姿
綺麗に収まりました。

1時間ほどで終わりましたが、空きスペースがないと配線変更や、別置にしなきゃいけないので、結構大変になりますね。

リレー単品は少々お高く、1.5諭吉さんでした。

あ、工事は有資格者が行わないと違法になりますので、資格のない方は電気工事店に依頼してくださいね。



おしまい