冬の光の跡




後部シートに揺られながら
高速道路を走る

金曜の夕暮れ



新しい相棒と
あなたとわたしで
小さな旅へ出る


「もうすぐ目的地に着くよ」
ふいに

あなたがつぶやく



痛みをかばうように
上体を
少し起こすと

前方と左右
五つの車窓から
冬の澄んだ空と

淡い夕映え雲が

ゆっくりと流れ

息をのむほどの橙の夕日が

力強く

わたしを照らしてくれた





視線を落とした先には 

水面の光を映した川面で 

シラサギたちが 

きらきらと
優雅に戯れている



言葉にならない想いを
代弁するように
涙の粒が
とめどなくこぼれた

 


「ああ、私は

夕暮れの高速が

好きだった」

 


わたしの思いに
重なるように

ハンドルを握るあなたが

「良かったね」と

やさしく寄り添う



涙は
止まらなくてもいい

今はこの
満ちていく時間を
ただただ

こころと体で

感じていたい



小さな奇跡が
またひとつ
わたしのもとに

舞い落ちた


冬のはじまりの日





※私two-miracleの綴る詩は

内にある記憶や感情と、創作の中で重なり合う

様々な愛のかたちを、丁寧に描いています。

この詩に触れた方が、 それぞれの心と記憶に、 

静かに響きますように。


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