醍ちゃんの双子観察日記《学園外伝》 | ディズニーとアニメと創作と

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オリキャラをこよなく愛しているので、同性カップルも異性カップルも分け隔てなく書きます。(まぁ腐女子でもあるので男性同士が多め?かもしれない。)なので色々注意。

双子のシンパシー問題。醍ちゃんと邦義の会話が書きたかった。


なんだかんだ醍ちゃんと邦義は仲がいい。邦義、面倒見がいいので…(ただし理論は謎)

2個上の姉からの謎の圧力を受けていたらそりゃあ12個下の弟はくっそかわいいよなぁ…とは思う。

邦義→醍は「可愛い弟。」醍→邦義は「兄というよりすこしうざい友達」って感じ。ちゃんと尊敬するところはしてる。



うちに博之が泊まり込んでいたときの話。途中からは雅之くんも転がり込んで一緒に暮らしていたのだが、俺にとっては『双子』が普通の兄弟と何が違うのかそれとも所詮兄弟なのか気になったので観察して過ごしていた。邦義兄さんは「兄弟も双子も変わらないよ。まぁ、双子のほうがシンパシーみたいなのは感じることがあるらしいけど。」と言いつつ、俺の観察結果を報告されるのは「いいネタになるー!」と喜んでいた。俺はなんだかんだ兄に甘い気がする。


「とはいっても、博之と雅之くん元があんまり似てないからなぁ。」

「そうかな。やっぱり『兄弟だなぁ』って思うけどね?俺と醍ちゃんだってそうでしょ?」

「それはそうなんだけど。」

「で?なんか面白いことあった?」

「やっぱり一番すごいなって思うのは調味料かな。」

「調味料?」

「こう、ご飯食べててさ、あ、これはマヨネーズ欲しいなとかコショウだ、とか醤油〜ってときあるじゃん?」

「あるある。」

「ほぼノールックで、お互いに必要なものを渡して使うんだよね…あと食べる順番ほぼ一緒。」

「んー、それはすごい。言葉は?」

「もちろん何も言わないよ。兄さん知ってるでしょ、ご飯食べてる博之が無言なの。」

「そういえば…」

「雅之くんはしゃべるんだけど、特に博之に話しかけたりはせずにこう、行き交う調味料が本当にすごいの。」

「それは今度一緒にご飯食べようかな…」


実際それを目撃した邦義兄さんは唖然とすることになる。ふたりの味覚は似ているわけではなくて、お互いに必要なものは違うのに、お互いが必要なものは分かるようでナチュラルに渡して受け取ってをしていく。「それとって」とかいう言葉すら交わすことなく繰り広げられる光景はあまりに見事なものだ。


「あとは、やっぱりハモリがすごい。元から話し方は似てたけど、こう揃われたりするとすごい、」

「へー、それは想像できるけど、例えば?」

「えーっとね。」


それは、一緒に勉強をしていたときだ。


「次は英語…」

「英語なら雅之に教えてもらえば?雅之も勉強になるし」

「それ、ヒロが自分の勉強したいだけじゃ?」

「そうとも言う。」

「どっちでもいいから教えてくれる?」

「僕やるよ。」

「…あーー、もう全部thatじゃだめ?」

『だめ』

「…いやだってわからないもん。」

『問題作る立場なら確実にthat以外入らない場合を除きthatを使わないことっていれるよ?』

「え?怖くない、なんでそんな揃えて言えるの。」

「とにかく」「のろいを」「解きたいのであれば」「しっかり」『覚えなさい。』

「…見事…」

『褒めてないで問題やる。』

「はい。」


「ーってことがあった。」

「それはすごい。ハモるだけじゃなくて交互に話したりもするんだ…なるほど…それはいいネタだな。」

「あと、同時に同じ内容のメッセージ来たりもする。」

「それもすごいな…」

「あとね、この間の体育もすごかったよ。」

「えっまだあるの?」

「うん。うちのクラスと博之と雅之くんのクラスは同じ時間に体育なんだけど、この間サッカーだったの。」

「楽しそうだな〜」

「博之と雅之くんが同じチームでね、博之は普通だけど、雅之くんは運動できないから結構フォローが必要なんだけど…」

「あー、仕方ないよな…球技は本当得手不得手がはっきりするからな…」

「そうなんだよね。それでさ、まぁ、当然なんだけど、雅之くんがボール持ったらみんな狙いに行くわけ。」

「高校生男子はどこも一緒だな。そういえば重原もよく狙われてたな…。」

「えっ、悟さん運動苦手なの?モリーとローラに追いかけられてるのに?」

「んー、あれはね、球技が駄目なタイプ。身体的な能力は悪くないんだけどね。」

「あー…なるほど。でさ、それわかってるけど回さないわけにもいかないわけじゃん?」

「そうなんだよね。まぁ、所詮授業だし。」

「そう。でもそこで博之と雅之くんの連携がすごかったの。狙われる雅之くんの後ろにそっと博之が回ったんだけど、声かけると博之も狙われるから博之黙ってて、それじゃぁ受け取れないだろ〜って思ったのに、雅之くん、博之にパスを出したんだよ…すごくない?しかも一回ならまだしも2、3回そういうパスがあって、びっくりだよ。」

「すごいね?」

「まぁ、博之は遠近感が弱いからゴール決められないんだけどね。」

「博之くんは仕方ないね。視力の話だからね。」

「まぁ、なんとかうちのチーム勝ったんだけどね、あれはすごかった。」

「…ん?」

「ん?」

「博之くんたちと戦ってたの醍ちゃんのチームなの?醍ちゃん、外野じゃないの?」

「俺ゴールキーパーだったんだよ?」

「醍ちゃんさぁ、それは声出して味方に博之くんのこと伝えるべきでは…?」

「あっ…」

「あっじゃないよ、あっじゃ。本当、勝負事に向いてないんだから…」

「兄さんは運動好きだもんね…」

「んー、まぁ。短距離はあんまり好きじゃないけどね。」

「でも兄さん、短距離も速いよね?」

「まあね、でも1500mが一番成績いいかな…中距離走になるんだけど。まぁ、本当は5000とかの長距離が好きなんだけど…マラソンは飽きる。」

「兄さんSなのかMなのかわからなくなるんだけど、長距離で自分が疲れるのが好きなの?」

「え?いや、別にそういうわけじゃないけど、自分よりちょっとタイムが遅いくらいの選手の後ろにぴったりついて、『めっちゃ後ろいる、抜かされる!?』みたいなところを維持しておいて最後に一気に抜かすのが好き。ちょっと苦しそうなの見るの楽しいよね。」

「うん、ただの性格悪いSだ。安心した。」

「別に俺自身のタイム興味ないからよくコーチに怒られてたなぁ。ベストタイム目指せ!って。」

「あー、まぁ、本来そういうものだもんね、陸上は。」

「トップだと前誰もいないからつまらないからなぁ…って思って、なら1500mも出まーす、で、誤魔化してた。」

「うん。うちの兄めちゃめちゃ性格悪い。」


『褒めてる?ありがとう!』と笑顔の兄を横目にしつつ、写真のデータを整理するのだった。