走って、走りぬいて、蓮乗霊園の前を走り抜けた。


十字路を抜けて、信号につかまりながら待ち合わせ場所のコンビニまで無事にたどり着いた


「遅いよ~!」と、青白い顔を怒りで赤くしている友達が言った


「ごめん、あれ?マルは?」 


マルと言うのは友達の丸大 愛樹 のことで、 あだ名はマル 


今話しているのは 友達の松木 英美 あだ名は A 


身長はユナより小さいが、その分頭は良い、保健室の常連になっても


成績は相変わらず良い方だった


「まだ寝てんじゃないの。あいつ昨日12時までメール送ってきたしさぁ。」とA


「あいつほんとにダイジョブかな・・・」


「・・・・・・・・・・あぁ~つまんない。 ユナなんか面白いことない?」


「ん~・・別に」


「・・・来ないから先に行くわ」


そう言いながらAは学校へ歩きだしたので、ユナも歩き出した 


コンビニの近くの大型百貨店の前を通り過ぎたときに、走ってくる音が聞こえてきた


「まって、まってよ!」


背にしているリュックがその走りのせいで左右に揺れていた

置いていくとかひどくない?と小言を言いながらも、顔は笑っている。 3人の中で


一番背の低いマルだ。


ゼェゼェと息が荒く、全速力で走ってきたらしい


マルのダイエットと言いながら、最近は走ってくるマルに追いつかれないように走る。


これがユナとAの日課だ いじめているわけではなく、マルから言い出したので楽しみながらやっている



「ユナ前見てよ!!」


Aが注意してくれたのも意味がなく、そのまま学校の敷地内の柱にきついパンチを食らわされてしまった。

 


前歯を触ってみた。こうゆう展開なら前歯は折れていてもおかしくはないが、


不幸中の幸い鼻血だけですんだ 


「うわぁ・・・保健室行ってきなよ」


まだ息が荒いまるがマルがついてきた。ユナにとってはありがたかった。


こんなおかしな姿を同級生に見られたくはないし、前を歩いてくれたので隠れることができた。(背が小さかったので苦労したが)


ガラガラとドアを引き、まっすぐ先生の元へと向かう。


保健室は不良のたまり場でもあったので目を合わせると後々厄介なことになる、


綿と消毒液で手当てをしてもらっているときに唐突に先生が言った 


「今日はテスト一週間前だから、ちゃんと勉強してね?」


マルと目があった、マルもなんて言えば分からないのだ


鼻にティッシュを詰め込んで一日歩きまわるなんて、ミリアの耳に入ったらからかおうと


変な噂を流すだろうとユナは思った


ミリアと言うのは、ミリア・マルシェと言う娘で、外国から転入してきた、身長はAくらいで、横の幅はマルより長い。


なのにマルを太りすぎだと言ってくる。

  

