こんにちは。いつもありがとうございます。
商業出版エージェントの、にのまえ遼です。
出版を希望する人にお会いした時、まず、お聞きしているのが、「出版の目的」です。
何故なら、出版は目的ではなく、目的を実現するための手段だからです。
弊社は、商業出版エージェント業なので、お話を聞いて、自費出版の方がその人の目的が叶えられる可能性が高い…と感じた時は、自費出版を行う他社を紹介するようにしています。
相談を受けた時に、私が、商業出版がいいのか、時に出版がいいのか、その判断基準にしているのが、「訴求力」「信用力」「内容」「費用」「必要部数」「印税」の6つなんですね。
●訴求力
自費出版:☆
商業出版:☆☆☆☆
自費出版と商業出版を比べると、訴求力があるのは、なんといっても商業出版。
自費出版は、基本的に、完成した書籍が納品されて終わりなので、その本を自分で販売したり、配ったりしないといけない。だから、訴求力はどうしても弱いんですね。
そのため、星は1です。
一方、商業出版は、基本的に全国の書店に本が並びますからね。
多くの人の手に取っていただく可能性が高くなるので、訴求力は☆4つ。
とはいえ、最近では、「共同出版」といった名称のサービスも出てきています。
これは、著者と出版社が、一緒に費用を出しあって出版するってサービスですね。(会社によっては名称が異なります)
共同出版の場合、審査がかけられますが、その結果、書店ルートで販売する出版物として採用された場合は、ISBNコードや書籍JANコードを取得して、取次をとおして書店や、アマゾンにも登録して購入できるようになりますので、訴求力は上がります。
ということで、共同出版の場合、訴求は☆3つくらいでしょうか。
もし、全国の書店に流通させようと思うなら、発行部数は7,000部ほどが必要になりますから、費用として1,000万円は超えてしまうところが多いですね。
とはいえ、例えば、地域密着ビジネスモデルで、目的が、地域住民への訴求(認知度アップ)なので、大阪の豊中市、吹田市、池田市の3つの市の書店だけに流通すればいい…というのであれば、おそらく1,000部もあれば十分ですよね。
出版社によって費用は異なりますが、一般のビジネス書(180~200P)くらいのボリュームなら、130~150万円くらいの費用でできるとことが多いようですので、例えば、新築の注文住宅やデザイナー住宅を建てている工務店のような、地域密着で、利益が大きな商品を取り扱っているところであれば、共同出版を検討してもいいかもしれません。
ただ、この共同出版、名称が「共同出版」なので、著者と出版社で、出版にかかる費用を折半する…というイメージを持つ人が多いのですが、私の知る限り、商業出版を行っている出版社が、出版する際に負担している費用と、共同出版が著者に負担してもらっている金額は、ほとんど変わらないんですよね(;’∀’)
商業出版で新人著者の場合、初版印刷数は3,000~5,000部が一般的で、その出版にかかる費用は出版社が負担をしてくれるので、「エリアを限定して訴求したい」「利益が大きい」という2つの条件をクリアした商品を取り扱っていないのであれば、商業出版の方が、コストを安く抑えることができるので、それを踏まえて判断されるといいと思います。はい。
【追記】
共同出版のもう一つのメリットを記載し忘れていました。
自費出版の場合は印税が有りませんが、共同出版の場合は印税がある場合が多いです。
あと、共同出版を選ぶ場合、ちゃんと、エリアを選択して書籍を流通してもらえるのかも、きちんと確認をしておきましょう。
>>次回 出版で失敗しないために⑥ 自費出版と商業出版の信用力
>>前回 出版で失敗しないために④ 出版の目的を叶える判断基準
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出版をして「しまった!」と後悔しないために、
まず、「自費出版」と「商業出版」の違いを知っておこう!
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