旅はこういうお店に出会えるから楽しい。

先日訪れた那須に『手作り那須のぎょうざ屋』という、なんとも潔い名前の餃子屋さんがあった。

場所は山奥も山奥、釣り堀の真横に併設されているのだが、その釣り堀が『つれないつり堀 つり天国』という、どないやねんなネーミング。

放流はしてるが野生化してかなりのサイズらしく、素人じゃ釣れないとか。故に来てる方はみんな自前の釣竿とルアーの玄人はだし。それでも1日坊主で帰る人もチラホラいるとか。釣りよりもゆっくり流れる時間を楽しむ場所のよう。

話を戻すと『手作り那須のぎょうざ屋』が本当に素晴らしかった。メニューは「手作り餃子」「チャーハン」「ソース焼きそば」+ドリンクのみ。

釣り堀の横の食堂、なんとなく適当に腹ごしらえになるものを出すお店なのかなと思いきや否。豚は那須三元豚、野菜も全て栃木産(季節により国産)、お米は那須ひかり、焼きそば麺は菊池市郎商店と、全て地元に誇りを持ち、地産地消にこだわったお店だった。

餃子は丁寧な手包み。ドーム型のステーキカバーで蓋をし、鉄板で蒸し焼き上げる。肉7:野菜3くらいの割合の餃子だが、一口サイズなのでしつこくない。肉肉しい餡と卓上の味噌たれ&自家製食べるラー油と相性バッチリで、これだけ素材やタレにこだわって手作りで250円。

年季の入った中華鍋であおられたチャーハンは、なつかしくも家では出せない香ばしい味。カニカマが◎。焼きそばは、帰りの車で食べようとテイクアウトでパックに入れてもらったのに、あまりの良い香りに誘われて食べてしまって、これまた地元の製麺所の麺も具の豚肉も素晴らしき。これでともに300円。

釣れない釣り堀の横にある食堂は、暖簾も手作り餃子も手作り、釣りに興味がない方にも訪れてほしいお店。
それが『手作り那須のぎょうざ屋』。