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内容(「BOOK」データベースより)
昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。
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2020年、東京オリンピック。
確かに嬉しいし楽しみなことだけど、
1964年のこの当時ほどの熱気はないだろうな、と思う。
もちろん当時を知っているわけではないし、
この本を読んで初めて知ったこともたくさんあった。
新幹線とかモノレールとか、オリンピックのためにぎりぎりで出来たとか知らなかった!
そんなこともあって、1964年と言う年は東京、いや日本にとって、
大きな変換点の年だったんだろうな、と...
この本の中でも、犯罪者ややくざさんまで、オリンピックを心待ちにし、
出来る限り協力しようとする姿勢が伝わってくる。
戦後の貧しい時代を乗り越えた人々にとって、
この年のオリンピックは未来への希望そのものだったんだろう。
そんな中、労働者ばかりが搾取され死んでいく現状を知ってしまった
東北出身の東大院生、島崎国男はオリンピックへの反逆を試みるのですよ。
オリンピックへ、国家への反逆、でも決して当時騒がれていたいわゆる「アカ」ではない。
彼に共感を覚え、息子のように思う村田が言う。
「親の脛をかじって革命だ反逆だなんてww」
東大もその後大きな抗争を経験したりするけれど、
確かにそんな一面もなきにしもあらず...なのかな?
とにかく島崎は持ち前の頭の良さと運の良さで、
武器を手に入れ少しずつ淡々と警察を追い詰めていきます。
それにしても、東京駅の一件は残念だった!
...って言うくらい、いつの間にか島崎に肩入れしてる自分(´・ω・`)
クールなのに熱い感じがいいですよねぇ...
ある面ではヒーローではないのかな。
それだけに、最後は釈然としないです...
ええ?それで!?みたいな感じに...
もう少し、島崎国男を見たかった。
にしても、吉永小百合さんが脅迫されたとか、
それに関連して爆弾魔がいたとか
(それは捕まってないそうですね)
千住のお化け煙突とか
当時の品川の状況とか
知らないことだらけでした。
作者も当時は5歳くらいだったそうですが
まるでその時代にいたかのようですよね。
ただ、当時のことを現代の尺度に置き換えていて無理がある、
と言う意見もあるようで、実際にその時代を過ごした方からすると
また違う見方があるのかも?
ともあれ、作者の時代考証の緻密さと構成の妙に脱帽です!