退職してバイク電装屋

退職してバイク電装屋

自分のDUCATI SS900ieやスズキRH250Cのメンテ,お仕事のバイク電装作業中心のブログ。
バイクのほか車,家族,趣味のネタを掲載してます。

仕事でホンダ アメリカンダックスのお相手をしました。

 

アメリカンダックス

こちらです。 アメリカン? ハンドルバーが高いのか?

良く分かりませんが、ダックスです。

 

「ノーマルに中華エンジンを載せたら、ヘッドライトなどの電球が

パンクするので見て欲しい」と言うものです。

 

中華エンジンは12V仕様で、電装系は12Vの物にすべて取り替えたけど、電圧が上がる様なんです。

 

配線図や、取り換えたレギュなどの取説は無しです。 (;^_^A

 

では見てみましょう。

 

シート下に付いていたレギュは、4極コネクターの純正同様レギュ

ですが、

 

外して回路を確認すると、電圧抑制素子と、ダイオードをテスターで当たると、順方向電圧は表示されますが、

 

本来導通の無い、電圧抑制素子回路と、整流のダイオード回路間に

導通があります。

 

このレギュはダメっぽいですね。

ただ、レギュによってはテスターでは正否が判断できないものや、

直流印加で確認できない物もあるので、なんとも言えませんが、

 

2つの回路間に導通があるのは、ダメでしょ。

 

お客様がもう1個、レギュを持ち込んでもらっています。

こちらは性能は評価できないものの、回路は大丈夫そう。

 

続いて、配線図なしの状態で、回路構成を確認します。

現状を観察し、メモを取って回路構成を書いていきます。

 

でも、シート下は非常に狭く、暗く、配線の色は判断しづらい。

バイクが古くて、電線も退色してるし。

 

しかも、レギュレーターコネクター周りは、その辺にある手近な

電線を使用していて、若葉/赤などニュートラル信号に使っている

電線を別用途に使っているから、どこが正しいのか全然わからん。

 

アース線は、ホンダは緑だけど、黒を使っているし。

ホンダで黒はDCの(+)です。

 

で、いろいろ調べながら、少しづつ配線を引き直します。

シート下アース配線

シート下の画像、左手の親指あたりに見えるのがガソリンタンク。

まず、アース配線を黒→緑に変えます。

 

お、人差し指付近にある配線、ギボシ端子から電線が抜けました。

何配線か追うと、緑/白はニュートラルランプのジョイント配線。

 

紛らわしいので、純正色の若葉/赤に直し、ジョイントはやめます。

 

ギボシ端子が電線から抜けたのは、狭いところで端子上げしている

ので、圧着が上手くできていない。

 

この後、私も端子圧着で何度も苦労します。

 

配線調査を進めると、レギュレーター自体もダメでしたが、

配線の構成は、ある部分を除けば合っていました。

 

レギュのコネクターに接続されている配線は、純正と同じ回路でした。

 

ではナゼ電圧制御ができていなかったのか?

 

簡略化のために、レギュの電圧制御素子をツェナーダイオードで

代替していますが、純正は概略こんな感じです。

 

ジェネコイルの1端はクランクケース部分でアースされています。

 

反対側は、コイルの中間部分が黄色線で引き出され、ヘッドライトなどにAC供給し、電圧をレギュで制御しています。

 

アースの1番遠い端は、白線で引き出され、ダイオードを通って

DC供給され、ウィンカーなどに使用します。

 

黄色を電圧制御すると、同じ鉄心上の白線も電圧が変わるので、

DC電圧も制御できます。

 

ここで注目してほしいのは、ジェネコイルの1端がアースされて

いる事。

 

そして、レギュの電圧制御素子の1端も、アースに接続されて

います。

 

これにより、ジェネコイルの中間とアース側端子に、電圧制御素子が

接続されるので、電圧を制御することができます。

 

今回のバイクはと言うと、中華製エンジンを使っているので、

ジェネコイルの回路が違います。

 

このエンジンのジェネコイルは非接地なので、片端アースしたレギュ

では、電圧を制御できません。

 

コイル両端に素子が接続されないから。

 

(図には右側に「DC」「AC」と書かれていますが、先に行って負荷に

接続され、アースしていたので、実際には中途半端なDCが供給

されていたと思います)

 

こんな理由で、エンジン回転数とともに電圧が上がったんだと

思います。

 

非接地が必ずしも悪い訳ではありません。

 

排気量が大きいバイクでは、非接地コイルに全波整流を組み合わせて、容量の大きなDC電源とすることができます。

 

一方、片端接地のコイルは、全波整流との組み合わせはできない

ので、半端整流の小容量DCしか確保できません。

 

小排気量から大容量DCを取り出そうとすると、パワーが食われる

ので、半端はやむを得ないとも言えます。

 

初日はここまで。

小さいけど手ごわい。

 

配線図無いと苦労する。

 

 

 

 

 

つづく