先日、とある番組から…

『2019年末に閉店した伝説の餃子屋、田町「名前のない餃子屋」の餃子を再現して欲しい。おかみさんが〝お店をやめたから私は出られない。クックさんに作り方教えたからクックさんなら作れるわよ(笑)〟とおっしゃってる。』

と連絡がありました。

確かに聞いたけど製法やレシピの全てを聞いたわけではない。でも、おかみさんがそう仰ってくださってるなら…

『試作を繰り返してやるだけやってみます!』
(ハードル高!でも、頼まれごとは試されごとやー!)

結果的には、その企画自体がなくなってしまったので番組出演はなくなりましたが、とても良い機会をいただきました。

皮、餡…、向き合ってかなり近しい餃子に辿り着きました。

まだまだで、もちろん全く同じものができるだなんて思っていません。
でも、おかみさんが少しでも僕を信頼してくださった事が嬉しいです。

おかみさんと僕は、もちろん最初はカウンターを挟んでの、単なる店主とお客という間柄でした。
でも、たまたま僕が出演させていただいていた、ニッポン放送『渡部陽一 明日へ喝』「クック井上。こころメシ」(ゲストさんの人生を支えたご飯を聞くラジオコーナー)をおかみさんが毎週聴いてくださっていた事がきっかけで、普段は取材拒否のお店だった「名前のない餃子屋」を取材させていただきました。




人生、自分の力だけでは無い色んな力に支えられて思いもよらぬ事からご縁が繋がり、そしてそこから数年して又こんな有難いご縁をいただきました。

おかみさんの作った餃子が食べたいけど、それは叶いません。
あの空間に想いを馳せつつ、おかみさんの気持ちを有難く頂戴し、餡の量や皮とのバランスを見直してあの味に近づこう。