たまたまネットで見つけたコーライティングのワークショップ。「協業(CO-WORKING)」に新たな可能性を見出そうとしている自分としてはとても面白そうに思え、コーライティングを学びたくて、週末約2時間(!)電車に揺られて遠方まで参加しに行ってきた。(CO-WRITINGと言ったりCO-WORKINGと言ったりしているが、まぁ呼び方はどっちでもよくて、つまりは作曲の協業ということだ。)

 

現状、日本の作曲家は海外の人たち(欧米)に比べて、自分を含め孤独な人が多いと思う。もっとオープンに取り組んだ方が可能性が広がるし、良いと思っていて。そういう意味でも作曲の協業=コーライティングは重要だと思うし、今後の日本の音楽を盛り上げていくのに必要なものだとの確信がある。協業であれば世界中の作曲家と組んで、世界にだって打って出ることができるわけだし。

 

それで僕も作曲の協業はすでに取り入れていて、もう少し体系的に学べたら良いなぁと思って今回のイベントに参加したんだけれど。「う~ん。。」というのが正直な感想。

 

もちろん主催されている方々からは「コーライティングを広めよう」という意志が感じられ、そのこと自体はとても意義があることだし、彼らにリスペクトするんだけれでも。。

 

僕は前々から指摘してるんだけど、作曲の協業って組み合わせがスゴく大事だと思う。とにかく数を揃えてチームを組めば良いというわけではなくて。世界観やビジョン、個人の能力を含めたそれらのレベル感がある程度同水準な必要があると思うわけです。単純に効率的に曲を生み出すということを目的にするのでは本末転倒で、第一に一人でやるよりもクオリティの高いものを生み出すために協業を行うんだということが本質で。効率化は「その次」だと思う。このイベントは何か大事な部分を置き去りにしている気がした。

 

このイベントの中身なんですけど。趣味も趣向もレベル感も違うであろう初対面の人たちでいきなり4人くらいのチームを組まされて、特に細かいレクチャーを受けることなくいきなり昼飯食べながら1時間でどういう曲を書くか考えなさいと。。まぁそれは良いとしてその後3時間くらいで曲のファーストデモ(曲のイメージが最低限分かる状態)を仕上げなさいと。そして、その楽曲のファーストデモに対して音楽業界の錚々たるゲストの方々が、楽曲のクオリティを批評する。「1億年経っても楽曲コンペで採用される曲じゃない」とかね(笑)コーライティングのアドバイスや批評じゃなくて楽曲の批評をするのかよ!と。ぶったまげましたね。「みんな凍りついてるからその辺でやめときなよ~」とか言ってるんだけどさ。僕はそのことに凍りついていた(笑)「俺何しに来たの?」と。

 

厳しいでしょ。この状況下でクオリティ高いものを作るのは。。今回はコーライティングのイベントでしょ?コーライティングに関する批評なりアドバイスをくださいよと。

 

作曲の協業を体系的に学びたくて参加したんだけどなぁ。残念。。僕は基本的に物事をポジティブにとらえるタイプなんだけど、今回は「そりゃないよ」とおもいましたね。

 

まぁ、でも実は参加して良かったとおもってて(どっちだよ!)。今回のイベントで新たな気づきは当然あったし、今後の展開に必要な出会いもあった。これに懲りずに協業の可能性は今後も追及していきたいと思う。