「悩みのるつぼ」朝日新聞 be 2024.9.7.

 

相談:「友人がおらず交際経験もない」

相談者:男性 40代

 

回答:「心と身体のコンディションを上げる」

 

相談内容:

友人が一人もいない。

いらないと思ったことは

一度もなく、これまで

いろいろと対策してきた。

でも成果が出ないまま

四半世紀以上たった。

 

できない理由としては

「自分の性質が悪い」

くらいしか思い当たらず、

もう諦めた方が

いいのではないか――と、

最近では思い始めた。

 

交際経験もない。

 

同性愛的でもあり、

愛のない結婚生活に

踏み切れるほど

合理的でもないので、

結婚できるとは考えていない。

 

両親の考えは、

「自分たちの子は結婚できるし、

そうすべきだ」のようだ。

「今後どうするつもりだ」と

漠然とした改善を

求められたりする。

 

今後の人生において

寿ぐようなことは

起きえないと

どう両親に理解させられるか。

 

私自身、現実すべてを

受け止め切れている

わけではない。

 

両親は

私をどうにかしたいようで、

私物を勝手に処分したり、

的外れな原因探しと対策を

繰り返したり。

 

応対できず、5年ほど

連絡を絶っている。

人間関係について状況を

良くする方法はあるか。

--------------------------------

回答:

文面から、長年にわたる

努力と葛藤の痕跡が

伝わってくる。

 

そんな切実なお悩みを前に、

一期一会の自分に何が

書けるのか……。

 

ご両親からされてきた

<的外れな原因探しと対策>を

ここでも繰り返してしまったら

どうしようと怯えつつ、

私なりの回答をさせていただく。

 

親との問題はすでに対処済みで、

交際や結婚については現状

<できるとは考えておりません>

とある。

 

仮に優先順位をつけるならば

「友人が欲しい」が喫緊の問題。

 

これは他者が関係してくる問題。

運や環境にも左右されるため、

できないことの理由をいくら

探っても究極的にはわかり得ない。

 

「今から具体的にできること」に

絞って対策を考えてみる。

 

大前提として、友人を作るには

他者と出会う必要がある。

 

共通の趣味、居場所など、

何かを媒介にして新たな出会いを

探る道もあるだろう。

例えば、仕事仲間など、

別の接点でつながる誰かから

友人になってみたい人を探す道も

あるかもしれない。

 

ただ、いずれにしても他者と

出会うことには未知数の

ストレスやプレッシャーが

付きまとう。

 

これに翻弄されてしまうと

疲れるし、モチベーションも

しぼみかねない。

 

そのためにもまず、

心と身体のコンディションを上げ、

土台の安定化を図ることが

ファーストステップになると考える。

 

その具体策としてオススメが、

筋トレ・美容・勉強・料理の4つ。

 

継続のポイントは”受け身”と

”反復”。

 

例えばパーソナルジムに入会。

プロの指導に従って粛々と

トレーニングをこなしていく。

その他も同様。

習ったことを繰り返し実践。

 

そういう中で変化や手応え、

スキルや経験値を積み上げれば

心身のコンディションは

着実に上がっていくはず。

 

地道で遠回りでお金もかかる上、

ややもするとマッチョな提案に

感じられるかもしれないが、

途方に暮れているときこそ、

「足腰を鍛える」的な

発想が有効ではないか。

 

他者との出会いはリスクと

スリルが満載。

言わばギャンブル。

 

土台の安定化とは、

さしずめ資金作りと言える

かもしれない。

 

何か失敗したときに

立ち返れる場所があるのも

心強い。

 

同じ40代男性として、

相談者さんの前途を

応援する!

--------------------------------

「友人がいない」

「それは恥ずかしいこと」

「相談できない」から、

電話カウンセリングで

相談している。

 

このようにおっしゃる女性が

多いです。

友人がいても何でも話せるとは

限りません。

友人だから話せないことも

あるでしょう。

 

今回の相談者さんは、男性。

相談者さんにとって、

「友人」の定義とは?

「友だち幻想」はありませんか?

 

 

 

回答にもあるように、

優先順位で考えると、

「友人づくり」が喫緊の問題。

 

 

交際経験もないというのは、

交際したいお相手に

出会えなかったのでしょうか。

 

気になるのは、

友人ができない原因として

「自分の性質が悪い」

くらいしか思い当たらない点。

 

「性質が悪い」とは、

具体的にどういうこと?

 

相談者さんの思い込みか、

誰かにそう言われたのか。

 

独りが好きな人もいるし、

友達と一緒がいい人もいます。

 

お誘いを受けて、

行きたくないのに無理して

行く人もいます。

 

つきあうには時間もお金も

かかります。

 

お誘いを断ると、

疎遠になりますが、

その程度の友人なら

いない方がましと思う人も

います。

 

 

40代、友人たちと

疎遠になる人も多い時期。

 

独身の人と結婚した人とは

生活環境も価値観も違い、

話が合わなくなってきます。

 

介護に追われる人も、

同世代の人に、しんどさを

わかってもらえません。

 

長い付き合いの友人と

別れる選択をする人もいます。

 

 

相談者さんが、

四半世紀にわたり、

いろいろやってきたけど

成果が出なかったのは、

似たような価値観の人に

まだ出会ってないから

かもしれません。

 

「もう諦めた方が

いいのではないか――と、

最近では思い始めた」と

ありますが、

そこからがスタートです。

 

 

 

 

相談者さんは、

人見知りな性格でしょうか。

 

回答にあるようなジムや

スクールに通うのは、

ハードルが高いと感じるなら、

少人数、あるいは

個人指導のオンライン講座は、

いかがでしょう?

 

無理と思えば、ZOOMから

すぐに退席できますし、

リアルな講座より距離があり、

アウェイではなく、自宅から

参加できるので抵抗感は

はるかに少ないはず。

 

「習うより慣れろ」

「場数」を踏みましょう。

 

 

ゆるいつきあいのできる人が

見つかればいいですね。

 

興味のあるジャンル別に

話せる人がいたら、

それでOKとしましょう。

 

友人が急に逝ってしまう

喪失感も想定し、

リスクを分散しましょう。