KATANA カタナ/服部 真澄

¥1,995
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経済小説???帯の推薦人が手嶋龍一さんと池上彰さんなので。
民間軍事ビジネスの行く末、戦争請負会社が次に狙うのは。
殺傷能力が無い銃です。
近い将来、こんな技術が開発され、人々は銃によって殺し合う事を
忘れる世界が訪れるのでしょうか。

そもそも銃の無い世界、正確には一部の人を除きほとんどの国民は
銃を持たない世界、それは日本です。
日本では昔、刀狩りが行われました。
タイトルはそこからきています、カタナプロジェクト。

舞台はアメリカ、従来の銃から新しい銃へ大統領の決断が
世界を大きく変えていきます。
しかし、そこに至るまでの過程と秘密、消される関係者、
これまでの戦争の裏側、政府が介入できない地域の紛争にアメリカが
使った手段、それが民間軍事企業への発注。
決して世間には触れられることのない事実が明らかに。

ホッジスという記憶を失った男の行動が、アメリカという大国を
動かしていきます。
アメリカの経済の仕組み、文化を的確に描き、近未来を予想する
物語は妙にリアルでした。
いつか、こんな世界が訪れるのでしょう。


悪貨 (100周年書き下ろし)/島田 雅彦

¥1,680
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前置きが長いので、何の物語なのか分からなりそうですが、
読み続けていくと、その意味が分かってきます。
ホームレスが100万円を拾うことが、後に中国と日本、
政府間どおしの問題にまで発展する展開、壮大な物語です。

キーワードは偽札、しかし真札と見分けがつかない、
一旦金融機関に預けてしまえば、ATMなどで引き出せば
本物、真札になっている、究極のマネーロンダリングです。

そんな技術を持つ男はなかなかいません。
不運にして印刷会社が倒産し無職となった印刷職人、
そしてもの凄い集中力で本物と偽物の違いを見つけ出す
その能力は、これも不運な出来事から開花した一人の男。

中国で日本を買い取ってしまおうと画策する人物、
その男に拾われた日本人。
男を追う警察官の女性。
本当に多くの登場人物が出てきます。

偽札の流通は日本の国際的な信用を失墜させ、日本は
ハイパーインフレという急激な物価高に陥ります。
無策で支持率と自分の地位しか考えない内閣が
真相を知った時にとった行動は驚きます。

物語のラストもイヤな終わり方です。
がっかりするとともに、現実として起こりうるかもしれないと
思ってしまうのでした。
現在の日本に対する警鐘がこめられているような作品です。




明日の約束 おいしいコーヒーの入れ方 SECOND SEASON 2 (集英社文庫)/村山 由佳

¥400
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毎年この時期1冊だけ、テーマからかけ離れた作品です。
すいません、でも、楽しみなんです。

いよいよSecond SeasonⅡに突入です。
ようやく結ばれた勝利とかれん、くすぐったいような
恥ずかしいような、とてもほのぼのした気分になれます。
今回は、風見鶏のマスターにも大きな変化があります。

いつも経済や企業、警察小説ばっかり読んでいると、
年に1度この季節に読むこのシリーズは私にとって癒しです。
毎回どきどきしながら2人を見守る保護者みたいな気分で
楽しませてもらっています。

そして、かれんや勝利の言葉にすっかり感心し、納得する
自分がいます。
時々読むのがいいのでしょうね。
今作もとても面白かったです。


特殊防諜班 最終特命 (講談社文庫)/今野 敏

¥630
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とうとう完結編です。
このシリーズも最後の決戦の時がやってきました。
真田の突然の解任、一方で芳賀一族抹殺へ最終攻撃を
仕掛ける新人類委員会。

日本人とイスラエル人の共通項、今回も様々な点が
関係を裏付ける証拠として書かれています。
本当に驚くべきことがありました。

今回の作品では、説明のくどさというか、とにかく長いので
今までより少し強引に話しを展開していく感じがしました。
それでも、戦いのシーンはリアルで読み応えあります。

出雲に集結した真田たちが目にしたのは。
抹殺だけではもの足りず、日本を壊滅状態にしようと企てる
新人類委員会。
意外な結末に、ラストまで一気に読み終えてしまいました。



世田谷駐在刑事/濱 嘉之

¥1,785
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街のヒーローです。
駐在さんは、実は警部補、そして暴力団捜査のエキスパート。
世田谷の高級住宅街、そこにある駐在所、山間部や郊外と
違いセレブや有名芸能人、様々な人々がいるこの街で、
主人公の小林健、41歳が大活躍します。

彼は、暴力団の構成員なら誰でも知っている「鬼コバ」と
呼ばれる元刑事です。
彼の捜査能力は高く評価されていました。

彼の日常と過去、部下の殉職、そして結婚と人生が描かれています。
そして検挙率は抜群、地域住民にも愛されるという完璧な
ヒーローです。
ラストには感動のシーンもあり、短編連作でもあるのでドラマ化
してもいいのではないかと思いました。

こんな駐在さんが近くにいれば安心です。
とても面白く読ませてもらいました。