実は、ハワイに来てからも、何冊か本を読んでます。
東野圭吾「虹を操る少年」講談社文庫
平岩弓枝「火の航路」文春文庫
吉田玲雄「ホノカアボーイ」幻冬舎文庫
ホノカアボーイは、すごく良かったです!映画よりこっちのが好き。
というか、映画はまた全然違うお話です。
英語の勉強には良くないかなぁと思って持ってこなかったのですが、土日は割とヒマなので、人から借りて読んでます。
確かに英語の勉強には良くないのかもしれないけど、のんびりくつろげる環境の中で本を読めるのは最高に幸せなこと。
なので、最近は割り切って読んでます。
本を読むこともまた、英語と同じように、私の人生に新しい彩りを加えてくれるものであることは間違いないのだから。
ですが、ブログの記事に書くのは、単にめんどかったのとネット環境が乏しいって理由で、やってませんでした。
でも、この本を読んだことと、この本を読んで感じたことは残したいと思った。
だから書きます。
「永遠の0(ゼロ)」百田尚樹著、講談社文庫。
もうすぐ、12月8日ですね。
島は違いますが、この日に自分がハワイにいて、しかもその日を迎える直前という、絶妙のタイミングでこの本に出会ったことは、何だか感慨深い気がします。
以前、伊坂幸太郎さんの「砂漠」を読んだときと同じで、あぁ、ちゃんと、出会うべきときに出会えたな、って感じます。
そうです。
太平洋戦争に関するお話です。フィクションですが。
0は、零戦のゼロ。
特攻隊として死んだ祖父のことを、その孫たちが調べていくという形で物語は進みます。
当時の祖父のことを覚えている人を探し、何人かの人から話を聞くことで、祖父の人柄、生き方、死に方が少しずつ見えてくる。
その先には、残された者の悲しみや苦しみ、そして愛する人を想う心の物語があります。
一番印象的だったセリフ。
「お前が特攻で死んだところで、戦局は変わらない。しかし、お前が死ねば、お前の妻の人生は大きく変わる」
これを、あの頃の日本人は忘れていたのかも。いや、分かってても、気付かないふりをしてたんだろうか。
今の私たちも、ちゃんと、わかってるかな。
話の中には、戦争の悲惨さや当時の大本営の卑劣さや脆弱さはもちろんですが、というかそれがメインですが、他に、実際の空中戦の興奮や戦闘機の能力、戦術的な話も出てきます。
それはそれで、今まで気にしたことなかったから、なかなか面白い。
真珠湾攻撃から始まり、ミッドウェー海戦での敗北、サイパン島玉砕、沖縄戦と原爆投下を経て終戦まで、太平洋戦争全体の流れも描かれています。
時間にして4年足らず。でも、恐ろしく長く過酷な4年間。
話題の中心である「祖父」は、この過酷な年月を零戦機のパイロットとして幸運にも生き残り、でも、終戦のわずか数日前に特攻隊員として散ります。
彼の足跡を辿る形で話が進むため、真珠湾攻撃に関することが詳しく述べられているわけではありません。
むしろ真珠湾に関してはわりとさっくりです。
ですが、太平洋戦争全体をいろいろな角度から受け止めることのできる、いいお話です。
新書とか読むより、よっぽど頭に入ります。
何より、改めて身につまされました。
私は、本当に知らないな。
小学生や中学生のときとか、割と読んできたつもりだったんだけどな、そーいう本。
全然ダメだ。足りない。
事実を知らないだけじゃなくて、歴史としてすら、知らない。
本当は、この手のものはすごくすごく苦手なんだけど、やっぱり今のうちにもっと読まなきゃな、って思いました。
日本に帰ったら、少し探してみることにします。
余談ですが、解説を書いているのが児玉さんで、ちょっと切なくなりました。
私も、もっと本読もー。