極北ラプソディ/海堂 尊

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今回も面白いです、きっと賛否両論ある地域医療のあり方、
破綻した地域医療の立て直しの手段の一つだと思います。
前市長のハコモノ一辺倒で巨額の赤字を生み出し破綻した
北海道極北市、市民病院の院長、世良が次の行動にでます。
シリーズ第2弾は、隣の雪見市にある救急センターの
速水も大活躍な物語です。

ドクターヘリにドクタージェット、疲弊した地方の医療には
縁遠い感じのする2つの先端設備が地域を救います。
いくつもの物語を、完璧にリンクして進める構成には
毎回感心してしまいます。
人を救うという行為が立場によって全く異なる意味となり
どれも間違っていない事、答えがない難題に挑む世良達の
姿に感動してしまいました。

新たな物語の芽がいろいろな所に出ていて次作がとても
楽しみになる作品です。



人生に七味あり/江上剛

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読み応えのある作品でした。
何だか久しぶりの江上氏の長編経済小説です。

合併により関連会社へ出向を命ぜられた主人公の
樫村徹夫は、銀行の世界から全く違う飲食業の
会社の再建を担う物語です。

創業者が資金繰りに困り、フランチャイズの権利を
無秩序に売却し、そのまま会社を去った後、
精査すると債務超過状態に。
そんな会社を梶村は社長として従業員と一緒に
再建していきます。

極めてビジネスライクに交渉をすすめるも
従業員の熱意、そして夢を与えることで、なんとか
踏ん張っていく姿が描かれています。

人生、七味とうがらし。
うらみ、つらみ、ねたみ、そねみ、
いやみ、ひがみ、やっかみ。

心に響きます。
苦しい時にも、嘘をついたり、ごまかさず、
誠実に突き進むことができれば、味わい深い人生に
なるというお話です。
資金繰りと経営者のあり方、よくあるサクセスストーリー
とは違う、苦悩と喜びを描いた面白い作品でした。




越境捜査3 破断/笹本 稜平

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アメーバで不正アクセスだそうで。
私はひとまず被害にあっていないようなので
ブログを更新します。

越境捜査シリーズも第3弾になりました。
ドラマ化も決定し、テレビ朝日系とぴったりな
感じですね。

今回は、とうとう公安警察との戦いとなります。
刑事警察の鷺沼、宮野達が縄張りなく全国で
まとまっている公安警察と戦う、警視庁の鷺沼と
神奈川県警の宮野とそれだけでも犬猿な関係なのに
果たして勝負はどうなるでしょう。


大物右翼団体の湯浅が白骨化して発見された事を
宮野がわざわざ警視庁に持ち込んだ事から物語は
スタートです。
拳銃自殺と断定されたが、使われた銃は警察官が
使っていたニューナンブだった可能性が出てきて
極秘に捜査を開始するのでした。

その後も関係者が次々と不慮の事故とみられる
亡くなり方をしていきます。
今回も、とんでもない方法で鷺沼達の快進撃が
見られます。

漫才のような掛け合いで物語を飽きさせず、
あっという間に読み終えてしまいます。
とても面白い作品です。
しかし、ここまでくると次回のネタが大変でしょうね。


防波堤 横浜みなとみらい署暴対係/今野 敏

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今回の作品もシリーズものです。
一転して、典型的な警察小説で、これはこれで
安心して楽しめる作品です。
主人公の諸橋夏男警部と城島のコンビ、そして
彼らの部下、横浜みたとみらい署暴対係の面々
チーム諸橋の短編連作です。

今回は、諸橋自身が狙われる事件も発生します。
今野氏らしく読み手を飽きさせない展開で、
これこそあっという間に読み終えてしまいました。

横浜で発生する数々の暴力団の抗争沙汰に
日夜徹底的に叩きのめす捜査姿勢は監察の対象に
なってしまうほどです。
そんな事はお構いなしにハマの用心棒は今日も
撲滅すべく休む事無く働くのでした。
とても面白い作品です。





警視庁情報官 トリックスター (講談社文庫)/濱 嘉之

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トリックスター、詐欺師と題する今回の作品も、
主人公の警視庁総務部企画課情報室室長の
黒田純一はノンキャリアながら、その情報力の
凄さから警視総監からも一目置かれる存在が
存分に発揮される爽快な作品です。

詐欺事件、それもM資金絡みの巨額な詐欺、
情報を収取すると財界、政治家、宗教家と
ありとあらゆる世界の人間が複雑にからみ合います。

話の展開とテンポのよさは、これまでのシリーズでも
一番いいかもしりません。
現実に置き換えてみる事もできそうなほどリアルな
描写と内容に驚きの連続です。

無数にある情報を繋ぎ合わせ大きな力にかえる黒田の
凄さを改めて知る事ができる作品です。
とても面白い作品でした。