ビル・エバンス ライブ・イン・トーキョー | 頑固不器用ワンパターン

ビル・エバンス ライブ・イン・トーキョー

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エディ・ゴメス(b)とマーティ・モレル(ds)を従えての気合が入った演奏が聴ける、ハードなライブアルバム。
個人的に残念なのは、ボクが好きなワルツ・フォー・デビーが入っていないことと、録音クオリティが今ひとつであること位である。あとは合格。

エバンスのピアノは、ジャズピアノを本気でやろうとする人の多くが憧れる、モダンな響きが魅力。
そのモダンさは、マイルスもベタ惚れしたそうで、摩訶不思議なサウンドを鳴らすエバンスの横にピッタリ張り付いて、鍵盤上の指の動きを追っていたと言います。

残念なのは、元々身体がそれほど丈夫ではなかった上に酒好きだったようで、この2つに苦しみながら仕事をして、早くに亡くなってしまったことです。

先を急いでいた、と言うと表現が良くありませんが、「生きているうちに全部やりたい。」という音が、晩年の録音から聞こえてきます。


話しが逸れてしまいました。

ライブ・イン・トーキョーの中で、ボクが一番のお気に入り曲は「TTTT」 Twelve tone tune two.
2人で12の音階の音を演奏するってな意味です。
エバンスとゴメスがユニゾンで、12音全部を使った難解なテーマをユニゾンで弾く所から始まるスリリングな一曲。
元は「TTT」で、最後のtwoは付いていなかったらしいんです。
でもユニゾンで頑張ってやるぞ! という決意の元に4文字目のTが追加されたらしいです。

ゴメスは今でもバリバリ演奏していますが、エバンスを失った時の悲しみって、どんなだったのだろうかと、想像すると目が潤んできてしまいますね。
プロとしてデビューしたあとも、どんな面子で仕事をするかによって、その先の世界まで突き進めるか、現状に留まるか、条件は変わってくると思うのです。

ゴメスとモレルはこのトリオで活動できて、ラッキーだったと思うのです。


ボクも、アマチュアなりに、周囲の仲間に恵まれて、幸せです。
問題なのは、その割に上達が見られないことですな。。。