おはこんばんちは~

 

今日のNetflix

「The Penguin Lessons」(2024年)

 

動物や子供が出てくる映画に弱いすずめの選択。

ペンギンが出ているので観ました。

イギリス/スペイン映画

 

日本では今年5月に公開になったようですね。

 

これも実話ベースで、ただペンギンが可愛いとかそういうのじゃない、

思っていた以上に、映画自体にパワーがありました。

 

The Penguin Lessons

 

ネタバレ行きます^^

 

色々な学校を渡り歩いている、英文学の教師のトム・ミッシェル(スティーブ・ク―ガン)が来たのはアルゼンチンのブエノスアイレス。1976年、(*注)クーデターが起き、軍事政権の始まった年で、街には兵士がおり、時々爆発があったりしました。

彼は人生に疲れているようで、物事にも、人々にも深くかかわりたくないようでした。

 

着任したのはセント・ジョージという男子だけの全寮制私立大学。

トム自身にも、キャンパス内に部屋が用意されていました。

 

学生たちはトムの話を真面目に聞かないし、勉強にも集中しません。

 

The Penguin Lessons (2024) - IMDb

 

間もなく、市内で爆発や銃撃があって、安全性から学生は家に帰され、大学は一週間閉鎖になりました。

トムはその間ウルグアイに気晴らしに行くことにしました。

 

ダンスクラブでカリーナという女性と出会い、親しくなります。

2人で浜辺を歩いていると、重油流失事故でオイルまみれになって死んだ多くのマゼラン・ペンギンが打ち上げられていました。

 

カリーナが1羽だけまだ息のあるペンギンを見つけます。

トムはどうせいずれ死ぬんだから、自分たちに出来ることなど無い、と関わるのを避けようとしますが、

助けなくちゃ、というカリーナの言葉に(彼女の気をひきたい気持ちもあって)

ペンギンをホテルの部屋に連れ帰ると、バスルームできれいにします。

 

ペンギンを助け、2人の雰囲気が盛り上がって来たのですが、カリナ―が、突然「ごめん、実は私結婚しているの」と、

トムとペンギンを置いて立ち去ります。

 

トムはペンギンを何回も海に返しますが、

そのつど彼の元に戻ってきます。

 

ホテルの部屋に置き去りにしようとしますが、

駆け付けた警察官に連れ帰らなければ逮捕すると言われ、

連れて行きます。

 

The Penguin Lessons | Rotten Tomatoes

 

国境審査で、手数料が無いことを理由に置き去りにしようとしますが、

係官が、じゃあ手数料はいらないから連れて行くように、と言います。

 

The Penguin Lessons movie review (2025) | Roger Ebert

 

結局、仕方なく大学まで連れ帰ります。

初日に学長から、部屋はペット禁止、と言われたので、隠して飼わなければなりません。

しかし、すぐハウスキーパーのマリアとその孫のソフィアに見つかってしまいます。

 

 

ペンギンは人と人とをつなぐ

でも2人はペンギンがとても気に入ってしまい、ソフィアのアイディアでペンギンはファン・サルバドールという名前になります。

その事を通して、トムはマリアとソフィア、そのファミリーとも親しくなるのでした。

 

最初からペンギンは厄介者だと思っていたので、直ぐ動物園に入れようと思っていたのですが、

行ってみたら劣悪な環境だったので、結局連れ帰ってきました。

 

The Penguin Lessons | Vue Cinema Times ...

 

 

ペンギンは集中力を高める

相変わらず騒いでばかりでまとまりのないクラスに、

トムはふと思ってファン・サルバドールを連れてきます。

 

ペンギンが教壇に立った途端、静まりかえりトムに関心が集中します。

トムは学生たちに言います、「この課題に答えられたものには、ペンギンに餌をやれる権利をあたえよう、どうだね?」

学生たちは大きくうなづきます。

 

British movie confirms UK release date ...

 

こうしてトムは毎回ファン・サルバドールを授業に連れて行くようになり、

クラスはどんどんまとまり、成績も上がってきました。

 

 

ペンギンは時としてカウンセラーだったりする

ある日、トムが自室に入ると、人の気配がします。

テラスを見ると、同僚の化学教師タピオが何かを話しています。

ファン・サルバドールに向かって悩みを打ち明けている所でした。

 

ファン・サルバドールはタピオのクラスにも同行するようになり、

学長以外のみんなが知る、人気者になりました。

 

 

 

街を歩ている時に、トムはソフィアと出会います。会話を交わし、分かれて直ぐ、ソフィアは軍事政権の当局者たちに逮捕されます。ソフィアはトムに助けを求めますが、トムは何もできずにただ立ちすくみます。

当局は少しでも反政権の兆しがあれば捕らえて、拷問を加えるからです。

 

ソフィアが逮捕されたことを聞いたマリアとその家族は嘆き悲しみます。

そこでトムは、自分の娘が轢き逃げで死んだこと、それが元で妻とも別れたことを話します。

 

大学に戻って、学生たちの成績が良くなってきたことで学長に呼ばれますが、開いていたドアからファン・サルバドールが抜け出し、学長の目に留まってしまいます。

厳しい学長は、学則に反するからと、トムにペンギンともども大学から去るようにと言います。

 

