スタンリー・ジョーダンというギタリスト | 頑固不器用ワンパターン

スタンリー・ジョーダンというギタリスト

この方、多分、ブルーノート・レーベルでただ一人、ストリート演奏しているところ
をいきなりスカウトされたプレイヤーどす。
ファーストアルバムの名が、「マジック・タッチ」。このネーミングがこの人の演奏
をそのまま表しているどす。


この方、バンドで演奏するより、ソロの方が得意どす。
ストリート演奏もソロでやっていたどす。
演奏方法が変わっていて、左手だけでなく右手も使って弦を押さえるどす。

もう少し専門的に言うと、左手でベースとコードのコンピングを行い、右手がメロデ
ィーと一部カウンターコードを担当するどす。
そして、ほぼ総ての音は、ハンマリング・オンで鳴らすどす。

だから一人でベースもバッキングもメロディも、全部できちゃうどす。

文章で書くと、もうこれで怖いものなしのように見えるけど、世の中そんなに甘くは
ありませんどす(笑)

最大の弱点は、音に力がないということどす。
通常の弦を弾く奏法と比べると、1/10位しかパワーが無いどす。
だからソロならまだいいけど、バンドに入ると、音が埋もれてしまうどす。これで折
角のバカテクが、ただの軟弱ギターになってしまうどす。



ギタリストのボクとしては、当然このプレイを真似してみるわけどす。
だけど、テクニック以前に楽器でつまずくどす。なぜならば右手のタッピングで細い
1~2弦のハイポジションから、きちんとした音を連続して鳴らすには、ナットとブ
リッジ両方の高さを、この奏法専用にセッティングしないとうまくいかないからどす

従って一日で挫折したどす(笑)


名門ブルーノートから2枚くらい出したあと、どこかに移籍したどす。
ギターシンセも使うようになりましたけど、音楽そのものが平凡だからでしょうか、
最近はもう名前を聞かなくなってしまったどす。

今は何しとるどすかねぇ、どす