【2024年3月4日加筆しました】
テリィという人物は、いがらし先生の絵と共に性格も漫画のイメージで完成されていると思います
しかし、漫画版と小説版では、テリィを描いた人物が違うので、微妙に違います。
では実際に、どんな風に違うのか、比較したいと思います。
まずは漫画のテリィ
破壊系テリィ![グー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/104.gif)
![ドンッ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/280.gif)
ビシッ!! ピシ!
ピシ―ッ!!
並べると、すごく荒っぽい奴に見えますね
「(連載当時)乱暴者で情緒不安定なテリィが嫌いだった」
という意見を何度か聞いた事がありますが、分かる気がします。
でも
不良ではありません
数年前名木田先生は、あるインタビューでこのように答えています。
テリィは純粋な心をもった いい子ヨ
純粋な いい子
純粋な いい子
純粋ないい子
では、本当に純粋な心を持ったいい子なのか
検証スタート!
エレノア・ベーカー
母親の家を訪ね、中に招き入れられた直後言われます。
「もう来ちゃダメよ」
傷ついたテリィは、その足で帰国します。
そして・・・
泣きます
純粋です
この部分、ファイナルではこんな感じ↓
エレノア・ママは人目につかない映画のセットの裏にテリィを引っ張っていき、大金の入った封筒を握らせます
「お願いだから、直ぐにロンドンに帰って!(中略)
ああ、あなたと別れる時あんな写真なんか残すんじゃなかった」上巻327
あんな写真
キャンディがテリィの部屋で見てしまった写真です。
【死んじまえ!】と殴り書き。
見てしまったキャンディに、動揺のあまり恫喝めいた言葉を放ったテリィですが
冷静になった後
「(キャンディを)責める資格なんて無い、破り捨てることが出来なかった自分の気持ちの方が憎い」と言っています。
優等生です
私なら、怒ります
何で窓から勝手に侵入し盗み見てるんじゃ
何気に、漫画より厳しい事を言っているエレノア・ママ。
テリィの悲惨度、増しています
グランチェスター公爵と夫人
「オホホホ・・・もう帰ってこないと思っていたのに、やはり、アメリカの下品な女の血が混じっている子のすることだわ」
この豚女ッ!
このような言葉を浴びせられるテリィに対して、父親である公爵は
無言です。テリィを庇いません。
この部分、ファイナルではこんな感じです↓
テリィの名ばかりの義母は、ことあるごとに彼をあざ笑い、さげすんだ。
まるでそれが生きがいでもあるかのように。
豚女は言います
「アメリカなんぞの卑しい、下賤な女の血を受け継いだ子のすることですわ」
弟や妹は
まるで汚れた者でも見るような眼差しを向ける。
父親は
テリィと目を合わすことさえしない。自分のしでかした大きな過ちを認めたくないのだ。上巻326 父親にとって、振り返りたくない人生の汚点なのだ。下巻100
さらにさらに
「どうせグランチェスター家を継ぐのはおまえではないのだ」
グランチェスター公の高笑いが今も耳にこびりついている。下巻101
虐げられているテリィ
旧小説では
愛を貫けなかった父、エレノア・ベーカーとの恋をひた隠しにしている父。復刻版363
という表現にとどまり、父親がテリィを蔑むような文はなく、継承問題にも触れていません。
ファイナルのテリィは、漫画や旧小説より
悲惨です
テリィが孤独を深めた時、キャンディに出会います
メイフェスティバル
アンソニーに嫉妬したテリィは、自分の方を向いて欲しいとキャンディの唇を奪います。
その後こんな感じで・・
ちなみに、旧小説版ではこんな感じでした。
テリィはキャンディを引きずりながら歩きだした。(中略)
「いやあ!」
泣きわめくキャンディを、むりやり馬に乗せるとテリィはさけんだ。
「行くぞ!セオドラ!全力疾走だ!」
途端、風を切って馬は走り出す。
キャンディはテリィにしがみついた。復刻版315、316
