赤髪のアタリに触発されたのか、他の面子もチラホラとアタリを引き出し、開店から1時間も経つ頃にはほぼ全員が連チャンモードのお祭り状態になっていた。
”ほぼ” と言ったからには未だアタリを引けていない奴が居たワケだが・・・それが何を隠そう私だった。
いくらパワフルとは言っても、朝一であれば初当りは約190分の1のサービスモードになっている(通常は360分の1)
1時間も打てばマア当るハズなのだが・・・
間の悪い時と言うのはあるもので、その日の私がまさにそうだった。
午前中3時間、全くウンともスンとも言わないのだから・・・
パワフルは時間2万は喰うので、その日の私は昼ごろには約6万の赤を背負っていた。
これが連チャンを採りそこなったとかならマダ納得も行くが(実際はそれはそれで納得いかないだろうが・・・)、そもそも初当りが来ないのだから仕方がない。
私は気分転換にと思って席を立ち、店裏の駐車場で一服することにした。
時刻は午後の1時を少し回ったところだった。
『よっ、大将』
後ろから声がしたので振り向くと、ヒゲだった。
『エンジンがナカナカかからんみたいやね』
奴はそう言いながら、缶コーヒーを差し出して続けた。
『今丁度飛ばしてしもた(注)ところやし、良かったら札(休憩札)入れて腹ごしらえでもどないや?』
(注・・・飛ばす→連チャンモードから通常モードへ転落してしまうこと)
呉越同舟とばかりに意識していたヒゲから誘われて少し戸惑ったが、他のグループの人間と話をするのも良い機会だと思い、私はヒゲと一緒に近所の喫茶店へと向かった。