おはこんばんちは~
みぞれ。寒い![]()
家の中でもすることはそれなりにあるんだけれど、
問題のやる気が(笑)(笑)
ブランチ
のり・きんぴらトースト
サーモンマヨトースト(昨日、別に茹でておいた切り落としサーモンをマヨネーズ、しお、コショウで練り練り。ディルを散らしました)
どちらも普通にかなり美味しい(笑)
晩ごはん
ミートソースの残り+マッシュルーム+ほうれん草
麺はリングイーニ
ガーリックトースト付き
さて、昨日の続きです^^
ちょっと長いです。
面倒くさい人はパスしてね。
「Nitham Oru Vaanam」(2022年)
昨日タミル語の映画だと言いましたけど、
インドは広いので、地域によって話される言葉が違います。
ヒンディー語が公用語なので、ヒンディ―語の映画が多いですけど。
ヒンディー語とタミル語は、文字、文法、語彙がまったく違う、別の言語だそうです。
だからタミル語の映画、ヒンディー語で吹き替えなんて事があるんですね。
広くて複雑な国なんだわ。
なので、オリジナルのタイトルの文字も、今までインド映画出見たのと、ちょっと変わっています。
主人公は、アルジュン(下の画像右)。子供の頃から強迫性障害があって、対人関係に苦労しています。
ネガティブな思いが、繰り返し考えを支配し、なかなかそこから抜け出せません。他の人が触れたものには触れられないし、荷物を床に置いたりできないし、もちろんストリートフードを食べることなんてできません。
適齢期で、母親は結婚して欲しいと思っていますが、障害の所為で女性と付き合うこともできないでいます。
子供の頃から、部屋に閉じこもって本を読むのが好きでしたが、読むともう、主人公になり切ってしまうほど入り込みます。

左端がスバー、アルジュンと一緒に旅をする女性です。付き合っていた男性が突然別の女性と結婚してしまい、感傷旅行のために、バスステーションに居ました

南のチェンナイに住むアルジュンは、ある目的で北の方にあるコルカタを目指していましたが、途中乗り換えの空港でストームが来て、コルカタ行きの便が欠航してしまいました。それで、バスで行こうと、バスステーションに行きますが、彼はヒンディー語が話せないので、係員が何を言っているのか分かりません(ここでタミル/ヒンディー語が出てきます)。待合場所に行くと、女性が携帯に向かって何か怒鳴っているのが見えました。近づいてみると、彼女はタミル語で話しています。そこで、話しかけますが、感情的になっている女性(スバー)はけんもほろろに追い払います。
でも、後になってスバーは彼の所に行くと、自分の態度を謝り、バスの発車時間までずいぶんあるので、あなたの話を聞かせて欲しいと言います。
そこでアルジュンは、コルカタを目指している理由を話し始めます。
アルジュンは強迫性障害があって、女性と付き合うことは難しかったのですが、ある女性とは珍しく上手くいきました。付き合ってから2ヶ月たって、結婚することになりました。婚約式の前日、彼女がある告白をします。アルジュンと付き合う前、ある男性と付き合っていて、ある出来事の所為で別れたのだが、今結婚するにあたって、やはり同じように不安だと言います。アルジュンがアドバイスすると、とても落ち着いたようでした。しかし、次の日、彼女は「アドバイスを聞いて分かった。考えた挙句、私はやっぱり前の彼と結婚します」、と言い、彼もその場に現れます。
呆然自失のアルジュン。結婚式はキャンセル。何よりも自尊心が傷つきました。そのネガティブな思いが彼の頭を離れず、何も手に付きません。とうとう子供の頃から診てもらっているドクターを訪ねます。
ドクターは、時間がかかってもいずれ乗り越えなければならない。旅行に出て、色々な人と出会い、いろいろな経験をしてはどうか、と勧めます。しかし、アルジュンは自分は、自分が知っている所に居たい。自分のベッドでなければ寝られない、旅行は嫌なのを知っているでしょう?と言います。
そこで、ドクターは、とにかく、一晩病院に泊まりなさい。眠れなかったら、私が書いた物語を読んで。読むのは好きでしょう?とノートを渡します。
そのノートに出てきた物語の主人公がヴィーラ(男性の写真左端)でした。
読むうちにアルジュンはヴィーラになり切ります。それには、ヴィーラとミーナクシ(女性の写真右端)の恋物語が書かれていました。
