XJ550(逆車)中古車仕上げ:燃費にまつわる話(全3話) | M.B.A.E.S

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現在製作中の車両・現在販売中車両・過去の販売車両を「どのように何をしたか」といった作業内容・詳細を記した記録です。



 ~~ プロローグ ~~


これは私が“勤め人時代~現在に至るまで”に勉強になった『燃費にまつわる実体験』である。


【第1話】
Aさん:HONDA CB750(RC42)
私の勧めで大型免許を取得し、購入してくれたのがCB750(RC42)だった。
購入から約2年が経ち、車検として店に入庫した。
2年で約20000Km走行していたのを見て、「気に入ってくれているんだなぁ~ 楽しんでくれているんだなぁ・・・」と素直に感じた。「(車検整備時)特に何かやって欲しいことありますか?」と尋ねると、「ヨシムラの集合マフラーを付けてみたいとの要望があった。車検取得と『ヨシムラのチタンサイクロンマフラー』を取付けて納車した。
数か月後、オイル交換にAさんが訪れた。
私が「ヨシムラのマフラーどうですか?」と尋ねると、「イイよ~!!特に5・6000(回転)辺りからの音が最高なんだ!!コォーーーンてね!!」と喜んでいた。
「でも燃費が悪くなった!!ヨシムラのマフラーって燃費落ちるんだねぇ~!!
と、Aさんは付け加えた。
私は、「Aさん、ノーマルマフラーの時より飛ばすようになったでしょ!?そのせいですよ!」と説明した。「そう言えば5・6000のマフラー音が聞きたくてやたらと加速減速してるわ!!」
同じ人、同じオートバイでも高回転で走行すると燃費は落ちるのだ。




【第2話】
Bさん:KAWASAKI Z400FX フルレストア車
「20数年ぶりにオートバイに乗りたくなって、若い頃乗っていたFXにもう一度乗りたくて、その頃は金が無かったから先輩から譲ってもらったボロボロの車両に乗ってたけど、今は頑張って働いて一応経営者になった。だから高くても良いFXが欲しい!」
と、当店で製作したフルレストアのZ400FXを購入してくれた。
順調に慣らしを終わらせて、普通に乗れるようになってから半年後、店に電話が掛かってきた。
「エンジンが急に止まってしまって!!壊れたみたい!!何が原因!?
慌てているBさんを落ち着かせ、「ガソリンは入っていますか?」と尋ねた。
「入っているまだ大丈夫!!
その答え方に疑問を持ったので、「どのぐらい入っているか直接給油口から確認してください」とお願いした。Bさんの答えは「まだチョットある。1cmぐらい残ってる・・・」といったものだった。
「その量じゃ流れたり流れなかったり・・・ガス欠ですね」
原因はシンプルにガス欠だったのだが、Bさんが
「おかしいなぁ~満タンで300(Km)ぐらい走れたハズなのに・・・今、250キロだよ
と言うので、「Bさん、それは慣らしのときの感覚ですね!!」と私は答えた。
同じ人、同じオートバイでも高回転で走行すると燃費は落ちるのだ。




【第3話】
Cさん:KAWASAKI 750SS(H2)
相棒1がドレミコレクション時代に手がけたマッハを県内の方が乗っていた。
噂を聞きつけ、店に遊びに来た時の事。
「この前マッハのミーティングがあって、スゲェ台数のマッハで走ったんだけど、みんなちょっと走ったらガソリン入れやがるんだ俺のなんか全然減ってねぇのに・・・。あまりにもみんな何回も何回もガススタで停まるもんだから、「そんなに走って無ぇんだから、ガソリン減ってねぇだろ!?」とタンクを覗いてみるとマジで空っぽなんだ!!なんでアイツらのはそんなにガソリン喰うんだ??
と聞いてきた。
「エンジンのコンディションが良いと少量のガソリンで走れるんですけど、タレたエンジンだと同じスピードで走るのにアクセルをもう1捻りしなくちゃならないのでガソリン喰うんですよ!!」
同じ車種のオートバイでもエンジンコンディションで燃費は違う。




1つ目の話と2つ目の話は“勘違い”“ヒューマンエラー”だが、3つ目の話は違う
これから始めるXJ550は中古車仕上げなので、全てを新品にしたり、全てを綺麗にしたりはしないが、そうゆうところはキチンとした車両にしたいと思う。