風邪のせい

風邪がまだ治りきらない
声を出そうとすると
喉がくすぐられるから
「今日はだまってるから
好きなこと話してて」
そう伝えた
会話は
暗黙のルール
前半はわたし
後半がキミ
いつもと違う流れに
戸惑ったのか、
一瞬、言葉をつまらせた
普段は淡々とした話し方
なのに
今日は
声が少し
前のめりに聞こえる
最近
挑戦したことを
背中越しから知る
臆病になってしまった自分には
同じ場所にいながら
見ている景色が
ずれてしまった気がした

ふいに
我に返ると
いつになく
手の位置が
疼くところから
ほんの少しそれていた
かすれた声で、
「ちょっとずれてる」
「ここ?」
すぐ後ろから
まだ
少し、ずれていて
思うように
声が出なかったからだろうか
気づいたら
「ここ」
言葉にならない
声で
キミの手を取り
位置を
合わせていた
背から聞こえてきた声が
一瞬だけ
ひと呼吸分、途切れる
触れられても
触れることのない一部を
ほんの一瞬
超えてしまった理由を
超えてしまった理由を
わたしは
心の隅で
心の隅で
出なかった声のせいにした
※私two-miracleの綴る詩は
内にある記憶や感情と、創作の中で重なり合う様々な愛のかたちを、丁寧に描いています。
この詩に触れた方が、 それぞれの心と記憶に、
静かに響きますように。
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