こんにちは、わいさんです。
毎月、FXや株式市場が急に動くあの瞬間——
そう、それは「米国雇用統計」の発表タイミングです。
同時に、「ADP雇用統計」というよく似た名前の指標もありますよね。
でも、実際はこう感じていませんか?
✔ 雇用統計って何がそんなに重要なの?
✔ ADPと何が違うの?どっちを見ればいい?
✔ 為替や株にどう影響してくるの?
この記事では、米国雇用統計とADP雇用
統計の違い・構成・読み方・活用方法までを徹底的にわかりやすく解説します。
✅ そもそも米国雇用統計とは?
米国雇用統計(U.S. Employment Situation Report)は、アメリカの労働市場の現状を表す最重要経済指標の一つで、
毎月第1金曜日(米国時間)に、米労働省 労働統計局(BLS)が発表します。
🔍 主な3つの項目:
主要経済指標とその内容
| 指標名 | 内容 |
|---|---|
| 非農業部門雇用者数(NFP) | 農業以外の産業で働く就業者数の増減を示します。 (特に注目度が高い最重要指標の一つです) |
| 失業率 | 労働力人口(働く意欲のある人の集まり)のうち、失業している人の割合を示します。 |
| 平均時給(前年比・前月比) | 労働者の平均的な時給の伸び率を示します。 (賃金上昇の勢いから、給与インフレの動向を測る上で重要です) |
なぜ「非農業部門」なのか?
農業は季節要因による変動が大きいため、安定的な労働市場のトレンドを測るには不向き。
そのため、非農業部門に限定することで、より正確な景気・雇用の把握ができるのです。
📘 ADP雇用統計とは?民間による先行指標
ADP雇用統計(ADP National Employment Report)は、米国の給与計算会社「ADP社」が毎月第1水曜日に発表する、民間の雇用レポートです。
元々は企業向けの参考資料でしたが、現在では公式統計の“先行指標”として高い注目を集めるようになりました。
ADP雇用統計の特徴:
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対象は民間企業のみ(政府機関や農業部門は除外)
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非農業部門雇用者数に似た構成
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毎月発表(BLSより2日前)
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市場予想とのズレが大きいと、相場が動くことも
🆚 米国雇用統計とADP雇用統計の違い【比較表】
米国雇用統計(BLS)とADP雇用統計の比較
| 項目 | 米国雇用統計(BLS) | ADP雇用統計 |
|---|---|---|
| 発表主体 | 米労働省 労働統計局(政府) | ADP社(民間企業) |
| 発表タイミング | 毎月第1金曜(日本時間21:30) | 毎月第1水曜(日本時間21:15) |
| 対象 | 民間+公的部門(非農業部門全体) | 民間企業のみ |
| 信頼性 | 公式統計(FRBも政策判断に使用) | 補助的資料(トレンド把握に有用) |
| 市場への影響力 | 非常に大きい | 中程度(内容次第で影響大) |
| 為替・株式への反応 | 即時に強く反映される | 雇用統計の“予想材料”として使われる |
📈 雇用統計が相場に与える影響
💵 為替(ドル円)
雇用統計の数値次第でドル円は1円以上動くことも!
なぜかというと、アメリカの雇用が好調なら「FRBが利上げするかも」と思われるからです。
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NFPが予想より強い ⇒ ドル高・円安になりやすい
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NFPが弱い ⇒ ドル安・円高傾向
📊 株価(S&P500・ナスダックなど)
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雇用が強い = 景気が良い(株高材料)
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ただし「インフレ懸念 → 金利上昇 → 株価下落」となるケースも
つまり、数値の“良し悪し”だけではなく、“市場がどう受け取るか”が重要です。

💡 雇用統計の数字はどう見る?初心者のための読み方
非農業部門雇用者数(NFP)
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増加幅が20万人を超えると「好調」とされるケースが多い
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前月比の変動も見られる(季節調整済み)
失業率
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自然失業率と呼ばれる4〜5%程度が中立とされる
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失業率が低下しても、労働参加率が下がっている可能性もあるので注意
平均時給
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インフレの先行指標とされる
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FRBが金融引き締めを判断する重要材料
🔍 雇用統計・ADP活用のリアルな投資戦略
✅ 雇用統計前
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取引量が少なく、価格が動きにくい傾向(発表前の「様子見」ムード)
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ポジション調整が入るため、短期的に逆方向に動くことも
✅ 雇用統計発表直後
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ボラティリティ(値動き)が急増
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スプレッド(買値と売値の差)が一時的に広がるため注意
✅ 中長期投資家の活用法
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「トレンド転換のシグナル」として利用
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金融政策の方向性を読むための材料に
📅 2025年の主な雇用統計・ADP発表スケジュール(日本時間)
ADP雇用統計・米国雇用統計 発表スケジュール(2025年5月~7月)
| 月 | ADP発表 | 雇用統計発表 |
|---|---|---|
| 5月 | 5/7(水) 21:15 | 5/9(金) 21:30 |
| 6月 | 6/4(水) 21:15 | 6/6(金) 21:30 |
| 7月 | 7/2(水) 21:15 | 7/5(金) 21:30 |
※祝日や暦の関係で日程が変更されることもあるため、必ず経済カレンダーで確認しましょう。
✅ まとめ|雇用統計とADPの違いを知れば、相場が読める!
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雇用統計(NFP・失業率・平均時給)=最重要指標
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ADP雇用統計=本番(雇用統計)の予測材料
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どちらもマーケットのボラティリティを引き起こす要因!
経済ニュースでただ数字を聞き流すだけでなく、
「予想と実際の数字の差」「市場の反応」を読み取る力がつけば、
相場が“生きた情報”として見えるようになります。


