謀略海峡/水木 楊

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内容はどうなんだろうと少し不安に思いつつも買った一冊
ですが、読んでみれば、どんどん世界に引き込まれていく
面白い作品でした。

中国と台湾の関係がいよいよ平和的に解決かという情報が
主人公の元航空自衛隊員、東大介のもとに入ります。
しかも、東の恋人からの誕生日プレゼントとしてです。

東の今の身分は日本工作員として台湾で
情報収集をするスパイでした。
情報は彼の所属する財団法人にもたらされ政府や関係者に
伝わるのでした。

しかし、情報は偽物でした。
台湾のランドマークでもある「101」が爆破されます。
中国は一気にミサイル攻撃で台湾へ攻勢します。
日本は、アメリカからの台湾防衛のために作戦へ参加するよう
迫られ、一方で中国から台湾への加勢が認められれば
大都市をミサイル攻撃すると警告され、どうにも動けない、
政府は決断できず思考停止状態になっていました。

このまま台湾は中国の攻撃を受け続けるのか、
それとも何か秘策はあるのか。
情報戦の中で、緻密に計算された台湾の計画、
思わぬ展開、ラストは想像もしない行動で完結します。
とても細かな情報まで調べられていて、そのスケールの
大きさに驚くばかりです。



タワーリング/福田 和代

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またまた更新がペースダウンしてます、なかなか読む時間が…
さて、今回は、六本木ヒルズを題材にした作品です。

舞台は、六本木にあるウインドシア六本木という超高層ビルで
起こったビルジャックです。
地上50階、地下5階、自家発電を完備し既に一つの街と
化しているビル、そこを管理している
株式会社マーズコーポレーションは17階にあり最上階の
50階には一代で都心の不動産王となったマーズの社長、
川村章吾が住んでいます。

あらゆる最悪の事態を想定し作られたウインドシア六本木、
完璧なはずの超高層ビルにエレベーターから異音が発生する
トラブルがあり、そこからこの物語は始まります。

地下の防災センター、最上階の社長の部屋、そして社長の
川村自身が拘束されビルは完全にジャックされてしまいます。
犯人は無茶な要求を出し、それにひたすら対応しようとする
主人公のマーズコーポレーション企画事業部、船津康介達
社員、犯人の本当の目的は何なのか、
どうしたら完璧なセキュリティーを突破しビルを制圧できたのか、
綿密な計画と情報収集、犯人達の計画はすごいの一言です。
現実の世界で成功するかと言われれば疑問ですがね。

ビルの奪還、果たしてそれは可能なのか。
ビル内部の様子がよく分かり、そのリアルさにはびっくりです。
著者の福田氏のこれまでの作品イメージと少し異なる感じがして
それが逆に新鮮で、とても面白い作品でした。



ナニワ・モンスター/海堂 尊

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今回の海堂作品は今までと今までとは少し違う感じがしました。
新型インフルエンザが関西で発生したことから物語は
本題へ入っていきます。

そもそも弱毒性の新型インフルエンザ、空港で白い防護服を着た
検疫官が右往左往する姿や、なぜか体温計で一人一人体温をチェック
するのではなく、数百万円もするサーモグラフィのような装置を
新規で導入し空港へ設置したり、いたずらに不安を煽る突如
現れた大学講師のテレビでの解説、マスコミの報道もエスカレート、
国内での発生を食い止めるという命題は、関西最大の都市浪速で
海外渡航歴も無い小学生から発祥し崩れ落ちます。

病状は、すぐに回復するも、それでもなお弱毒性をひた隠し
浪速の経済封鎖を唱える大学講師の本田苗子、その本当の目的は何なのか。
壊滅寸前の浪速、なんとかしたい知事の村雨、そこに出てくる
のは、彦根先生です。今回も桜宮からは離れられないのでした。

霞ヶ関の陰謀と、浪速の日本からの合法的な独立、何かと話題の
時事ネタがふんだんに盛り込まれた作品です。
政治家の決断力、日本は破滅してしまうのか、これからの
日本という国のあり方、医療制度から見た鋭い指摘が
込められています。
とても面白い作品でした。





さらば銀行の光/江上 剛

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とうとう、江上氏自身が自身をモデルにした作品が出ましたね。
映画「金融腐食列島 呪縛」のモデルとして
高杉良氏が江上氏をモデルに当時の出来事を小説化
していましたが、いよいよ本人の小説ができました。

主人公、上杉健が子供の頃どんな生活をしていたか、
銀行員になると聞いた両親の反応、銀行の支店に配属に
なり先輩から教わった教訓、自分の信念、
長く勤めていると慣れと世間の非常識も常識となり
だんだん銀行の常識に流されつつあっても、何かの
きっかけで、初心を思い出し改めようと誓う上杉の
力が銀行を正しい道へ導いていきます。

横領、派閥、大蔵省との癒着、金融自由化の波に
もまれる中で、続いてきた隠蔽体質、
これ以上ないくらいに腐りきった組織を再生する
ために立ち上がる勇気を真っ正直に描いた感動作です。
1977年に入行し、1997年までの20年間を
振り返った激動の金融界で生きた男の物語です。
とても面白かったです。


ネットで生保を売ろう!/岩瀬 大輔

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新聞で紹介されていたので、早速読んでみました。
まったく知見の無い生保業界で起業した著者の
岩瀬大輔氏が経験した様々な出来事が綴られています。

岩瀬氏は、1976年生まれ大学に在学中に司法試験に
合格するも法曹界へは入らず、そのごハーバードへ
留学、MBAを取得、その際のブログが話題になり
起業のきっかけが生まれます。

様々な人脈と尊敬できる投資家、最大のパートナー
生保界では伝説の人となっていた出口治明氏との出会い。
そこから生まれたのが、話題となっている
ライフネット生命です。
独立系の生保として、常識を打ち破るネット販売という
手法で信頼を得つつあるのですが、ここまでの
道のりは厳しいの一言です。

資金と免許、開業までの道のりの険しさ、
開業してから契約者への信頼の獲得、生保はやはり
信用力がないと成功しません。
苦労話もたくさん書かれています。

挑戦すること、途中の様々な障害を乗り越え信念と
働く社員一丸となる姿勢、いろいろと参考になりました。
とても面白い作品でした。