ほぼ漫画と同じです。
はい、パワハラ野郎です
しかし
ファイナルでは次のように変わります↓
テリィはキャンディを肩に抱えると、大股で歩き出した。(中略)
自分用の厩に入っていく。
「テリィ・・・」
涙で目が開かない。いや、馬が怖くて目が開けられない。
「じっとしているんだ」
テリィはおもいのほかやさしく声をかけると、キャンディを馬の上に押し上げ、自分も飛び乗った」下巻30
漫画と全然違う。。。
キャンディを肩に抱えているんですね
その後も、キャンディを投げ飛ばしたりしません。
馬に乗せる時も優しい。
紳士です
その後も、やさしい
ファイナルのテリィは
「手荒いことをしたけど、謝らないよ」下巻35
って言います
謝らないよ、って言われて、・・と、なるのもどうかと思いますが。
旦那に言われたら逆切れ間違いなし
スコットランドで
漫画のテリィは、部屋に招き入れたキャンディを眺めているだけです。
この部分、旧小説版ではこんな感じです↓
テリィの手がそっとキャンディにのびた。が、手はキャンディの髪を、ゆるやかにすくっただけだった。復刻版357
(´・ω・)ん?
テリィ、キャンディの髪の毛をすくったのね~
更にファイナルはこうです↓
時が止まったようなその瞬間、テリィの指がふいにキャンディに向かって伸びかけ――ハッとしたように、途中で下ろされた。下巻87
テリィ、寸止めです
ピュアです
退学を決意した時
ステアとアーチーが部屋に来てテリィに詰め寄りますが、テリィは「出てってくれ」と追い出し、窓をガシャーンと割って、「あいつを守ってやるのはおれだ!」
と決心します。
・・・やっぱり、ちょっと激しい気性ですね
この部分ファイナルではこうです↓
ステアとアーチーと冷静にキャンディを救う方法について話し合っています。
「キャンディには幸せになってもらいたい」というステアの言葉を聞いてテリィは思います。
下巻121
テリィは光る眼を上げた。
(幸せになってもらいたい?・・おれは願わないぞ!おれは・・幸せにしたいんだ!)
テリィは決心したように肩で大きく息をした。
「あいつの事は・・心配しなくていい。おれが守る!」
言うなり、テリィはバルコニーに飛び出た。(中略)森の中に消えていった。
なんという事でしょう~
テリィは、カーテンも破いていなければ、窓も割っていません
ステアとアーチーにしっかりと決意表明してから、バルコニーから飛び降りキャンディの所に向かいます
超男らしいです
このように比べると、ファイナルのテリィの方が、不遇で純粋で誠実なのです。
そのように書き直したんですね、名木田先生は。
テリィは昔から【野蛮な不良】と言われることが多いですが
私はそうは思わないよ・・?と思ったので、記事にしてみました
ファイナルの発行にあたり、名木田先生は次のように語っています。
「キャンディスが【さまざまな苦難を乗り越え(そうなのよ!)、いちばん『愛しているひと』と穏やかでしあわせに暮らしている】ことを最後にお話ししておきたかったのです」
これ、本当は
キャンディではなく、テリィは、って言いたかったんじゃないか
と、最近思えるんです
※テリィファンの個人的な意見です
では、最後に
漫画とファイナルのテリィの最大の違いをご紹介します
学院で初対面のこのシーン
土足で石原裕次郎ポーズ
神聖なる礼拝堂の机ですから、イケませんね
ですが
ファイナルでは次のように変更されています
上巻265
礼拝堂の机に腰をかけ、腕を組んで生徒たちをバカにしたように見下ろしている
ちゃんと座っています
進歩です
このテリィのポーズを再現するなら
こんな感じです
※フォロワーのAさんのブログから許可をとって掲載しました。
あ~・・テリィは
大根になっても、どこか色気がありますね←完全にイカれてます
お読みいただき、ありがとうございました
(・W・)(・G・)
©momoko
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※このページの実際の公開日は2022年9月です。