夜の世界の話 | tyboxblog

夜の世界の話

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自分より美しい女性は沢山いる、スタイルがいい女性も、話が上手い女性も沢山いる
そういったことを踏まえた上で、胡桃は頭で勝負した。



現実はドラマのようにいかないものだ



胡桃はキャバ嬢、犯罪者でもみな同じお客さん、その人の良い一面も知っている。
あぶく銭と分かっているから飲みにくる。いつ捕まるかもわからない。
拭いきれない不安を、酒や薬や女の力でごまかしている。
きっと毎日負い目を感じて生きている。キャバクラで働き続けてわかったこと。

本当に悪い奴らは捕まらない。



「お母さん、あのね、私・・・今でもお婆ちゃんに悪かったなって思い返すことがあるの」
胡桃は静かに多栄子の傍に正座した。線香の香りが体に纏わりついた。
「何?」
「小学校二年生の運動会の時、お婆ちゃんがわざわざ羽生から見に来てくれたでしょ?
お父さんが出張で見に来れないからって。周りは若いお母さんとかお父さんばっかりで、
私、小豆色のチョッキ着た田舎臭いお婆ちゃんが、何だか貧乏臭くて恥ずかしくなっちゃてね
『お婆ちゃんがいるとみっともないよ、恥ずかしいからあっち行って!』って言っちゃったの。
そしたらお婆ちゃん『そうかい?そりゃ絵里香に悪いことしたね・・・ごめんごめん』って
笑いながら、運動会が終わるまで、校庭の隅の方にこっそり隠れて見学していたの。
私、ずっと謝りたかったんだ......』


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上記は立花胡桃(著)
『ユダ』からの引用記録文章・アフォリズムです。
アフォリズムとは、物事の真実を簡潔に鋭く表現した語句。
自身で解釈・理解する為の記録・引用です。
上記文章には前後の文脈があり初めて本来の意味をなしえます。
ぜひ、実際に書籍を手に取り文脈を辿られ理解されることを推薦いたします。










上巻下巻の二冊からなる著者自伝的小説ですが
活字の読みやすさ=引き込まれる臨場感
エンターテイメントとして昇華されているバランスも
小説を読む読者としては重要で
あっという間に、上巻下巻の二冊を読んでしまった。




下記は巻末、解説部分 新藤冬樹さんの言葉です。

彼女の書く夜の世界は、やはり体験してきたからこその迫力がある。
どんなに想像力を働かせても、体験してきていない人が書いたものは、
どこか嘘っぽくなるものだ。



ちなみに、こちらが著者のブログhttp://ameblo.jp/club-kurumi/






映画も書籍も、目標は去年を超える
12/03 現在223本【09年265本観了】【08年273本観了】
12/03 現在415冊【09年402冊読了】【08年238冊読了】【07年143冊読了】



ユダ〈上〉―伝説のキャバ嬢「胡桃」、掟破りの8年間 (幻冬舎文庫)/立花 胡桃

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