～～ プロローグ ～～
平々凡々な日々を過ごしていたある日、店の電話が鳴った。Ｚ-１に乗る常連客だった。
「俺のＺみたいなヤツを今度はＣＢで作って欲しい」
製作の依頼だった。
（そのお客を『Ｗさん』とする）
ＷさんのＺ-１はスペシャルだ。
この辺りのテイストではなく、むかし九州地方に多く見られた“足周り改！！バリバリのカスタムＺ”だった。
会話の中で、“Ｗさんにある程度のイメージがある”と感じた私は、「全体像でもいいし、この車両のこの部分だけとかでも構わないので、Ｗさんのイメージに近い車両の画像を送ってください」と、お願いした。
自身の車両イメージがある客には“正解”がある。
その客に“私の自己中センスをふんだんに盛り込んだ車両”を提案＆提供しても『不正解』となる。
“広く”・“大きく”・“長く” 見て私の方が正解であっても、不正解となるのだ。
【送られてきた画像の一部】
【条件】
予算・・・・・・・・・・幾らでも・特に無し
期限・・・・・・・・・・なるべく早く！春頃には乗りたい
車両・・・・・・・・・・CB750Four Kシリーズであれば何でもＯＫ
カスタム内容・・・ホイールをとにかく太く！エンジンボアアップ！レーシングキャブ！
アルミタンク！前後オーリンズサス！４本出しマフラー！など
「全てのＣＢを超えてやる！！」
そう闘志を燃やした。
ちなみに企画・パーツチョイスは私。作業は相棒１が行う。