白日夢 素行捜査官2/笹本 稜平

¥1,785
Amazon.co.jp

行調査官の続編です。
元探偵の本郷岳志、定年間近の北本一弘、
二人の上司、警視庁警務部首席監察官の入江透が
今回も大活躍します。

今回は、1ヶ月前に退職した元潜入捜査員が自殺を
したことから始まります。
両親も亡くなり身よりがないこの元捜査員遺骨を
本郷達が引き取りに行くことになります。

彼の車には、覚醒剤が1キロ、トランクに入っていたのです。
単独犯なのか、入江達がそれぞれの得意分野で
調査をしていくと、とんでもない背景がぼんやりと
ですが判明していきます。

監督官庁の警察庁まで巻き込む大きな背景に
驚くとともに、本当の黒幕は誰なのか、何が真実なのか
本郷達は真実と正義のために追求していきます。

監察という組織、他の組織からは疎まれる存在では
あるものの、こういった組織がないとなあなあな
流れができ腐敗していくのでしょうね。

悪しき慣習とそれを劇的ではなく、できるだけスムーズに
変えていく苦労と葛藤がとても面白く、
あっという間に読み終えました。




リストラに乾杯!/汐見 薫

¥1,890
Amazon.co.jp

主人公、森山二郎が丸の内フェニックス銀行を突然
リストラされ人生で初めて挫折を味わうことになります。
なぜ自分なのか、他には誰が、と無意識のうちに
理由や他の仲間を求めるようになります。
そこで、しっかりと人生の再出発ができる人、ずっと
前職を引きずり新たな一歩を踏み出せない人がいます。

この物語でも、敬老会で私は元専務の○○です。
と、かならず前職、しかも役職をつけ、そのうち
その役職で呼び合う、そんな現実があります。

組織という後ろ盾が無くなった時、その人物の本当の
姿が見えてきます。
主人公の森山もそうでした。
ずっと過去を引きずり、なかなか踏ん切れない、
そんな中、地検からの呼び出し、銀行員時代に行って
きた強引な手法に目をつけられたのか。
実はそうではありませんでした。

失業後、旅行で知り合った弁護士の山室と再会し
再起のため、そして自分をリストラした人物への
決着をつけるため森山は再び蘇るのでした。

普通に仕事へ出かけ、いつものように仕事を、そして
帰宅する、いつもの習慣が突然途絶えた時、
人はどう行動するのか。
働く意味を問います。

逸脱/堂場 瞬一

¥1,785
Amazon.co.jp

目の前で人質の少女が殺害され、その犯人に向け
引き金をひいた主人公の澤村慶司、それからの彼は
最高の刑事になるため暴走しながら、自分を追い詰め
ながら走り続けてきました。

物語は、10年前に発生し未解決の連続殺人事件を
模倣した連続殺人、なぜか常に警察の捜査の先を行き
あざ笑うかのように、現場には挑戦状までが置かれて
いました。

最高の刑事になるため、その思いは常に捜査本部の
方針とぶつかり、その都度、捜査一課長の谷口が
庇ってくれていました。
今回も、方針の違いから、澤村は捜査を外され有給と
とり単独で捜査を続けるのでした。

そこに浮かび上がる人物、澤村自身の性格と酷似している
ことに気づいた澤村は、その直感力で犯人に一歩ずつ
近づいていきます。

予想外の殺害方法、そして警察への挑戦状、
いったいどんな関係があるのか、殺された手口は
何を意味すのか、次々に浮かぶ疑問を確実に解決して
いく澤村の捜査力が細かに描かれています。

過去のしがらみからの解放と事件の真相、犯人は誰なのか。
複雑に入り組んだ中から、光が舞い込み事件は
解決していきます。
とても面白い作品でした。


百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ/司城 志朗

¥1,785
Amazon.co.jp

破綻した老人ホームの後処理を巡る駆け引きが
とても面白い作品です。
その老人ホームは八ヶ岳の南東にある高原に
ネクストワールドという名の豪華な施設でした。
このネーミング、老人ホームにネクストワールドとは
何ともすごいです。

不況の煽りで元々の運営会社は破綻、引き継いだ
ところも逃げだし、銀行の管理下におかれ、いつ
閉鎖されてもおかしくない状況となっているなか、
約20人の入居者が帰るところも無く、住み続けて
いました。

そこに現れたのが、今回の主人公の2人、
橘秀次郎と大槻政太郎です。
彼らは、ここでは刑務所のことを中国といい
その中国での仲間、狩野から遺品である現金を
別れた妻で施設で働く介護士の井縫涼子に
届けるために訪れたことから物語は始まります。

破綻し資金の無い老人ホームで生きていくには
やはり悪いこともしないと無理、その悪いことに
かけては前科7犯の2人がしっかりと指導します。
行きがかり上、この施設をお金を出して手伝うことに
なった2人は、この施設が極悪企業のシンゲン・
プランニングに狙われていることを知ります。

そこから始まる逆襲劇が面白いです。
最初は街や施設を再生させる物語かと思い購入
したらなんと、こんな話とは。
想像とは違ったもののテンポよくとても面白く
読ませてもらいました。



ラブ&ピーナッツ/森沢 明夫

¥1,680
Amazon.co.jp

爽快で感動とはピッタリな言葉です。
主人公は32歳独身、大手レコード会社を退社し
ひとりで立ち上げたインディーズのレコード会社
スマイル・ミュージック社長の佐倉すみれです。

彼女のひたすら働き続け夢を掴もうとする姿勢、
裏切られても実力と幸運が舞い込むことで前向きに
突き進んでゆく、そして問題を解決する力には
驚きの連続です。

アーティストを見つけ出し磨きあげることは、
並大抵のことでは出来ず、ましてや社長1人の会社で
成し遂げるのは至難の業、しかし、すみれには
仲間がいます、皆が心配し協力し、馬鹿騒ぎする
一体感があるからこその成果だと思います。

そして仕事に夢中になるあまり、恋人の亮とは
すれ違いも多く、突然、すみれの前から姿を消します。
恋の展開も気になるところです。
読みやすく、感動も味わえるとても楽しい作品でした。