温泉に私とちぇきと母と3人で入って、脱衣所でちぇきの体をふいていたとき、母が私にタオルをかけてくれた。私はちぇきが風邪ひかないよう、寒くないよう、早く服を着せてあげたくて、自分は濡れたままだった。母だってお風呂から出たばかりだったのに。

ちょっと照れくさくて、「いいよ、慣れてるから。お母ちゃんも寒いでしょう」と、タオルを返してしまった。

肩にかかったタオルはとても暖かかったのに。


母は、きっと小さい私をお風呂に入れたときは、やっぱり自分は濡れたままで私をふいて、服を着せてくれたんだろうなぁと。


私が母親になって、ちぇきにタオルをかける。私には母がタオルをかける。


みんな、誰かの宝物なんだなって思った。