本日の主役《如月の誕生日》 | ディズニーとアニメと創作と

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オリキャラをこよなく愛しているので、同性カップルも異性カップルも分け隔てなく書きます。(まぁ腐女子でもあるので男性同士が多め?かもしれない。)なので色々注意。

エイプリルフールですね。みなさま、嘘はほどほどに。言葉は言霊となって呪いになりかねないですからね。


ついていいのは、笑える嘘と相手のための嘘です。(とみの意見)


毎年くだらないこと考えようとするんですけど、性に合わないのか毎年挫折する。


さて、今日の主役はそんなエイプリルフールに生まれた金髪碧眼の彼です。



「おはよう。」

「姉貴おはよう。」

「……要か。」

「ん?なんか今日俺じゃだめだった?」

「ううん。なんか毎年、誕生日は要だよね。」

「……たしかに。」


姉に言われて日記を確認しに部屋に戻ると去年もその前も、誕生日はいつも『俺』だ。


「なにか意味があるか?」

「ええ。ここまで毎年だと、なにか……あるのかと思って。」

「……うーん。とくに意味はないと思うけどね。」

「……エイプリルフールだから、とか。」

「ん?」

「あくまで本体は塔雅じゃないですか。俺は『嘘』だから……。」

「要くん。」

「…はい。」

「いや、いいや。」

「泰さん?」

「これは、息子たちに任せよう。」


不安にかられて泰さんのところに来たのに泰さんは言葉を止めてしまった。あのとき何を言おうとしたんだろう。でも、本当のことではないか。俺は塔雅が生み出した『偽物』で、本当の意味で如月塔雅にはなれない。

病院を出ると咲羅が居た。


「咲羅。」

「要、久々に遊びに行こうぜ。東雲は夕方まで仕事なんだろ?」

「あぁ。いいけど。」

「遊園地、どう?」

「いいね。」


咲羅と二人で遊ぶのはすごく久々な気がする。


「柘榴に写真送ったらすごい怒られてる」

「あはは、あいつも好きだもんな。夕方から来いって言えば?」

「そうする。」

「おっ、なんかやるじゃんあれ観ようぜ。」

「写真をとれって。」

「めんどくせえから動画送ってやれ。」

「そうしよ。」


俺は狭いところと暗いところがだめだから、こういったところに来ても何も乗れない。ジェットコースターも体が固定されるからそんなに好きではない。シアタータイプがなんとかぎりぎりセーフのラインだ。映画は2時間だから厳しいがこういうところは30分くらいだからどうにかなる。咲羅はスリルが好きだから物足りないんじゃないか。


「俺じゃなくて塔雅なら色々と乗れたのにな。ごめん。」

「それ、禁止な。」

「え。」

「俺は今十分に楽しんでる。それに、今日の主役はお前なんだから、お前に気を使われる必要なんてないんだよ。」

「……そっか。」

「それに、今度李央と来るしな。」

「李央……ノートにあった気がするな……病院の人だよね?」

「あー、要は会ったことないか。今度あわせるよ。」

「……もしかして。」

「…いや、まぁ、俺の……恋人?なんだけど。」

「うわぁ!」

「なんでお前そういうときは塔雅と同じ顔すんだよ!」

「いやだって。俺ばっかり恋人とイチャイチャしてて嫌だったかなぁとか、咲羅にも柘榴みたいな相手がいるといいなって思ってたんだよ。」

「それに関しては慣れたし、なんとも思ってないし。」

「そっか、そっか。咲羅にも相手ができたか、そっかー。」

「俺の話はいいんだよ。」


咲羅が思い切り話題を変えてくるあたり本気で照れているんだろう。なんだか微笑ましくて思わず笑顔になってしまう。なんだか、こうして二人で遊ぶのが久々なのもそうだが、俺が長時間いるのも珍しい気がする。


「そういえば前さ。塔雅が『肝心なときは私ばかりな気がするんです』って言ってたよ。」

「え?」

「要はいつも塔雅に譲ってる気がするって。意識して切り替えられるなら一日くらい要に主役を譲ってみたいなとかなんとか言ってて。」

「それどれくらい前?」

「5年くらい前かな?その辺からだよな、誕生日が必ず要なのって。」

「……たしかに……。」

「お前の病気って意識してどうにかなるもんじゃないけど、人間てわからんもんだからさ。ま、塔雅の願いだと思ってさ、気にせず、お前はお前で今日は主役してろよな。」

「うん。」


咲羅が『今日からお前は要だ!』と言ってきたあの日から、俺は塔雅のために、皆のために、ここにいるときは精一杯過ごしていようとしたし、なるべくは塔雅の片割れでいようとしてきた。でも、そんなものはじめから要らなかったのかもしれない。


「俺もこの世に存在するんだもんな。」

「そうだよ、どちらが本物で、どちらが偽物とかでもない。どちらも『本物』だ。」

「…あぁ。」


泰さんが俺に伝えようとした言葉はきっとそれなんだろう。こいつに言われるとストンと腑に落ちる。昔からなんだかんだ咲羅の言うことには耳を傾けてしまう。それは長年積んできた信頼からだろうか。あぁ、そうか、俺が嘘ならそんな咲羅たちとの信頼も嘘になってしまうのか。それは嫌だな。


「ねぇ!ねぇ!今度は私も昼間からきたい!!」

「そうだな、来よう。」

「というかさ!恋人差し置いてなんで古見とおそろいのカチューシャしてるの!?!?」

「だってキャストさんがこの方が良いって。」

「そう、色素が真逆だから映えるって。」

「たしかに映えるけど!!私も!買う!!」

「李央もお揃いがいいかな?」

「は?九条先生もくるの!?」

「いや今度来るんだよ二人で。チケット代建て替えてもらってるからなんかあったら買ってくって言ってあって……」

「あーね、九条先生も似合うと思う。でもいつくるの?」

「今度の火曜日だけど?」

「私もオフだなぁ???」

「チケット買っとくか。」

「わーい!」

「待て待て待て?なんでそうなる!?」

「楽しそうだから。」

「柘榴がしたいなら俺は反対しない。」

「あーもう!李央が断るわけないし…わかったよ!いいよ!」

「やりぃ!」

「あはは。」

「要、笑い事じゃないよ、全く。あ。」

「そうだ、すっかり忘れてた。」

「?」

「誕生日、おめでとう、要。」

「大好きだよ。いままでも、これからも!」

「……ふたりとも、ありがとう。」


塔雅が許してくれるなら、来年の誕生日も俺が主役でありますように。



金髪碧眼の彼と言われて『塔雅』を連想した人、たぶん大概の人がそうなのでそれでいいですよ。

金髪碧眼の彼と言われて『要』を連想した人、彼を愛してくれてありがとうございます。もしくは私の性格をよくわかっているんですね、ありがとうございます。

そして『如月だよな、どっちだろう?』って思った人、ありがとうございます。二人共をちゃんと覚えてくれていて。


明日、いい加減キャラまとめの記事を作るべきだと反省したので博之たちワールドのまとめ記事つくりまーす。上がってなかったら間に合わなかったということです。ご察しください(笑)


ファンタジー組が急務だったので(汗)やっとこっちにも手を出せるように……