 

広場でのアピール運動に参加しているマリアに出会ったトムは、自分はソフィアの逮捕現場に居たにもかかわらず、何もしなかったとマリアに打ち明けます。マリアはトムの状況を察して、ハグします。

 

ペンギンは様々な形で良い影響を与える

 

トムはその後あることを試みます。

路上のカフェに行くと、幼い娘を連れた男のそばでファン・サルバドールを出します。

よちよちと近づくペンギンに女の子はすぐ関心を示します。

父親がなぜペンギンを飼っているのかと聞くと、このペンギンが大好きだった女性がいる。彼女は何の理由もないのに逮捕された。自分は娘が理不尽な理由で死んでしまったので、彼女の中に娘を見ているのかもしれません。彼女が釈放されることを望みます…その男は、ソフィアを逮捕した時のリーダーでした。

彼は、トムが娘と一緒に居る所にペンギンを使って接触を図り、同情をかおうとしたのだと見抜き、直ぐ立ち去れ!と言います。

 

それから間もなく、トムは逮捕され、拷問されます。

しかし、タピオが保釈金を払い1日で解放されました。

 

大学では、学長がファン・サルバドールが学生たちやスタッフにいい影響を与えていることを認め、トムに戻って来るようにといいます。

トムが自室に戻ると、校長が居て、テラスで何か話しています。妻の愚痴を言っているようでした。話し相手は…ファン・サルバドールでした(ここ、大うけです)。

 

学生たちは優秀な成績で年度を終わることができました。

学生たちはファン・サルバドールを大学のプールに連れて行きます。

広いプールで飛ぶように泳ぐファン・サルバドール(うるうるになります)

 

 The Penguin Lessons | Rotten Tomatoes

<画像は全てお借りしました。>

 

 

学生たちとの絆も深まり、ファン・サルバドールが居る生活が自然になって来たのに…

 

トムが自室に入ると、ファン・サルバドールはテラスで静かに息絶えていました。

トムは流し台の下にファン・サルバドールためておいた宝物(安全ピンやサイコロ、ボタン、キャンディ)をみつけて悲しみにくれます(超うるうる)。

 

 

ペンギンは心あたたまる思い出を残す

 

トムはキャンパスの大きな木の下にファン・サルバドールを埋葬する穴を掘っていました。

そこに、最初はいじめられっ子だったのに、すっかり優秀な学生となったディエゴが来て、言います。

「ペンギンは生涯ペアで過ごし、伴侶を亡くしたものは群れを離れて死ぬそうです。ですから、あなたがここに連れてこなければ、すでに死んでいたでしょうし、僕らと共に過ごす時も持つことができなかったでしょう」。

 

埋葬式には学校中のみんなが(学長も)集いました。

トムのするスピーチは、ファン・サルバドールのことでありながら、半分は自分自身のことのようでもありました。

ファン・サルバドールは心を閉ざしていた彼の友だちであり、多くの友達を残していったのです。

 

 

ペンギンはもしかすると奇跡を起こした、かもしれない

 

トムが埋葬の土をかけた時、門の方で車のドアが閉まる音がしました。

そこに立っていたのは、やつれた姿をしたソフィアでした。

 

 

 

 

エンドクレジットに、

トム・ミッチェルはこの後2年間セント・ジョージ校で教えた。引退してしばらくして、イギリス、コンウォールの自宅の屋根裏で長い事忘れていた8ミリ映画を見つけた。そして、セント・ジョージ校のプールでファン・サルバドールが泳ぐようになるまでの道のりを回顧録「ペンギン・レッスン」として書いた、とテロップが出てきて、

本当にその時撮ったプールで泳ぐファン・サルバドールの映像が出てきます。ウルウル再び、です。

 

 

人間のパワーは、経済のためにタンカーでどんどん重油を運んではこぼし、自然に悪影響を与え、

政治と言う名のもとに不当に人々を弾圧する…

 

ペンギンパワーに比べたら…恥ずかしい。

 

出会えて良かった映画です。

皆様も見かけたら、ご覧になることをお勧めします。

 

 

 

*注 Wikipediaから抜粋

1976年から1983年にアルゼンチンを統治した軍事政権による白色テロは汚い戦争と呼ばれた。

労働組合員、政治活動家、学生、など左翼ゲリラや反体制派とみなされた者が逮捕、監禁、拷問されたと言われている。
多くは、亡命したペロン元大統領を支持していたペロン党員や支持者であり、3万人が蒸発したといわれる。

この3万人の不明者たちの母が立ち上がり、1979年に「5月広場の母たちの運動」が結成。
行方不明者の調査と不法逮捕者の釈放を求める要望書に2万4000人の署名が集められ抗議した。

ブエノスアイレスの街中には頭巾を被った母たちのマークが今も至る所に残っていて、この5月広場の母たち運動は、現在も市民の記憶に残り、行方不明者の捜索は続いています。

また1976年3月24日に起きたこのクーデターによって、以後7年間にわたって市民が汚い戦争に弾圧される歴史になったため、現在はこの日は祝日とし、町中で市民によるデモ行進が行われます。