烈日―東京湾臨海署安積班/今野 敏

¥1,680
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ドラマも好調な安積班シリーズ、ドラマでは神南署が
舞台ですが、こちらは既に東京湾臨海署に移っています。
そして、ドラマからの小説に登場するのは女刑事、水野真帆
ドラマでは、黒谷友香が演じていますが彼女をモデルに
そのまま小説に飛び込んできました。

今回は、8つの短編連作で安積班が更に成長します。
水野が入ったことで部長刑事が3人になり、安積らしさも
少しずつ変化していくところが見物です。
本人がいくら否定しても、安積の子供っぽい真すっぐな
姿勢に仲間が、その期待に応えようと必死で頑張る姿が
読み手に安心感を与えます。

それぞれの登場人物が主人公となって、その視点にたった
見方、思いが描かれています。
安積から見た安積班と、村雨や桜井たちが見た安積班、
気持ちに違いがあっても安積班を支え犯人を検挙するという
一つの目的が強い絆を生み出すのでした。

今作もあっという間に読み終えてしまいました。
次作の出るのが楽しみになる面白さでした。


アリアドネの弾丸/海堂 尊

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バチスタシリーズ累計850万部突破だそうで。
最近は、ドラマ化されたり、裁判沙汰で本名が出たりと
有名になるといろいろありますねぇと言った感じがします。

今回は、久々に田口・白鳥コンビの最新作です。
いよいよ具体化してきた死後の画像診断、舞台となる
東城大学病院ではエーアイセンターの建設が決定、
そのセンター長はよりによって高階院長の命により、
主人公、田口がなることに。
物語のスタートです。

今回は、病院内で発砲による殺人事件も発生、容疑者は
なんと高階院長、真犯人が判っていてもたどり着けない
完璧なトリック、厚労省の白鳥も参戦し真犯人が存在すると
いう証拠を確実なものにしていきます。
いつもの白鳥節、議論していくうちに訳がわからなくなります。

どきどき感もあり、今まで以上に展開がはやく
とても面白かったです。
ラストシーンは今後の物語の始まりになる事実が判明し
次作も楽しみです。
田口・白鳥のコンビは、このシリーズでも一番面白いです。



新・青年社長 下/高杉 良

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さて、下巻です。
渡邉氏の夢は、どんどん大きくなっていきます。
海外進出の次は、病院経営に学校経営、海外での
学校建設のためのNPO設立と、ますます大きくなる
一方です。

渡邉氏の経営手法、彼の交渉術、様々な分野でどれも
夢を実現するために指導力を発揮し会社を発展させ
社会への貢献をも成し遂げる姿が描かれています。

社長から会長になり、今後の行動も注目されますが
最近では大相撲の不祥事を受けて、その改革の委員に
選ばれたりと本当に多方面で活躍されていますね。
すごい人です。

それにしても、この作品は当時の新聞などの引用や
解説にページをたくさい割いていて、まあ、実在し
まだ活躍されている渡邉美樹氏を実名で描いているので
どうしてもこのような構成になってしまうのでしょうが、
やはり経済小説としては、もう少し刺激があるというか
展開のドキドキ感があったりすると面白いのですが、
無理ってものでしょうね。




新・青年社長 上/高杉 良

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青年社長の続編です。
というわけで、主人公は、前作同様に「ワタミ」の会長
渡邉美樹氏が農業に介護にと進出していく姿を描いた作品です。

上巻では、東証二部上場後、米国レストランチェーン
「TIG フライデーズ」との提携、フランチャイズではなく、
合弁会社でともにリスクをとろうという姿勢、渡邉氏らしさが
随所に出ています。

そして次の狙いは、農業、有機農場です。
安全な食材を和民グループの店で低価格で出す、
そんな夢を実現に向けて走り出します。
どんどん大きくなるワタミは、海外進出をも狙います。


ブルー・ゴールド/真保 裕一

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ブルー・ゴールド、青い金脈、すなわち水のことだそうです。
総合商社 葵物産の藪内之宏は海外の事業の失敗をすべて
押しつけられ関連会社のゴールド・コンサルタントに異動となります。
社長は、元葵物産の社員で伊比大介という強引に推し進める事で
成果をだしてきた有名な元社員でした。

今、ゴールド・コンサルタントが手がけている仕事、それは名水としても
有名な田舎町で、そこの清流を使った水ビジネス、工場誘致をする、
突然、彼らの計画を妨害する者が現れます。

すべてにおいて先回りし、巧妙に罠を仕掛けてくる、一体何者なのか。
そこには、総合商社1位の名前が。
水という資源を舞台にしたビジネスの駆け引き、謎解きをするような
展開がとても面白いです。

相手側の真の狙いは何なのか?
敵味方が分からなくなる話の展開に頭が混乱します。
巧妙に仕掛けられた計画は、やがて大きなものにぶつかります。

財源の乏しい地方の自治体にとって貴重な資源である水、
水に係わる利権構造、そこにもくい込んでいく藪内達がたどり着いた
真相は驚くべき内容でした。
展開の面白さと意外な真相、とても楽しく読ませてもらいました。