この時期になると、菜の花を部屋に飾りたくなる。
菜の花と義父の思い出が忘れられない。
おととし、出産予定日まであと1ヶ月というとき、義父は亡くなってしまった。
義母は毎日病院へ。夫も行ける限り病院へ。
私は臨月ということもあり、家で夕飯を作って、義母と食べるという生活をしていた。
近くにある菜の花畑で、菜の花祭りがあるというので、夫も休みだったので、朝から行ってみた。
菜の花が摘み放題だった。
私は、病室に持っていってもらおうと、菜の花を摘んだ。
花瓶と一緒に菜の花を義母に渡した。
義母が、「この菜の花、ちぇきままさんが摘んできてくれたのよ」と義父に言うと、義父はうっすらと目を開けて、菜の花のほうを見てくれたそうだ。
そして目をつぶって、それっきり意識は戻らなかった。
私は、お義父さんに春を感じて欲しかった。もうすぐ、孫が産まれる春が来るよって。
きっと伝わったと思っている。
毎年、菜の花を部屋に飾ると、義父を思う。
ちぇきは元気に成長してるよって、義父を思う。