【参院埼玉補選に出馬する立花孝志氏(参院議員、N国党・党首)の選挙戦略について】

 

埼玉補選に出ても元知事の上田清司氏に勝てるわけは無い、何を血迷ったか、とお考えの方がいらっしゃると思いますが、これが実は大変に巧妙な戦術であり戦略なのです。

 

埼玉補選は、いわゆる泡沫候補を除けば、野党系の上田清司さんと立花氏しか出ませんから、事実上の一騎打ちになります。

立花氏の落選はほぼ確実ですが、一騎打ちですから、メディアは、当然上田氏だけでなく彼にも焦点を当てて報道することになります。

また、今回与党系(自公)は候補者を立てませんから、行先を失った保守票の一部も彼に入るので、彼の得票率は確実に4%を越えてきます。

そうなると供託金が返ってくるので、実に低コストでメディアを使った宣伝(売名)が出来てしまうのです。

 

今回の立花氏の狙いは当選ではなく、おそらく党の宣伝(売名)で、本番は衆院選だと思います。

そして衆院選にホリエモンと立花氏の2枚看板で出る。

そのほか全国の小選挙区に300名近い候補を立て、比例ブロックの票に結びつけ、彼とホリエモンほか比例で出来るだけ大勢の当選を目指すはずです。

 

そうなれば、参院2人衆院1人の現有勢力に合わせ、5人以上の国会議員を有することになり、なんとNHKの日曜討論に出席出来てしまうのです。

これが彼の狙いで、このままだと、彼の戦略はおそらく達成されてしまうでしょう。

 

さらに、その拡大した党勢をバックに、改憲発議に協力するからNHKのスクランブル放送化を認めるよう、安倍総理に取引を迫るのです。

これが彼の真の狙いだと思います。

 

注1)立花氏は参院比例区の当選者ですから、彼が補選に出て失職した場合、N国党次点の浜田氏(医師)が繰り上げ当選するので、立花氏が補選に落ちても、N国党の議席は減りません。

 

注2)NHK日曜討論が政党を呼ぶ基準は、国会議員5人以上、直近の国政選挙で2%以上の得票率、この二つを両方共満たしていることです。

N国党は、今年7月の参院選で2%以上の票を得ていますので、あとは国会議員5人をクリアするだけです。

 

注3)小選挙区に300人の候補者を立てるには莫大な費用がかかりますが、彼は「幸福の科学」の会員であり、おそらく資金面の宛てはあるものと思われます。