〜過去の詩より〜

この詩は、過去に書いた作品を今の私が選んで紹介しています。制作日はタイトル末尾に記しています。



キャラメルリボンの魔法




“こんな日は

何をしたって

楽しめないの”



暗い部屋にこもるわたしを

見かねたあなたが

そっと連れ出してくれた週末

 


かつて何度も足を運んだ

ショッピングモール


仕事でも通った

思い入れのある場所



鮮やかな記憶が

いつしか

セピア色に変わり


「もう帰りたい」


しょんぼりするわたしに

あなたがふいに差し出す

サーティワンの提案



こどもの頃から

通ったお店 


二十歳の頃には

あなたと並び


夫婦になっても

一つのカップを

分け合った


二人を結んできた

キャラメルリボン




「甘いものは控えなくちゃ」
と思いながら


キャラメルが口に広がると

体の主張が静かになり

気づけば

二時間近く外にいた


幸せホルモン

甘いリボンの魔法?


最近の私は

魔法にかかりやすいみたい 



夜は疲れた体を横たえて

あなたと並んで

お笑いユーチューブ


Ubereatsのくだらない
ランキングに笑い合い

すぐ横の体温に
力が抜け
気づいたらうたた寝


「何だと思う?」


遠くから届く
あなたの問いかけの声に
寝ぼけ眼の
わたしの口から
ぽろりとこぼれたのは——




「キャラメルリボン!」
 

思わずこぼれた言葉に
ふたりで笑い合った


“こんな日でも
出かけてみたら
楽しめたんだね”


あの頃からずっと
わたしに届けてくれる
甘くてささやかな奇跡
キャラメルリボン

アイスの甘さと
あなたのやさしさは
今も変わらない

きっとこの先も 
何度も結びなおしながら 
二人を繋いでいくんだ 

——愛のリボンを

※私two-miracleの綴る詩は

内にある記憶や感情と、創作の中で重なり合う

様々な愛のかたちを、丁寧に描いています。

この詩に触れた方が、 それぞれの心と記憶に、 

静かに響きますように。


*深大寺の記憶*2026.8.25



少し前のことですが、
夫と調布の深大寺へ出かけた日のこと——


この日は台風の影響で、

空もすっきりしないお天気。


寝不足も重なって

体調もよくありませんでした。


それでも、家にいても気持ちは沈むばかり。


夫が休みの日くらいは、
平日なかなか出かけられないぶん、
多少無理をしてでも外へ出たい。


そんな気持ちが、

どうしても強くなってしまうことがあり


いつもの

「スターくん」に寝たまま移動して、

深大寺へ。


けれど、人混み

睡眠不足、気圧の変動、痛み、、、

からの

疲労感と気分の落ち込み。


さらに、深大寺は砂利道や凸凹道、

坂道も多く、私の身体には

かなり厳しい場所でした。


シルバーカートも持って行ったけれど、

5分歩いては腰をかけ、

また5分歩いては休む。


そんなことを繰り返しているうちに、

「私、何しに来たんだろう?」

と思ってしまいました。





楽しむどころか、
ただ痛みに耐えているだけ。


楽しくない。


せっかく来たのに、

虚しくなってしまって。


それでも、せっかくここまで来たのだからと、

お寺で手を合わせて。


結局、30分も滞在せずに帰りました。



無駄にエネルギーを使ったのか

お腹が空いてきて

帰りの車の中では

助手席に座って、

持ってきた自分のお弁当を食べました。


そして、その流れで、

「アイスクリーム食べたい」

となり(笑)


お気に入りの

ジェラート屋さんに立ち寄りました。





少しだけ気分がよくなって

そのまま家へ帰りましたが



「どうして、私はあんなに楽しめなかったんだろう」


そんなことを考えはじめました。


そもそも論、

体調が悪かったこと、

痛みが強かったことが

何より大きかったと思います。


けれど、それだけではないような気がしました。


暫くして、

昔の記憶が湧き上がってきました。


深大寺に最後に来たのは、4年ほど前。

当時、好きだった友人と一緒に遊びに来ました。


その頃の私は、今とは比べものにならないほど元気で、

更年期についても、自分のこととしてはほとんど

意識していませんでした。


そのとき彼女が、

「更年期で、症状がつらい」

という話をしていました。


私は当時48歳。


今思えば、彼女のつらさに

寄り添ってあげられたらよかったのに、


「そんなに大変なんだ」


と、どこか他人事のように

聞いていたような気がします。


それが彼女を不快にさせてしまったのか。

もっと別の理由が積み重なっていたのか。

そもそも、私とは関係のない理由だったのか。

今となっては、分かりません。


それから1年、今度は私のほうが体調を崩しました。

はじめは臀部痛からでした。

その時、彼女が更年期の症状や

身体の痛みで悩んでいたことを思い出して


「久しぶりに会って、話をしたい」

そう思って、連絡をしました。


でも、なぜか約束をしても

彼女のほうからキャンセルの連絡がくる。


最初は、

あまり気にしていませんでした。

けれど、3回目。

会う約束をした前日にまた会えないと

連絡がきた時に


「もしかしたら避けられているのかな」 


と思うようになりました。


本当のことは分かりません。


私が何か不愉快な思いをさせて

しまったのかもしれない。

彼女の中に、私には分からない

何かがあったのかもしれない。

あるいは、 

まったく別の理由だったのかもしれない。


結局、「落ちついたら連絡してね」と

伝えたっきり、連絡はなく

気づけば自然消滅していました。




あのとき、彼女の気持ちに寄り添えていたら。

何か、気づかないうちに不快にさせて

しまったのかな。


私は彼女のことが好きだったので


一時は

自分を責めたこともありました。


でも、今になって思います。

真実は、本当に分からない。


人とのご縁には、
理由が分からないまま、

自然と離れていくものもある。


どれだけ考えても、自分を責めても

分からないものは分からない。


だから、悩んでも仕方がないのだと

思うようにしていました。


その、彼女との最後の思い出が、

深大寺でした。


そう考えると、

あの日、深大寺で私の心が

どうしても晴れなかったのは、


体調や痛みだけではなく、

あの頃の記憶まで、

一緒に連れてきてしまったのかも

しれません。


「香りの記憶」も
先日、詩の題材として
トライしてみましたが

「場所」にも、記憶は宿る。


そんなことを、改めて感じました。


今回の過去詩

「キャラメルリボンの魔法」も


これもまた、

楽しかった頃の記憶から

生まれた詩です。


幸せだった記憶、

楽しかったはずの過去さえも
胸を締めつけられてしまう。


そう考えると、

私はまだ、過去に引きずられて

生きているのだとおもいます。


忘れたつもりでも。

もう大丈夫なのかな、と思っていても。


ふとした言葉や香り、 

場所や景色が

しまっていた記憶の扉を
開けてしまう。


人は、そうやって過去を抱えながら、

生きていくものなのかもしれません。


でも、

「ああ、私はまだ過去に引きずられているんだな」


と気づけたことも、
大切なことなのかもしれない。



楽しかった記憶も、

寂しかった記憶も、

いつかそれらを、

「そうだったね」

と静かに振り返れる日が来たらいい。


そんなことを思った、深大寺の一日でした。





TWO Miracleの詩に


音(音楽)がつきました!

花良かったらご視聴ください花


星NEW

▼『生まれる前からの約束』

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▼『火花』

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処女作『愛しすぎたわたしへ』

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