「フルヨシムラでいく！」
そう決まった翌日、部品問屋に早速部品を注文した。
Φ６５ピストンＫＩＴ
削り出しカムシャフト『DAYTONA CAM2』
ヨシムラMIKUNI TMR-MJN32 キャブレター
OHLINS リアサスペンション レジェンドツイン（黒スプリング）
「いずれの部品も約１ヶ月程度の納期」だった。
※注文日は令和２年１０月中旬
２週間ほどして見てみると、納期が変更されていた。
・ピストン ３ヶ月（来年１月）
・カムシャフト ２ヶ月（年内）
・キャブレター２ヶ月（年内）
・リヤサスペンション ３ヶ月（来年１月）
まぁしょうがない。『部品は寝て待て』だ。
オーナー様に“納期がズレ込んだ”事を報告する。
しばらくして、問屋からメールが届く。
「御注文の商品入荷が遅延しております」
とのこと。
・ピストン（４月）
・カムシャフト（３月）
・キャブレター（２月）
・リヤサスペンション（４月）
何ということだ・・・。
御客様からは「ゴールデンウィークには乗りたい！」と頼まれたこの仕事。
すぐさま問屋に連絡し、その後オーナー様に報告。
「なるべく早く納車できるように他の作業を進めておきます」
とのことで納得していただいた。
３月に入り、キャブレターが入荷した。（予定は２月だった）
ほどなくしてカムシャフトが入荷。
しかし、ピストンが入って来ないことにはエンジン作業は進まない。
４月中旬、ゴールデンウィーク目前にも関わらずピストンは入って来ていなかった。
ピストンの納期を見てみると・・・
「納期未定」の文字が！！
おまけにオーリンズのリヤサシペンションまでもが「納期未定」となっていた。
どういう事なのか問屋に電話するも、「ヨシムラさんが・・・」と説明するだけ。
そりゃあそうだ。“問屋とは右から左の仕事”だもの。
ヨシムラに直接電話する。
電話口の担当者は『製造が・・・』『流通が・・・』『工場が・・・』の説明の後に、やたらと「コロナ」をくっつける。
私の「（注文して）半年ですよ！？本当にコロナのせいですか！？」問いに、
「ウチもワイセコのピストンが入って来ないんで、どうしょうもない・・・」
との事。
「ん？？？ワイセコ？？？ワイセコのピストンが何か関係あるんですか？」
と聞くと、
「ええ、ウチのCB750FourピストンはWISECOを使っています。購入ページにも記載していますけどねぇ～」
電話を繋いだまま見てみると・・・
ホントだー！！
「知らなかったなぁ。でもヨシムラさんで買うと、“ヨシムラの刻印”や“ヨシムラの文字”がピストンに入っているでしょ？」
と聞く私に、担当者は
「入りませんよ！単にウチの箱に詰め替えるだけですもん！！だからワイセコピストンが入手可能なのでしたらソッチを買った方がイイですよ！！」
天下のヨシムラが・・・知りたくなかったわぁ～・・・。
オーナーさんと話をして、“どちらか早い方のピストン”でいくことになった。
とはいえ、ワイセコピストンは大手ヨシムラ社でも入って来ない状況なので入手困難の可能性はかなり高い。
ＷＩＳＥＣＯ正規代理店を片っ端からあたるも、在庫を持っているところはなかった・・・。
以前からお世話になっているＷＩＳＥＣＯピストンを並行輸入しているところにテレフォン。
「６月下旬～７月頭には何セットかは入荷予定です！」
とのことだったので注文した。
７月に入ったが、ＷＩＳＥＣＯピストンは届かなかった・・・。
注文した問屋に連絡するも、
「遅れています・・・」
「７月中（ちゅう）には何とかなると思います・・・」
という返事だった。
『部品は寝て待てリターンズ』だ。
８月上旬、待ちに待ったＷＩＳＥＣＯピストンが入荷した。
注文から入荷まで、優に９ヶ月の時間を要した。
すぐさま内燃機屋にシリンダーと共に持ち込んだ。
オーナーさんに報告の電話を入れ、ほっと胸を撫で下ろす・・・。
なぜなら私は９ヶ月もの間、
「部品も入らない事だし、やっぱり９００（cc）でいこうゼ！！」と、言われるんじゃないか！？
という恐怖と、ひとり戦っていたのだった。
ちなみに令和４年１月２８日現在
『OHLINS リアサスペンション レジェンドツイン（黒スプリング）』今だ来ずです・・・。