大学で知り合った二人。ミ―ナクシはバスケットボールが大好きでしたが、父親から女性はスポーツなどしてはならないと止められていました。それをサポートするヴィーラ。しかし、父親に見つかり、ミナクシは家から閉め出されます。ミナクシとヴィーラはコルカタに行き、ヴィーラは建築技師として働き、ミナクシは妊娠中。ささやかながら幸せな生活でした。しかし、嵐の晩、ヴィーラが建築中の建物を見回りに行くと、そこに落雷が…
アルジュンが次のページをめくると、切り取られていて、続きがありませんでした。半ばパニック状態のアルジュン。ドクターに電話すると、2冊目を読め、と言います。
2冊目の主人公はマティ(女性の写真真ん中)。母親を早く亡くし、父親に育てられました。父親がマティを思うゆえであることは分かりつつも、勝手に相手を決めて、結婚をさせようとするのにはうんざりでした。父親が結婚を準備するたびに気の強いマティは逃げました。お見合いではなく愛のある結婚がしたいのだ、と。
もう何回目になるでしょうか。今度も父親が、次の金曜日には結婚式だ!と宣言しました。マティは、また逃げるから!と言います。見張りの叔母を椅子にしばり、裏口で見張る召使を言いくるめて逃げ出したマティ。
途中で車が通りかかります。
止めて、乗り込み「近くの駅まで連れて行かなければ、あなたが誘拐したと叫ぶ」と脅します。
しかし、男は、自分は彼女に振られて、毒をのんだばかりだ、もうすぐ死ぬから降りろ、と言い、倒れ込みます。
仕方なくマティは彼を病院に連れて行きます。彼は思ったより早く毒より回復、元気になりますが、そこにマティの父親が現れます。
どんなに説明しても、父親は2人が駆け落ちしたとしか思わないでしょう。
マティは、逃げ出して、父の配下の者に足を切り落とされるか、父親の言うことを聞くかどちらかだ、と言います。
父親は男(プラバー 男性写真の真ん中)に、娘と結婚しろ、と言います。受け入れる以外ありません。
祖母が婚約の印のペンダントをプラバーに渡します。それをマティにかけようとした時、マティは倒れて気を失ってしまいます。
そして、またもや次のページが切り取られていて無くなっているのです。
<映画の画像はすべてお借りしました>
アルジュンはヴィーラにもプラバーにもなり切っていますから(実際2人ともアルジュン役のAshok Selvanがやっています)、その先が気になっておかしくなりそうです。
とうとうドクターの家に押しかけて、結末を教えてくれ、と言います。
ドクターは、「これは本当の話で、ヴィーラとミ―ナクシ、マティとプラバーは実在の人物。彼らがどうなったか知りたかったら、自分の目で確かめていらっしゃい。もし、旅行は嫌だ、とか言うなら、彼らのその後のことは忘れなさい」と住所を渡します。
ヴィーラとミ―ナクシはコルカタに、マティとプラバーはカシミール地方に近いヒマラヤに住んでいます。
ここまで話がすんだ時、コルカタ行きのバスが到着します。
バスに乗り込むアルジュンに、スバーは一緒に行って良いかと聞きます。
躊躇ったものの、ヒンディ―語が話せるスバーが一緒に行ってくれればなにかと助かるので、一緒に行くことにしました。
旅行は初めて、戸惑う事ばかりのアルジュンに対し、おおらかで明るいスバーはどんどん彼を引っ張って行きます。
コルカタでは、思いがけない事実が待っており、ヒマラヤに行くのをやめようとするアルジュンに、スバーはどうしても行こうと励まします。
雪山を越えて、指定の場所で待っていると、プラバーの友人が2人を迎えに来てくれました。そして、彼からマティとプラバーの裏話を聞きます(この話の展開には、やられたって感じでしたね 笑)。
いわゆるハッピーエンディングではなくても、それでも幸せはそこにも、ここにもある。一人ひとりそれぞれの道を歩む。それが人生…ということを感じたアルジュンは、自分を縛っていた物から解放されて行きます。
空港に着いて、スバーはアルジュンに写真の束を渡します(例のカメラで撮った、各地の写真)。最後に2人で一緒の写真を撮ると、それぞれの家へと帰って行きました。
2時間半の中に、メインの話+別の話2つ+インド半周北回りの旅、のぎゅうぎゅう詰め。
でも、話の流れは混乱せずにすっきりとしていました。
監督・脚本、R. Karthikの初作品だそうですが、良くこういう話考えますよね。
しかも3つの話の役を主演男優がやるとかいうのも、面白い。
私としてはかなり気に入りました。
これだけ詰め込んでいてもすっきり、というのがなかなかでした。

