蝶々喃々 | リリのぜいたく三昧

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せっかく撮った写真とか、観た映画のこととか、読んだ本とか、初めて行った場所のこととかを書きたくて。

気付けば、一週間も経っていました。


その間にあったことと言えば、

研究室の同期と会って、少し自信を取り戻す。

面接中に面接官からお祈りされて、自信を失くす。

案の定お祈りメールをもらって、逆に開き直る。

と、いったところでしょうか。


ちなみに、面接官から祈られたってのは、別に「もう君来なくていいから」とかいぢわるなこと言われたわけではなくてですね。

「君なら、ちゃんと活躍できる場所があるはずだから、もっとメジャーな業界とか受けた方がいいよー、うちみたいなところじゃなくて。頑張ってね!」と、本当に活躍を祈られました\(^o^)/

じゃぁあんたのところで雇ってくれてもいいやないかーーい!って話なんだけど、それはダメらしい。

ちぇっ( ̄^ ̄)


もう、志望業界の持ち駒はほぼゼロとなりまして、今は逆に気が楽です。

自分が(やれる力があるのかわらかないかど)やりたい仕事を求めるのではなく、今の自分にある力を求めてくれる会社を探すだけですから!

そんな会社なかったら、どうしようって話ですが(^_^;)笑←笑えない




さて。

photo:01


小川糸著、ポプラ社『蝶々喃々』

久しぶりに恋愛小説かなーと思って本屋にいったら、平積みしてあったので買いました。


ちなみに、作者の小川糸さんは、以前紹介した『食堂かたつむり』の方です。

相変わらず、「人が丹精を込めたもの」の不思議な魅力と、そういうものに対する憧れを実感させてくれる方です。



ざっくり言うと、不倫の話です。



ざっくり言いすぎました。
言い直します。

主人公の栞は、谷中でアンティークきもの屋を営む20代後半の女性。
彼女の前に現れた、陽だまりのような暖かさを持つ男性、春一郎。春一番が吹いた日に生まれたから、そう名付けられたのだというその男性の左手の薬指には、銀の指輪が光っていた……。

て、感じです。



こういう、踏み込んじゃいけない恋の話は、それでもやっぱり踏み込んでしまう瞬間というのが訪れるのだけど。

その瞬間の描写を読むとき、私は、自分がすごく悪いことをしている気分になります。

人の、最も純粋で、最も愚かな部分を垣間見るのは、例え小説でも心苦しくて。

束の間の逢瀬に胸を熱くする主人公に、これから待ちうける寂しさを考えると、読み進めるのも苦しくて、読み終えるまでにすごく時間がかかってしまいました。

あーー、叶わない恋ってホントせつない(/ _ ; )





風景の描写に、すごく素敵な表現がたくさんありました。

そういうものに触れる度に、自分の日常の一瞬一瞬も、色鮮やかで特別なものに見えてくるから嬉しい。



本の中ではゆっくりと静かな時間が流れているので、普段時間に追われて忙しくしている人には、おすすめ。