雑誌・近代消防連載の考えながら学ぶ違反処理法学
 -迷ったときの違反処理ナビQ&A-

 第78回に寄せられた質問

近代消 2018年(平成30年)11月号 №696

 

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●  昭和51年5月31日消防危第4号通知によると、危険物を積載した状態で移動タンクを常置させる行為は危険物移送中とみなされ危険物取扱者の乗車義務等が生じるが、常時監視できる状態であれば、差し支えないとされています。これに関連して次の2つのことについてご教示ください。
⑴ 移動タンク貯蔵所の許可申請を受け付ける際に「念書」や「誓約書」を用いて、危険物を貯蔵したまま常置場所に駐車しないよう求めることは、安全上のことを考えると好ましいことかもしれませんが、上記通知を盾にされると、過剰な行政指導とならないでしょうか。
⑵ 「念書」や「誓約書」といったものは、許可申請や届出行為等において、どれほどの法的効果が見込まれるのでしょうか?(たとえば違反処理や告発を行う際、行政側が有利になるなど)。

 

 

 

---------回答)

⑴ 危険物を積載したままで常置場所に置く場合には、当該場所が危険物を積載したままでも火災予防上安全な場所であるかどうかを消防機関がしっかり確認し、判定した上で決め、危険物を積載している間は、取扱いができる危険物取扱者を乗車させておく必要がある。
⑵ 「念書」や「誓約書」の提出は、……。

 

 

 

【ヒント】
 ⑴について 
 許可申請の受付に際し、「念書」又は「誓約書」の提出を求めることは、純粋に行政指導にあたりますが、既にご承知のように行政指等は、「相手方の任……。

 

    
さらに詳しい解説を知りたい方は、本誌近代消防2018年11月号を参照。

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そのほか、次の様な質問にもお応えしております。

  

次の2つのことについてご教示頂きたいと思います。
 一つが、主要構造部が耐火構造であれば消防用設備の設置義務はない、というケースでの設置命令に係る違反処理において、保有資料や現地での簡単な目視では「耐火構造ではないだろう」という推定しかできなかったために、構造の種類に関する資料の提出又は報告徴収により調査を試みたにもかかわらず、資料の提出も報告もされなかったとします。この場合、設置義務についての調査責任を果たしたとは言えないため、前記の推定を元に警告や命令を行うのではなく、さらなる調査を進めるとともに、資料の提出も報告もされなかったことについて告発で対応すべきと考えてよろしいでしょうか。
 仮に資料の提出又は報告があったものの、内容が中途半端でなお耐火構造かどうか確定できなかった場合には、再度の資料提出命令等や、消防と建築部局による実況見分で確定させるということでよろしいでしょうか。
 二つめが、防火対象物の構造、面積等について台帳に記載している情報を鵜呑みにしたところ事実誤認であり、消防用設備の設置義務があると誤って判断し、行政指導により設置させた場合、強制力の有無とは別問題として賠償責任を負う可能性があると考えておりますが、①「正確性は調査中ですが、現在消防が把握している事実によれば、設置義務が生じます。」と説明していた場合、②「設置義務があります。」とだけ説明していた場合、③「設置しないと、公表します。」と説明していた場合、④ 実際に違反対象物として公表した場合の①から④までのケースについて、損害賠償責任を負う可能性についてはどのように理解しておくべきでしょうか。

 

消防計画に基づき消防法第8条第1項の防火管理業務が行われていないときには、同条第4項により必要な措置をとるよう命令することができます。しかし、消防計画の内容は法令の基準などと異なりそれぞれの防火対象物によって違った内容になっていると思うんですが、こうした状況を前提にしますと、消防法第8条第4項で措置命令を出す前に、消防計画の内容が適正なものかどうかを再検討しなければならないと思うのです。どの様に考えるべきでしょうか。

 

消防法上の各種命令には、「消防長また消防署長が……と認めるときは、……を命ずることができる。」との形式で、命令権限を付与する規定が多いのですが、こういう命令を発出する場合には、命令書の中で「……と認めた」こと自体の内容について相手方に示す必要があるように思うのですが、如何でしょうか。

 

違反処理に関する書籍の中には、消防法上の各種命令違反を「抽象的危険犯」と解説されているものもありますが、これで間違いはないのでしょうか。

 

現在、消防機関では違反防火対象物の公表制度が条例化され、実施されていますが、一定の消防用設備等の設置義務違反が認められ、その結果を通知した日から14日以上を経過した日から公表されることになります。この場合の「通知」行為というのは行政処分に当たるのでしょうか。

      


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