NHKの放送内容については、立場によっていろいろな批判があります。
保守派やネトウヨからは、偏向番組が多いと非難され、リベラルな人々からは、政府広報の垂れ流しだと批判される。
NHKのスクランブル放送化を掲げるN国党(NHKから国民を守る党)は、放送内容については批判しない、集金人の契約方法だけを問題視し、その解決のためにスクランブル放送化を主張すると、その点を上手く逃げています。
NHKが現行制度では、経営委員の任命権を内閣総理大臣が握っている人事面、予算と事業計画が国会審議を経ないと認められないという予算面、政治的に中立な番組を義務づける放送法第4条、この三つの縛りによって、政権のコントロール下に有るのは事実だと思いますが、安倍政権以前は、政権が露骨に放送内容に介入することは少なかった。
しかし、今では、官邸の意向によってニュースキャスターが交代させられる、などの事態になっています。
いままでも制度的には政権から完全に独立はしていなかったが、政権側の自重によって、なんとか放送内容を中立に近い形で保ってきたのが、安倍政権によって完全に壊されてしまったわけです。
NHKの制度は、やはり政権からの独立性が保たれるように改善すべきだと思います。
スクランブル放送化は、単に契約が自由になるだけで、この点の改善にはなりません。
スクランブル化に加えて制度改革を行うか、なにかまったく別の手段を執るか、これから真剣に考えていく必要があると思います。