『どうする?』
我々3人はホテルの部屋へ戻って”軍団”からの誘いについて話し合っていた。
軍団のメンバー”ヒゲ”がよこしたケータイ電話の番号を書いた紙片を見ながらヨシローが云った。
『どうするも何も、取り敢えずは連絡してみるしかないだろう。アイツらだって他所から旅で来てるんだから、打つなって云われる筋合いじゃねえしな』
『イヤ、そこまでは云わんだろう。もしも、俺達を追い出す気なら最初からそうしてるだろうし、ココは額面通り話し合いって考えていいんじゃないか? 確か”話がある”そう云ってたんだよな、キョウスケ?』
タクミがベッドに横になりながら顔だけこちらへ向けて云った。
『うん、確かに。しかし、豪(えら)く上から目線って云うか、横柄って云うか・・・。どうも不穏な感じだったけどナ』
『まあよ、取り敢えず連絡してみてからの話だな。後はアイツらの出方次第で考えるしかあるまいよ』
そう云うとヨシローは、ケータイを取出して紙に書かれた番号へかけだした。
すると、まるで待っていたかのようにスグに相手が出た。
『あのお、さっき電話番号もらって・・・いや、そうじゃなくて、そいつは仲間で、俺は・・・』どうやら向うはヨシローと僕を勘違いしているようだ。
『ええ、そうです・・・判ります、判ります。こっから20分ぐらいっすねえ・・・んじゃあ、ちょっと仲間と相談してからでイイっすか?ええ、また折り返し電話しますんで、じゃあ』
電話を切ると、ヨシローは緊張の解けた表情で云った。
『えらく、フレンドリーなカンジだったな』
どうやら、向うは自分たちの泊まっているホテルで晩飯でも食べながらどうか?と云って来たらしい。
『どうやら、そんなに敵対意識を持ってるワケじゃあなさそうだな。しかし・・・』
タクミは今一つ腑に落ちないといった様子だ。
『意外とアイツラもコッチのことを警戒してんのかもしれないぜ!?』
ヨシローは気が抜けたといったカンジで水をゴクゴクっと飲むとオドケタ表情で云った。
確かに”食事でもしながら”なんてズイブン気の抜けた話だ。が、ヒゲと会った時に感じた何とも云えない不快感が、不安感が、僕の中でどうしても消えなかった。
だが、この状態では、出向いて行くしかないのだ。
コレが相手方の事務所とか云うのなら我々も警戒して出向いたりしないが、場所は街中のホテルなのだ。
敵地に乗り込んで行くのはあまり得策とは云えないが、まさか、いきなり捕って食われるわけでもあるまい。
そう考えて、我々3人は”食事会”へ出向くことにした。