「国際税務の専門家」/山條隆史です。ふるさと納税も詳しいです。
「『外れ馬券代も経費』判決確定…国側の上告棄却」(YOMIURI ONLINE 2017年12月15日 15時37分)
****** ↓↓ 以下11/30ブログで記載のものです。↓↓ ******
自動購入ソフトを使ってネットで大量の馬券を購入していた大阪の男性の裁判で、馬券購入は「営利目的の継続的行為」で、払戻金は雑所得にあたると平成27年3月最高裁が認定し、外れ馬券分を経費と認める判断を示していた判決に続く、「外れ馬券は経費」という裁判の話です。
前回の最高裁平成27年3月判決文はこちら ↓
「平成26年(あ)第948号 所得税法違反被告事件 平成27年3月10日 第三小法廷判決」
今回は、札幌国税局vs北海道在住の男性の、外れ馬券の経費性を巡る問題ですが、2審(高裁の判決=原告納税者の勝ち)に対して、最高裁の裁判長が判決期日を12月15日に指定したにもかかわらず、「結論を変更するのに必要な弁論が開かれていないため」、約1億9千万円の追徴課税処分を取り消した2審東京高裁判決が確定する見通しとなったという報道です。
国税側は、平成27年3月の最高裁の判決を受け、所得税基本通達34-1(一時所得の例示)で「馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有することが客観的に明らかである場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。」という文言を追加し、一定条件に当てはまる場合には、「外れ馬券も経費」と解釈を変更していました。
今回のケースでは、「ソフトを使わずにレースごとに結果を予想して馬券を購入」しており、それが「経済的活動の実態があるか否か」というのが争点でした。1審(東京地裁)では納税者の負けでした。
しかしながら、2審(東京高裁)では、「男性は多額の利益を恒常的に上げていた」と判断し、最高裁のケースと「購入方法に本質的な違いはない」とし、外れ馬券分を経費と認めて課税処分を取り消し、納税者の勝ちとなっていました。
「外れ馬券が経費となるかどうか」は、「継続的・恒常的に利益を上げるために購入を行っていたかどうか=営利を目的として継続的に行われているかどうか」にあるようです。
この「営利を目的として継続的に行われているかどうか」という基準は、以前から有価証券の譲渡による所得区分の判断基準(所得税法基本通達23~35共-11(有価証券の譲渡による所得の所得区分)としてありました。
<あなたの外れ馬券は、原則、経費ではない!>
よって、たまに息抜きや射幸心のために競馬を楽しんでいるような人の場合は、外れ馬券は経費になりません。
万馬券を当てたようなとき(=年間を通して一時所得の特別控除である50万円を超える当たりだった場合)は、そのレースの外れ券だけが経費です。他のレースの外れ券を万馬券の当たりから差し引くことはできません。
確定申告して税金を納めなければなりませんので、十分注意してください。
※毎日ではないようですが、競馬場に税務署の職員が駐在していることもあるようです。よって、無申告だと罰金が科される恐れもありますから、くれぐれも申告を忘れないようにしてください。
