静かなエール

あなたがこの国を
旅立つと言う。
「また、好きになった人が
離れていってしまう」
ふと
送り出す言葉より
自分のことを考えていたことに気づく。
すきま風のような寂しさは
過去の痛みからきているのだろう。
それでも
あなたと出会った頃より
成長したんだろうか。
少し、遠くを見渡せるようになって
今はあなたの門出を
受け入れられるようになった。
前の年。
あなたと出会うまで長く、わたしは彷徨った。
あなたに
ここへ来てもらうことは
剥がせないラベルを
貼ってしまうようで
決断に戸惑った。
それでも
今のわたしを
見捨てたくなくて
誰に言われたわけじゃない、
この意志で
あなたやあなたの仲間を
招き入れた。
あれから五カ月——
超えたぬくもりに
救われた。
役割の外側にある
人と人との心の通い合い。
その中でも
それが、
叶えられた人。
ひとりの“人”として
痛みに寄り添ってくれた。
遠い国でも
その使命を
全うするという。
「いざ決まると
足がすくんじゃって。」
そう言って、
髪を束ねる仕草に
凛とした美しさを感じる。
朗らかなあなたが
強さの裏側を
そっと差し出してくれたから
「あなたなら大丈夫」
ちゃんと、伝えた。
あと一カ月。
残された
あなたとの時間。
いまは
同じ時を交わすたびに
感謝を溶かして
大切にしていたい。
一年後、
「また会える」と
あなたは言ったけれど、
そのころ
わたしは
どうしているだろうか。
あなたにまた
会えたらいいのに
なにかが違っていたい
わたしもいる。
未来はなにも見えないから
今は
出会いも
別れも
再会も
つかまずに
流れに身をあずけたまま
ただ
あなたの門出だけを
祝福しよう。

※私two-miracleの綴る詩は
わたしの心の内や創作の中に
同時に存在する、いくつもの
愛のカタチを描いています。
誰かを裏切ったり
否定する意図はなく
ただ、一人の人間の記憶として
心を込めて紡いだものです。
この詩に触れた方が
それぞれの心にある愛の記憶と
静かに響き合えますように。
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