パワフル15~そして、ゴールへ・・・ | 体感器を背負った面白いヤツラ~パチンコ・攻略プロ達の青春回顧録

体感器を背負った面白いヤツラ~パチンコ・攻略プロ達の青春回顧録

1990年代バブル経済末期、世間の流れとは関係の無い処で暗躍していたネタプロ(攻略プロ)達のアップダウンな日常風景

パワフルのシマでは、常にフラッシュが走り、コーナー全体に金属音が鳴り響いていた。


誰かが権利を消化し終われば、又誰かの権利が発生する。


さながら、大当たり権利を皆でバトンタッチよろしくリレーしているようだった。


私からタクミへ、そしてヨシローへ、かと思えばシゲが、赤髪が、メッシュが、もちろん(本編では活躍していないが)地元のプロも。


まるで皆が1つのオーケストラの様だった。


ついさっきまでの感傷的な気分など吹っ飛んでしまい、私は狂ったようにアースタッチを決めて行った。


一体どれ位連チャンさせただろう・・・


何度もドル箱をカウンターへ交換しに行き、足下には特殊景品が山積みになっている。


ザッと計算しただけでも一人頭、18~20万円ほどは抜いていたんじゃなかろうか。


出遅れた私でさえ、なんだかんだでプラス15万円オーバーにまでなっていた。


赤髪に至っては、見当もつかない。


時刻を見ると、夜の9時過ぎ。


閉店までは後1時間30分(その地域は夜10時30分が閉店だった)あるのだが、沢井から ”終了” の伝言が入った。


どうやら店側から泣きが入ったらしい。


7人全員に90分間フルで抜かれたら、ゆうに40万円はいく。


”もうそろそろ勘弁してくれ”


そういう事らしかった。


それほどあの時のラストスパートは異常だったのだ。


私たちは全員、連チャンモード中の台を空けて、玉を流した。


【その空いた席に、さっきまで物欲しそうに観ていた一般客が座ろうとしたのだが、店員がパワフルの電源を落としてしまったのはやや気の毒だったが・・・】


皆、興奮して顔が上気していた。


店裏にある換金所に並びながら、皆口々に今日1日を振り返っていた。


火照った顔に夜風が心地よかったのを覚えている。


換金を済ませた者から順次、車に乗り込み、我々は沢井の指示で宿へと帰った。


【TVやそのテのDVDでは、一仕事終えた後は夜の街へ繰り出して・・・という件になることが多いが、実際には大金を抱えている関係上、当日は宿へ戻ることが多い】