雑誌・近代消防 連載の
考えながら学ぶ違反処理法学
-迷ったときの違反処理ナビQ&A-
第23回に寄せられた質問
第23回 平成26年(2014年)4月号〈3月10日発行号〉 掲載分
《Q177》
消防法第12条の3の規定に基づく緊急使用停止命令は、どんな時点をもって解除されるものなのでしょうか。現実にこの緊急使用停止命令が発動された事例をみると、随分長い期間にわたって命令が継続されているケースもあるようですが、こうした運用は適切なのでしょうか。
《Q178》
違反処理によって適宜適切に各種の措置命令を発出し、法令違反等の改善を図っていれば、勿論、消防に対する規制権限不行使の責任追及を受けることはないと思うのですが、実は最近、措置命令を発出しておくと当該命令の公定力によって賠償責任を受けないのだという見解が見られます。これまで、損害賠償に公定力は及ばないと聞いていたのですが、どうなのでしょうか。
《Q179》
違反処理に関連して質問があります。
先ず、1つ目は、消防法による命令の公示をする際、「消防法による命令の公告」としてA3の標識を掲示することとなっていますが、公示の主体の表現として、行政庁名の他に、氏名に記載及び公印を使用する必要性はあるのでしょうか。例えば、危険物保安法令研究会の違反処理マニュアルにおいては、氏名・公印がありますが、政令指定都市などでは違反処理規程で省略しているところも見受けられます。
次に、2つ目ですが、一次措置として警告書を交付した際の履行期限とその違反に対する二次措置として命令書を交付した際の履行期限は、同じ期間とする必要性はあるのでしょうか。消防機関が警告する際の履行期限を十分過ぎるほどの長さに設定しているような場合、その二次措置の履行期限は、警告の履行期限の長さを考慮して、短くすることはできないのでしょうか。
《Q180》
消防法第5条の2の防火対象物の使用禁止、停止又は使用の制限の命令は、消防法第5条第1項、同第8条第1項、同17条の4第1項などの命令とどの様な関係にあると考えるべきなのでしょうか。分かり易く教示ください。
《Q181》
危険物の無許可取扱い違反があったことから危険物製造所等の設置を促し、当該施設の完成検査を終了し、基準に適合していると認められたところ、設置者から危険物製造所等の設置工事過程で請負契約が誠実に履行されていない事実が発覚したため請負業者を相手どって請負代金の返還訴訟を提起するので、先の法令に適合している旨の完成検査済証が邪魔になるから取消して欲しいということで、完成検査取消しの異義申し立てが行われた場合、どう対応すべきでしょうか。
《Q182》
防火対象物に消防用設備の設置義務違反があるため、これから違反処理に移行していくに当たって、この防火対象物の所有関係を調べてみたところ、登記は個人が所有者になっていましたが、実はその親族が代表取締役をつとめる会社に既に贈与してある事実が判明したような場合、以後、誰に対して当該消防用設備を設置させるように対応すればいいでしょうか。
これについて一部には、民法第177条の規定によって、登記名義人に対して違反処理を進めていくべきだという意見もあるのですが、どの様に考えるのが妥当でしょうか。
《Q183》
建築確認を受けてその後事情の変更がない防火対象物に対しては、消防法第5条のただし書きによって措置命令を発出することはできませんが、通常は確認を受けて建築されるのが殆どですから、現実に、消防法第5条の規定に基づいて措置命令を発出できるケースは殆ど無いのではないかと思います。この5条の措置命令は無確認などの極めて例外的な防火対象物に発出されることが想定されているのでしょうか。
回答は、
近代消防平成26年(2014年)4月号〈3月10日発行号〉に掲載
〈カラーグラビア〉
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■ | 第60回文化財防火デー 全国各地で消防訓練 私達の貴重な財産・文化財を火災から守れ! |
■ | 多数傷病者発生時における港湾救助救急訓練/ |
■ | 平成25年度全国合同婦人防火連合総会/宮崎県女性防火クラブ連絡協議会設立/少年消防クラブ指導者交流会 |
■ | 愛知県警察本部機動隊と大規模災害震災対応訓練/第18回「震災対策技術展」横浜-自然災害対策技術展- |
■ | 【ファイヤートピックス】 |
福島県消防防災航空隊/松戸市消防局/相模原市消防局/福井市消防局/茨木市消防本部/中吉野広域組合消防本部/有田川町消防本部/丸亀市消防本部 |
《社説・消防評論》 火山島を襲った大規模土砂災害 | |
■ | 〈特集〉東日本大震災から3年① |
大震災から3年、皆さんはどのように関わり続けていますか |
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東日本大震災から3年に寄せて―。 地震・津波対策のあり方を考える③ | |
地震による崩落事故の刑事責任と規制の背景 |
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東日本大震災の津波ゴミ中の廃消火器の回収事業の苦労話 |
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■ | 平成25年版消防庁補正予算及び平成26年度消防庁予算案の概要 |
■ | 平成25年度埼玉県特別機動援助隊(埼玉SMART)合同訓練を実施 |
■ | 「小学校のぼうさい探検隊マップコンクール」にて 東月寒消防少年クラブが消防庁長官賞を受賞した |
■ | 消防に国境なし 海外での活動に挑戦 -JICOのシニア海外ボランティアとして、コロンビア共和国・メデジン市で活動する伊藤義博さんに聞く- |
■ | 消防法施行令の一部を改正する政令等の概要 |
■ | 「平成25年版 救急・救助の概要」の公表について |
■ | 平成26年度地方財政計画の概要 |
■ | 全国消防最前線(76) |
第19回全北九州消防親善綱引大会 第11回関東地区消防職団員綱引大会 |
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■ | ガスコンロを起因とする火災防止に向けた安心高度化ガス器具普及開発研究会の活動 一般財団法人 日本ガス協会 安心高度化機器普及センター - |
〈時の視点〉家庭の事故に注意 ~救急データから見た安全対策~ |
= 連 載 = |
■予防よもや話④ ・防火対象物の規模の把握について (その1) |
■救急活動事例研究⑩ ・日本最大級の竜巻を体験 -つくば市消防本部 |
■特異火災原因事例シリーズ⑯ むずかしい火災調査とわからない火災調査 -茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部- |
■国際消防防災事情(421) ミャンマーの消防事情 |
■考えながら学ぶ違反処理法学 (23) |
■今さら聞けない資機材の使い方 〔第13回〕空気呼吸器 |
■ 気象災害から学ぶ(63) 偏西風の蛇行と異常気象 |
■ 歯医者さんが教える歯と口腔の健康管理(33) 酸触歯について |
■ 守り人(24) |
■ 〈災害史探訪〉(76) 桜島大噴火から100年(その2) 「住民ハ論理ニ信頼セズ」 |
■ 消防・防災雑感 消防庁長官としての体験を中心に⑬ 激増する救急需要への対応 |
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■ 安全・安心の窓(11) ソフトからの強靱化 |
■ 私のページ(75) |
■ ファイヤーファイターに贈る接遇道(30) |
■ ファイヤーダイアリー2014 (41) |
■ 最近の災害(平成26(2014)年1月) |
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■ 最近の主な通知〈平成26年1月6日~1月31日〉 登載通知=移動タンク貯蔵所等に対する立入検査結果について(平成26年1月6日 消防危第1号)ほか |
■ 昇任試験実力養成講座〈解説つき〉 No.565 さらに充実した問題 =共通(消防士長・消防司令補)、消防司令、小論文(消防司令補用) = |
■〈解説つき〉予防技術検定模擬テストNo.70 -共通、消防用設備等、防火査察、危険物- |
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