保健室の先生はこう言った

「血が止まらないわねぇ・・・一時間目まで様子を見ましょ」


そう言ったとたん、マルの顔がこわばった ここ灯野中学2-2では、ミリア、ユナ、マル、A その他もろもろがいて、


Aはほとんど保健室にいる。ミリアはマルが一人の時にしつこくいじめてくるので、


「ごめんマル、がんばってね」真剣なまなざしで言った


「うえぇ・・やだ~できるだけ早く治してね」今にも泣き出しそうな顔をしている


「わかったから、早く教室もどってなよ朝の会はじまっちゃうよ」


マルを保健室から出した後に、チャイムが鳴り響いた




「ユナー? 朝だから起きなさい」


母の声が聞こえる


しぶしぶ二段ベットの上から下りて、下にいるはずの妹を見た・・・いない。


母に怒られるまえに先に起きておこうという寸法らしい


ユナはっきりいって、妹が大嫌いだった  喧嘩するほど仲がいい? そんなのは親が子供をまとめるために作った


ただの教訓みたいなものだと思っていた


なにかあるたびに妹はねぇちゃんが悪いと口癖のように言ってくるもので、


ゲームが無くなったり、ジュースをこぼしたりしたときも  妹は上手く親を味方につける


それが少女は気に食わなくて、 ついこの前に「いいかげんにしろよ!」 


と怒鳴り散らした。 家族からいえば、ユナは男みたいな話し方と風貌なので、


女の子らしくしなさいとよく言われている


母におはようと言って着替えを済ませて、ご飯を食べた。 


ユナは、この独特の着替え方と食べ方で手っ取り早くすますことができる


筆箱の中を確認する・・・・・・・・「あった、やっとみつけた!」


つい声を出してしまう、宝物がちゃんとあってよかった。

  「何があったの」と妹、「別に。関係ないよ」とユナが言う。


また妹がこっちを見てきた、隙あらば、奪ってやろうそんなセリフがお似合いな顔をしていた


妹を横目に、テレビに表示されている時刻を見た 


「うわぁ~・・・時間がないし!」


8:00になっていた。待ち合わせ場所には当分間に合わない。でも、待ってくれているかもしれないのに


見捨てて学校に行くのはしのびないと思ったのか、しばらく自転車を見つめていた 


(ちなみに、ユナが通っている中学校では自転車通学はだめで、みつかったら先生たちにいろいろとやられる


たとえば、授業でまだ習っていないところを黒板に書いてみろだとか。 まぁ、とにかく無理難題を押し付けられる)


すぐ近くのレンガ作りの家を左に曲がった。


ここは、少女が生まれる前から白い狼のような犬がいる 飼い主はいると思うが、顔を見たことがない


この姉妹は利害が一致すると仲良くなる 小5まであみをもって、白い狼に名前を付けて、狼捕獲! と息巻いたことを酷く懐かしむような顔で犬を見た


犬のあだなを思い出した。 ボスだ、もとは白いきれいな毛が、泥で汚れ、黒い眼を見つける事が困難担っていた


「そいつをもってくのか?」


  いま誰かの声がきこえて、空耳かと思い歩き始めた矢先に


「聞こえてるんだろ?そいつを買ってくれてありがとよ。あんたみたいなのが持ってて良かった」




きっとこの家の主人がテレビでも見ているのだろうと思った矢先、甲高い笑い声が聞こえてきた


「あんたに追い回されたやつさ。まぁ~だわかんないか? ボスだよボス」


さっきまでは無かった恐怖心と不安が少女を取り巻いた。


気がつくと、体が全速力で学校に向かって、走っていた。  いや  逃げていた・・・?


誰?―――


ユナは二人の親友の顔を思い浮かべていた。


そうすればきっと恐怖が和らぐと考えていたから






やっと学校が終わり、友達とも別れて家路を急ぐ少女。  


そんなことより、早く急がねばならなかった―――洗濯物をほして夕食の準備をする


これが家庭内での少女の役目。(母は仕事で疲れていると思ったらしい)


だけれど、本当は母の自転車が止まる音を聞かないと動かない。


ぎりぎりまで体を休休ませているのだ


母親がドアを開ける音がする


「…疲れた」


お帰りと言う私に対してにこりともせず睨みもせず、


「洗濯物やってくれたかしら」


いつもこうだった――


仕事がうまくいっていないと、いつもきまって無愛想になる。



「今やってるところ、荷物多いね 手伝おうか?」


いや、いいといわれ、二階に戻って洗濯物をほした。


ベランダに出ると、板がキィキィ声をあげる。 壊れてしまいそうな危ないベランダで、少女が何回も両親に訴えているのに、


涼しい顔で 聞き流されてしまう。  


少女もわかってはいる、そう、この家はお金がほぼないのだ。無理をしてまで直して、とは言わないが


だれか事故でもしたら危ない。


洗濯が終わり、シチューを食べ終わった後、風呂に入った。


いい香りの石鹸のにおい―――


少し高めの価値がある石鹸をお母さんは愛用している  (これじゃないとダメ、だとか)


おかげで母は風呂がもともと長いのにもっと長風呂になってしまった。


少女は明日体育があるなぁ 嫌だなぁぁ と呟きながら


ベットにもぐりこんだ