ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争/手嶋 龍一

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同時多発テロの9.11から東日本大震災の3.11、
インテリジェンスをキーワードに著者の手嶋氏
自身が遭遇し実況した時の事も交え、細かな取材と
彼の情報網が活かされた、とても衝撃的な作品です。

日本は本当に大丈夫なのか、外交面では、その素人ぶり
から様々な国と摩擦が起きており、自民党政権から
民主党政権になり、信用は相当失墜した現状を訴えます。

ビンラディン、イラク、北朝鮮、そして福島。
これまでの世界の重大な出来事の裏側が克明に
描かれており、とても興味深い作品でした。
背景をたどることで導き出されるもの、
インテリジェンスの重要性と、本当の意味を
知ることができる作品です。

こういう作品で、世界の出来事を学び知識とする事の
大切さ、これらの出来事を題材にした作品を読む時、
事前の知識が作品を何倍にも面白くしてくれる
様々な意味でよい作品でした。





歌舞伎町セブン/誉田 哲也

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歌舞伎町封鎖事件から6年、ジウの世界から
またもや歌舞伎町に異変が起こります。
一時は、中国マフィアが支配するかと思われた
歌舞伎町、気がつけば正体のわからない岩谷率いる
円勇社なる管理会社がオーナーを騙し、
あっという間に歌舞伎町のビルを自分たちのモノ
にしていました。

風俗店やヤクザの事務所まで立ち退きを迫られる
事態、同時に区が推進する歌舞伎町の再開発計画、
一体何が起こっているのか。

歌舞伎町一丁目の町会長、高山和義が突然死と
診断される出来事が。
自然死に見せかける殺し方、それをできるのは、
歌舞伎町セブンの一人、欠伸のリュウ。
事件の真相と、実行犯、そして指示をした主犯格の
人物と驚きの連続です。

ラストの展開、あっけない感じが、またいいです。
面白い作品でした。




外事警察 CODE:ジャスミン/麻生 幾

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ここまでストーリーが複雑になると
結論まで読み終えても何だかスッキリしません。
とにかく複雑な世界、覚悟して読まないと
わからなくなってしまいます。

外事警察の内部資料流出、物語はここから始まります。
原因と流出させた人物を特定するために調査を始める
松沢陽菜、その人物と原因を特定していくストーリー
かと思えば、想像できないほど大規模な展開へ。
韓国のNIS、FBI、中東に朝鮮半島と世界各国を巻き込み
核テロというとんでもない脅威に晒されます。

ジャスミンとい女性の存在が物語を大きく左右します。
なんとなく読み終えて、結論は理解したところですが、
様々な事が欠落してしまった気がしてなりません。

映画化されるようです。
難しいだろうなあと本気で思いました。
自分の読解力のなさを痛感する作品でした。




任侠病院/今野 敏

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出版社、高校と経営の立て直しを担ってきた、
不思議なヤクザ、阿岐本組、東京下町でどの広域暴力団の
傘下に入る事もなく堅木に迷惑をかけずやってきたヤクザ、
これまでも人助けとばかり、出版社や私立高校を立て直し
軌道にのせることができましたが、今回は傾きかけて
破綻寸前の病院を手がけることになります。

経営の悪化の原因は、外注業務を一手に引き受けている
関西系の暴力団の枝の枝の組のフロント企業が多額の
マージンを取っている事でした。

組長の阿岐本、代貸の日村が監事、理事となり病院の
経営に携わる事になります。
数々の嫌がらせ、病院内の雰囲気、阿岐本は基本ともいうべき
清掃と接客の対応から変えていきます。
そして、外注業者との契約変更に着手していきます。

そんな折、組事務所のある地元で突然、
暴力団追放運動が沸き起こります。
2つの問題をどう片付けていくのか、
人情と任侠の阿岐本の本領発揮です。

病院経営の難しさ、暴力団との関わりにより蝕まれていく姿、
そこからの脱却を描いた、今野氏ならではの軽快なテンポで
とても楽しく読むことができる作品でした。




小説 火ノ国銀行〈第2弾〉パニックバンク/中村 仁

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続編が出るとは、びっくりです。
恐ろしく腐りきった九州にある火ノ国銀行、
プロパーで頭取、会長、そして常任顧問として
成り上がった長門が完全に私物化し恐怖政治で
行内を統一、娘婿の梶を頭取に据え、いよいよ
崩壊へ向かう物語です。

完全に私物化された銀行では、真面目に仕事をし
いくら営業成績がよくても出世には関係が無く
いかに頭取に気に入られるかで決まる銀行。
減点方式で評価され、積極的な営業による融資より
何もしない方がリスクを取らなかった点が評価
されるという営利企業とは思えまえせん。

当然、行内は暗い雰囲気となり不正や自殺、
陰湿なパワハラとなります。
こんな銀行の嫌がらせを受け、民事再生に
踏み切った前作で登場した誠ハウスの宮本仁が
今回も随所に顔を出します。

淡々と崩壊へ向かう中で、火ノ国銀行の行員達の
心情や行動、様々な出来事が綴られています。
宮本と出会った者達が皆、彼に惹かれていく姿、
その後の行動や思いも描かれています。
この感じだと、第3作もありそうですね。